7月6日
秋田県大館市の北端、青森県の県境に位置し白神山地に属する山、田代岳へ登ってみた。半夏生という不思議な言葉とミツガシワという高山植物を知るきっかけとなった山。八合目付近までぶなの森に覆われたやさしい雰囲気の山だ。この山の〇〇合目の表示は標高差約50m置きに設置されていて、とてもわかりやすい。
9合目付近には、大小120あるという池塘が点在し「雲上のアラスカ庭園」とも呼ばれている。
田代岳は、古くから水田信仰の山として知られ、青森県南津軽地方や秋田県北部地方の農家の人々は、毎年“半夏生”にあたる7月2日ころ、池塘に生えるミツガシワの生育状態を見て、その年の稲作の豊凶を占う伝統的習慣「田代岳占い」という例祭が催される。
気なる今年の豊凶結果は??
“田代岳占い”で検索してみたら、この祭事を担っている神社の宮司さんの“綴子神社のブログ”にたどり着いた。
半夏生の7月2日のブログには
“やや不良。平年並みまで行くか行かないかというところで判断させて戴きました”とのコメントが載っていました。
最後に“・・・忘れてはいけないもの、無くなりそうですが、無くしてはいけないものがここにあります・・・”と・・・結んでいた。青森県の山内丸山遺跡に代表されるような東北に残る縄文時代の遺跡から伺えること、その時々の出来事を神楽などの伝承や昔話に置き換え、東北の自然とともに生きてきた祖先、
この数週間の間に出会った、たくさんの高山植物やぶなの木々、宮沢賢治の生き方、現代版自然を生業とするガイドの姿などが重なってきた。自然のサイクルにはかなわないのだなとあらためて感じる時間をいただいた田代岳湿原だった。この山へ、登るなら半夏生のころが良いという願いがかなった、このような機会をいただき感謝。
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