大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

和光市議会視察レポート 2/2

2011-10-15 20:39:16 | 議会改革
前日の日記掲載に続いて、和光市議会視察レポート後編を掲載します。

視察を経て、大府市議会への提言・反映 の部分です。

【以下提出書面転載】
《大府市への反映》
①議会改革の取り組みと議会基本条例について
 和光市の初期の取り掛かりは現在の当市特別委員会と同じ手順であるように見受ける。提案事項の整理だけでもかなりの回数を重ねており、当市でも慎重に議論する必要を感じる。
 当市では議会基本条例を制定するかどうかまだ方針が定まっていない。各議会の多くが、各々独自で作るにしても先行事例を参考にすることがほとんどの中で、和光市が参考にした栗山町と伊賀市はその典型的なものである。平成20年度から基本条例づくりに取り組んだ和光市であるが、その後、京丹後市や会津若松市など議会改革の先進事例の層が厚くなってきており、今後検討を重ねていく当市議会としては、こうした更に多くの先行事例の中から、積極的に参考にするものを見定める必要がある。
 また注目すべき点として、市民参画や市民意識の向上のための取り組みがある。議員だけでなく市民も交えた公開講演会を行い、議会改革についての市民の理解と関心を高める過程を経て、条例素案の説明会やパブコメ、さらにこれらの市民からの意見の反映の回答の場=説明会を行っていることには大きな意義を感じる。行政が住民と協働し住民自治へと転換することが求められる中、議会が「議員個々の支援者との関係づくりとしてではなく、議会という機関・組織として」住民の関与関心を高めていくことは必須と考える。こうした過程への住民の関与の機会を積極的に設けることや、まず関心を持っていただくことは、基本条例の制定に限ったことではなく、常に議会改革として念頭に置く必要がある。
 議会改革で視察訪問した各市は、それぞれに基本条例をつくり、住民・執行部それぞれとの関係を明確化し、議会の基本方針を明確に掲げ、具体的に行うことを条文化して決定的継続的にしている。後戻りしないたもめの担保の意味合いも感じる。背筋を伸ばしてたゆみなく開かれた議会としていくには、議会基本条例の制定が必要なのではないだろうか。いち議員としての活動や行動と、議会という合議体・組織としての活動や行動の違いの理解もまず必要である。今回視察した他市でも説明があったが、講師を招いての勉強会を行うことも、議員の意識改革や意欲向上に効果的であろうと考える。
 開かれた議会にしていくためには、情報公開や広報が欠かせないが、資料で配布いただいたとおり、HPの公開がかなり充実しており、議会広報委員会と事務局で研究する必要を感じる。議会の開催と傍聴のお誘いを、毎定例会ポスターをつくり市内に掲示する手法は、予算措置のカベが低く、早々に検討課題とされたい。

②議会報告会について
 議会報告会を行うにあたり、大前提として「発表者議員の個人の見解の報告ではなく、議会という機関として住民に報告する」ものであると認識することが重要である。この理解がないと、「議員個々で後援会を対象として行っている活動報告」と混同し、「議会」報告会の意義を評価できなくなってしまう。「私はこう思う」ではなく「議会としてこのような議論を経てこのような結論を出しました」と説明することは、実は難しいもので、各地の報告者となられた議員さんも苦労されているようだ。
 組織として公式に見解や結論を述べ、意見を承る場として、報告者としては当市でもぜひ取り組むべきと考えている。議事がどう審査されどう結論したか、が明解になっていないと説明ができないことから、報告会を行ってみてさらに議会のレベルアップにつなげることも可能と考える。住民が選挙の時だけしか関与しないのではなく、常に議会活動に一定の関心を寄せていただくだめにも有効ではないだろうか。また、報告会の会場で承った意見を、議会発の政策形成サイクルにしていく会津若松方式という先進事例もあり、「本来の自治」としていくために議会が果たすべき役割を、議会改革・活性化の議論の中で明らかにしたうえで、報告会を位置づけていくことができたら、実施に際しての課題や留意点も明確になるのではないだろうか。


和光市議会視察レポート1/2

2011-10-14 20:58:22 | 議会改革
先週、大府市議会 議会改革活性化特別委員会の委員として、議会運営委員会と合同の一泊二日の視察に行ってまいりました。

そのうちの2日目午後、和光市議会視察のレポートです。

視察後、参加議員が分担して視察先のレポートを委員長あてに提出したのですが、私の分担が和光市議会でしたので、
提出したものを2回に分けて掲載します。

前編は 視察内容
後編は 視察をした結果、大府市議会に反映していくための提言です。

本日記事は前半の、「視察内容」を掲載します。

【以下提出文面ママ】
① 議会改革の取り組みと議会基本条例について
●平成19年4月の改選以降から継続して取り組んでいる(開始は平成19年6月)。1~2回/月の会議で議会基本条例議決までに31回を重ねている。各会派からの55項目の改革の要望の整理し反映するのにうち9回、以降が基本条例策定の過程にあたる。
●議会改革に取り組んで1年後に、議会基本条例の制定に向け議論していく方針決定
●特別委員会の設置でなく、議会運営委員会で議論した。議会運営委員会は、議案付託
の審査の場合は会派から選出された委員で審査するが、議会運営の話し合いについては一人会派もオブザーバー参加しているため、全議員で議会改革をするにあたり、議会運営委員会で行うのが適切と判断したもの。
●基本条例づくりは、一人会派も含め全会一致で行った。
●基本条例づくりでは、和光らしく独自のものにしたいと考えた。しかし全くの白紙からは難しく、栗山町と伊賀市の条例を参考とした。
● 条例素案がまとまってきた時期(平成21年7月)に、市民参加できる公開講演会を開催。市民78名が来場。市民と議員の理解を深める機会を設けた。
●条例素案の完成をもって、市民向け条例案説明会を2回開催(平成22年7月)。パブリックコメント(同7月)、報告会とパブコメの反映や回答を提示する条例案の報告会(同11月)開催。これらの過程で第2条が追加されている。
●平成22年12月定例会で条例可決。

②議会報告会について
●平成22年4月 第1回・第2回をそれぞれ別会場で行った。次回は本年11月に行う予定。議会基本第5条「議会と市民との連携」に「場を設け」ることが規定されている。
●報告会参加者アンケートの結果や、質疑応答の問答全てを市議会HPに掲載。
●2部構成。第1部は報告・説明。第2部が質疑応答。予め質問票を配り、間の休憩時間に回収して回答に備える形で進行した。質問票の回答後に、口頭での質疑に応じた。
● 進行のリハーサルは必要。説明者・応答者に(議員個々の)差が出る。
●議会報告会の告知・広報の状況→議会だより掲載、HP掲載のほか、ポスターにも掲載している。ポスターは定例会ごとに作り市内各所掲示板に貼っている。

③議場見学

議会改革特別委員会への提案

2011-07-11 09:58:06 | 議会改革
大府市議会では6月議会最終日に「議会改革・活性化特別委員会」の設置と、委員の任命が行われました。
委員は7名。
会派ごとに「自民クラブ(議員7名で構成)=委員2名」「市民クラブ(6名)=2名」「共産党(3名)=1名」「公明党(2名)=1名」「無所属・未来PJ(2名)=1名」「無会派(1名)=0名」と、会派代表者会議でそれぞれ委員の人数が予め割り振られており、私も委員となっています。
大府市議会HP 委員会名簿リンク

13日(水)の午後1時半から次回の委員会が開催される予定です。
開催前に、この委員会で議会改革・活性化に向けて調査・検討する事項を、各会派ごとにまとめて提出しておくことになっていました。
本日が提出期限だったので、無所属・未来プロジェクトでは25項目の調査・検討のための提案をまとめ提出しました。

※会派ごとにまとめて提出する点について、大府市議会では現在、会派に属さない議員が1名あるため「会派に属さず委員でもない議員からの意見聴取について」議会事務局を通じ、委員長に取り扱いについて確認を申し上げています。
初回の委員会で意見・提案提出について告知された際に、会派に属さない議員からの意見を得ることとその取り扱いについて確認しなかったことは、
委員としてその場にいた私としては手落ちだったと振り返っているところです。



議会改革・活性化特別委員会は議決によって設置された正式な委員会ですから、原則公開となります。一般傍聴可能ですので、ぜひ傍聴にお越しください。
次回は13日(水)午後1時半からです。臨時会が午前に予定されているため、臨時会の時間が午後に及んだ場合は時間がずれるかもしれません。

「久野議員の議員辞職を求めることに関する請願書」紹介議員になりました

2011-05-26 22:05:34 | 議会改革
(これまたカテゴリが「議会改革」とするのが些か疑問なところですが、あまり分類が細かくなっても見づらいかと)

請願書とは、市民が議会に提出する要望の書面の一種です。
「こうしてほしい」という意見を書いて押印しただけのものは、「陳情」として、
直接議会事務局に持参した場合は、その意見の書面が市議全員に配布されます。が、
議案として、この意見について議員のみなさんがどう考え判断するか、とテーブルに載せられることはありません。
(郵送の場合は、タイトルと陳情者名だけ一覧配布されるのみです)
しかし、請願書の場合、
市議会に対し「こうしてほしい」と書いた書面を議員が了解し「紹介議員」となることで、
正式に議案として、定例議会の中で審議されます。議員それぞれに賛否を示すことで、その市民意見に対する議員全員の立ち位置も確認できます。
但し、市議会で審査することなので、
国や県のしていることに対しては「国に~の意見書を提出してください」
市で行う事に関しては「市に~を要求してください」など、
その市民意見の対応をする組織に対して「議会という組織として態度を示す」ことを求める書面にしないといけません。
(~について見解を問う という書面ではいけない、Yes,Noで答えられる書面にするということです)



久野議員が逮捕されたとの報道以降、多方面から様々なお声を頂戴しています。
その程度のことで、といった、穏便なお声もいただいています。
もっと多額の、横領まがいの口利きをしている国会議員もいるだろう、そっちの断罪が先だ、
というご意見もありました。

そうしたみなさまのお声を踏まえたうえで、それでも私は、
「法を作る立場の議員が、金額の多寡に関係なく、法に反することをした」という点は、
如何とも認められない、との考えを持っています。
公職選挙法では
現職議員あるいは立候補予定者が、代金を払い飲食の提供をすること、について
幾らまでなら常識の範囲、という基準を示して規制しているのではなく、
「してはいけない」ということが示されているのです。

ましてや、信託を受ける「選挙」の手続きにおける違反は、
有権者に対する態度として、信を問う立場として、許すべきでない。
自分も信を問う立場であるからこそ、みなさんが思う以上に、厳しい考えを持っているのかもしれません。
公職選挙法が、遵守するに厳しいきまりが多くあり、それでもその規制の範囲内でしか政治活動・選挙活動はできない。
足かせに感じることが多々ありながら「悪法でも法は法」として遵守に努めてきた立場として。


さて、このように、有権者の方々から、
穏健なご意見を頂戴する一方で、
相当多くの「逮捕されたのに議員のまま」でおられることに対する批判、
納税者として、「議員報酬が今も払われている」ことに対する悔しさ
これらの意見も頂戴してきておりました。

その中のお一人より、請願書提出についてご相談を頂戴しておりました。
議員辞職を求めたいという、請願者の考えと、
ここまでに述べてきた私の考えが一致しているので、紹介議員として正式に議案として議会提出すること、
全員協議会ほかのやりとりから、大府市議会日本共産党議員団が「議員辞職すべき」との考えを表明済みであること、
これらのことから、紹介議員には、無所属の私と、日本共産党の久永議員、森山議員が署名することになりました。
紹介議員の筆頭は私です。一連の審査の表に立つことになります。


請願内容は
「久野喜孝議員に対し、速やかに議員辞職を勧告してください」
というものです。
請願としての様式は満たしているとして受理されましたので、
正式に6月議会で、議案として審査されます。
この請願に対する賛否を見ることで、大府市議会の議員諸氏が、この事件に関し、辞職すべきと思っているのかどうかを知ることができます。
委員会の審査の問答を傍聴すると、各委員がこの件についてどう思っているのかが浮かび上がるでしょう。
審査日程については、来週月曜、5月30日の議会運営委員会で確定しますので、
そうしたら、またお知らせしていきますね。

大府市議会は瀬戸際 ゼロから出直し必要

2011-05-13 09:34:13 | 議会改革
カテゴリーを議会改革とするものかどうか迷うところですが・・・

昨日、榊原議員が逮捕されました。
(辞職願を提出されたようですが、その取り扱いについてまだ結論が出ていない現在は、氏の身分は「議員」です)

久野議員(こちらは辞意表明なし)は選挙後早々に逮捕されています。
久野議員の逮捕について、何度もブログを書きかけては途中になってしまい、
現職議長の逮捕について、その議会の一員としてどう受け止めているか、
私は自らの言葉で表明せねばと思いつつ、できずに日が過ぎていた中での2人目の逮捕。

大府に住むみなさんが、行く先々で「大府ってこんなことになってるんですってね」と言われてしまう。
大府をマイナスイメージとして発信してしまう。
「大府」のイメージダウンによって、市も市民も多大な迷惑をこうむっています。
この点において、この不祥事を起こした議会の一員として、
心より申し訳なく思っています。
(特に、現職議長の逮捕については、その人物を議会をまとめる代表として信任してきた責任が、議会にはあります)

一方で、この4年間「大府市議会議員」の身分をもってあちこちに出向き、
大府市議会を多少なりともあちこちに発信し、イメージアップに努めてきた者として、
「不祥事を起こした議会の一員」と見られることに悔しさがあるのも正直な気持ちです。


もともと、それほど議会に対する信頼や期待が大きかったわけではありません。
それは、投票率が下がり続けていることや、
議員報酬・定数を減らしてください、という市民意見が多くあること、
一般論としてよくある「議員なんてそんなに要らん」「どうせ仕事してない」という評価に、
大府市議会も同じ状況であったということでした。
しかし、ことここに2名逮捕という事態に、
「たまたま認識の欠落した個人が混ざっていた」では済まされない
体質・風土に大きな課題があると認めるべきでしょう。

私はそのようなことはしていない、あの2人が悪い
と、他人事のように批判だけして、お辞めになれば全面解決と考えるのは
あまりにも楽天的過ぎます。

思えば、この統一地方選において、
全国各地で、我も我もと立候補者が多数になり、
激戦となった選挙区がいかに多かったことか。
ひきかえ大府市は、1名オーバーでかろうじて無投票を避けられた程度。
「誰でも政治に関心をもち、誰でも自らもの申してみよう」と考えられる風土になかったということ。
分厚い重いフタが乗っかっていたから、
新風を吹き込もうという気になれない、そんな期待も持てない議会だったから、
立候補してみようとか、誰かを積極的に応援し、投票に行こうという魅力を感じさせなかったから、
慣れあいの政治をし、慣れあいの選挙をした結果が今回の事態なのでは。


市民だれもが「こんな議会で恥ずかしい・・・」と思わされてしまったこの2件で、
期待が持てない、魅力を感じないどころか、そこから迷惑料をマイナスして、
もはや市民の議会に対する気持ちはゼロだと考えます。
議会不要論がにわかに現実味を帯びてくるほどに・・・

これからせねばならないことは
信頼「回復」ではありません。もとから回復というほどの信頼関係が築けていなかったのだから。
「ゼロからの信頼の構築」
違反者に対する罰則とか(それももちろん必要ですが)、表面的なことではなく、

本当に議会は必要なのか
どのように仕事をして機能をしていて、どのように仕事をしていなくて機能していないか。
これを明らかにし、新たに評価されるよう、
全力で議会の透明化と議会改革、議員の質の向上に取り組まないといけない。
「チーム議会」で。
それができないのなら、議会は不要だ。