DUMMY FAKE ROLLERS

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[コブクロ] NAMELESS WORLD のレビューです

2006年01月21日 | コブクロ・馬場俊英
「ここにしか咲かない花」でようやく大ブレイクを果たしたコブクロの、
ある意味勝負作とも言える注目の5thアルバム『NAMELESS WORLD』のレビューです。

NAMELESS WORLD(初回限定盤)(DVD付)
コブクロ, 小渕健太郎, 黒田俊介
ワーナーミュージック・ジャパン

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一聴したところ、アルバム全体的に散漫な感じがしました。
1曲1曲はとても良いのですが、アルバム全体で見ると、2~4曲目に配置された
ヒットシングルの「ここにしか咲かない花」と、そのカップリングの「六等星」、
最新シングル「桜」のスケールが大きすぎて、
他の小粒な曲とのバランスがとれてない感じかな。

特に、「ここにしか~」はマイナーなメロが多く、彼ら本来のメジャーな暖かい
雰囲気が少ないため、アルバムの中でやや浮いてる気がするし、
「桜」もアレンジが壮大すぎて存在感がありすぎる感じ。

5曲目以降は、これまでの彼ららしい小粒で良質な楽曲が並んでいて
ほっとするのだが、アルバム前半にそのスケールの大きいシングルが
集中しているため、バランスの悪さを感じてしまう。

恐らく曲順については、いろいろ悩んだんでしょうね。
アルバムの前半にヒットシングルを固めるのは、耳なじみの良い楽曲を
試聴機でより多く聴いてもらい、購買意欲を高めるための手法として、
GIZAの女性アーティストのアルバムでよく見られますが、
今回のコブクロも勝負作ということで、そのあたりを狙ったんでしょうか。
(そう考えたくはないですが。。)

というわけで、アルバムのトータル感では、前作『MUSIC MAN SHIP』の方が
完成度は高いと思います。
MUSIC MAN SHIP
コブクロ, 小渕健太郎, 馬場俊英, 黒田俊介
ワーナーミュージック・ジャパン

初期3作品に比べ、
サウンドクオリティがスケールアップした意欲作


ただ、逆に考えれば、最近コブクロを知った人には、入りやすい作りに
なってると言えます。

まず前半で、ヒットシングル2発+カップリングによってリスナーの満足感を
満たした後、彼ららしい小粒な良品を並べ、バラードアーティストと
勘違いされないように、アップテンポな曲も織り交ぜつつ、従来の彼ららしさを
アピール。そして、アルバムのクライマックスに、彼らお得意の、仲間にエールを
送る人生応援歌である「Starting Line」「同じ窓から見てた空」で締める、と。

個人的には、「Starting Line」と「同じ窓から見てた空」が、
このアルバムのハイライトだと思っています。
前作での「ここから」に匹敵する感動があります。

このアルバムでは、見事オリコン週間チャートで1位を獲得したようですが、
一般リスナーが今後も続けてコブクロを聴き続けてくれるかどうか、
それは今後のコブクロのリリースプランにかかっていますね。

壮大なバラードを2曲続けてヒットさせた後、彼らはどんな次の一手を
出してくるのでしょうか。
私的には、バラードアーティストになってしまわないように、
「東京の冬」ぐらいのミッドテンポで、メジャーな暖かめの
シングルを出して、一般リスナーの様子を見てはどうかと思いますね。

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