●お待たせしました~!
ハタと思い立ち直感で行った、先日の道東旅のご報告です。
実はこの旅、始まりは札幌のこの場所からでした。
ここは、知る人ぞ知るオトナの隠れ家、
「木沢ウッドワーキング(木沢建築事務所)」。
窓の外は、すぐに森。
家はもちろん、このテラスも、
テラスの下にある、ワイルドな雨水利用システムも、
森と隣接する庭にある、絵描きのお友達にもらったという
廃材(下描きカンバス)利用のティピーも、
昔、お子さんたちが喜んで遊んだというこのサッカーゲームも、み~んな、
斬新なアイデアと、それをカタチにする技術を持つ
カッチョイ~この大工さん、木沢幸彦さんのハンドメイド。
森の清水流れる念願のこの場所に友人に連れてきてもらい、
3人であれこれオシャベリしたのが、芽室へ行く4日前のこと。
「僕のお客さんで、もともと森の片隅にモンゴルのゲルを建てて、
そこに馬と暮らしていた面白い家族がいるんだよ」
という木沢さんの一言にピン!と来た私は、
「それいい!私、日本を歩いて旅しようと思ってたけど、
馬とだったら心強いし、荷物も運んでもらえるし、
私は誰もやったことないことをやりたいから、ピッタリかも~!」
と、大コーフン。
「家もゲルなら私向きだな~!テントだからきっと私にも建てられるし、
いざとなったら移動もできる。ドームハウスに住みたかったし……
田舎暮らしでも馬と一緒ならできそう!畑も一緒に耕して……」
と、みるみるうちに妄想がムクムク。
木沢さん:
「どうせやるなら感動的な方が話題になるから、
馬肉になる寸前の馬をすんでのところで救って、
逃避行の旅に出る、っていうのがいいな。
で、日本各地を旅しながら、動物と人間をめぐる
いろんなドラマが織り成されていって……
それで最後は阿蘇の牧場に行き着くんだな。
そこでクライマックスのドラマが起きる。
日本文化や、各地の食や、名所もふんだんに取り込んで……
こりゃ映画化間違いなしだな。ハリウッドにも進出しよう!」
友人:
「木沢さん、ほんとは大工じゃなくて、作家か映画監督なんじゃない?」(笑)
私:
「きゃ~楽し~!ねーねー最後は、阿蘇の牧場で、
私も馬も同時に恋に落ちてハッピーエンドがいいな~!
うん。馬にも私にも赤ちゃんができるの。うひゃ~サイコ~!」
……と盛り上がり、帰宅後コーフン覚めやらぬ指先で検索すると…
馬と旅するというサイトを発見!
そこで見つけた、芽室の剣山どさんこ牧場に電話すると……
「はい、カワハラです」
と、なんとも穏やかな声。
さっそく日程を問合せ、4日後、私は生まれて初めて、
待ち合わせの芽室駅にたどり着いたのです。
待ち合わせの場所で、青いつなぎの川原さんとご対面。
車に乗せていただき、駅から走ること30分弱。
助手席から、運転中の川原さんに、
「私は、世界一周の旅で戦地を体験したことが大きな転機になって、
今、エネルギーを他国から奪わなくてもすむ生活を目指して
ECOな暮らし方をイロイロと実験中なんですが、
車の代わりに馬に体や荷物を運んでもらったり、
馬と一緒に旅したり、馬に手伝ってもらって畑をしたりする暮らしが
できないかなーと突然思い立って、
でも、馬が好きかどうかもわからないような状態だったので、
とにかく馬に会わなきゃ!自分がどう感じるのかを確かめたい!
…と思って、やもたてもたまらずに来ました」
……と事情を説明すると、川原さんは穏やかな横顔でほほ笑みながら、
「そうですか」
と答え、一呼吸置いてから、
「実はねぇ、私の家は10年前に自分で設計して建てたのですが、
無暖房住宅で、冬も灯油を使わないんですよ」
とのこと。
うひゃ~!
なんとこんなところで思いがけず、ECOライフの大先輩発見!
とばかりに興味シンシンで質問しまくる私に、川原さんは優しく答えてくださり、
話も弾んで、アッというまに剣山に到着。
山の中をしばらく行くと、河原さんが建てたという立派な山小屋が登場。
「泊まるところはありますか?」
という私の質問に
「1泊1500円で泊まれますよ。山の中の古い小屋ですけどね」
というお答えだったので、粗末で小さな掘っ立て小屋を想像していたけれど、
緑の牧場の一角にドッシリと建つステキな別荘でビックリ。
聞けば、ほとんど川原さんの手づくりとのことで、またビックリ。
お部屋に荷物を置いて着替え、まずはどさんこちゃん達に会いに、
ワクワクドキドキしながら牧場へ。
放牧されている山に行く手前にある馬小屋で、お馬さんたちにご対面。
きゃーーー! でっかい顔~!でっかい目~!長いまつ毛~!
でっかいウンコ~!!!
でっかくてチョットこわいけど…
でも、どの馬もなんてキレイなんだろう!
全然クサくなくて、なんだか干草のいい匂い……
川原さん:「今、ちょうど調教のレッスンをしてるところだから、見ますか?」
私 :「はい、見せてください」
私 : 「人が乗れる馬にするには、調教が必要なんですね……」
川原さん:「そうです」
私 : 「乗れる馬になるには、どのくらいの時間がかかるのですか?」
川原さん:「馬によっても、調教師によっても違うからねぇ…でも、何ヶ月かはかかりますよ」
……などと説明を聞いたのち、いざ、放牧の現場へ。
うわ~いるいる! なんだか平和な光景だなぁ~!
川原さん:「ここに来る人間は男の年寄りが多いから、
若い女の人の声がすると馬たちが喜んで寄ってきますけど、
何にも悪さはしないから、怖がらないでくださいね」
私 :「はい、わかりました(笑)」
……と言ってるそばから、来るわ来るわほんとに馬たちがどんどん近づいてくる!
白い馬。黒い馬。茶色い馬。斑点のある馬……
みーーーんなでっかくて、ちょっこしコワイけど、すごくカワイイ!!!
でっかい目で私をじーっと見て、ゆっくりまばたきをして、匂いをかいで……
手を伸ばすと、なめたり、甘噛みしてきたり、口でモソモソ、私のズボンを引っ張ったり。
みーんなあったかくて、近くにいてくれると、なんか安心する。
……と思っていたら、
一頭の仔馬が近づいてきて、肌をピタッとくっつけてきて、離れない。
他の馬はしばらくすると、また草を食みに離れていくのに、
この子はまるで猫とか犬みたいに、肌をくっつけたまま離れない。
ひゃ~なんてカワイイのぉ~!!!
見れば額に、白い打ち上げ花火みたいな模様。
私が即座に 「花火!」 と呼ぶと、
その名をお気に召したようで、ますますくっついてきて、写真も撮れない。
「花火、川原さんがね、そろそろ乗馬の時間にしましょう、って。
もう行かなきゃ。遅くなっちゃうからね。
アンタはまだ調教されてないから乗れないでしょ。
また会おうね。行かせてね」
私が動こうとすると、逆方向にグイッと体を押し付けてきて行かせまいとする。
足を踏み出そうとすると、足を踏んでくる。
まるで人間の子どもみたい。
なんてカワイイんだろう……!マイッタなぁ……
何度も言って聞かせて、やっとの思いでカラダを離すと、
「なんで行っちゃうのさ~」
という顔で私を見つめてる。
ごめんね、花火。
また会いに来るから元気でいるんだよ。
また絶対、会いに来るからね。
(次回、≪後編≫につづく……)
ハタと思い立ち直感で行った、先日の道東旅のご報告です。
実はこの旅、始まりは札幌のこの場所からでした。
ここは、知る人ぞ知るオトナの隠れ家、
「木沢ウッドワーキング(木沢建築事務所)」。
窓の外は、すぐに森。
家はもちろん、このテラスも、
テラスの下にある、ワイルドな雨水利用システムも、
森と隣接する庭にある、絵描きのお友達にもらったという
廃材(下描きカンバス)利用のティピーも、
昔、お子さんたちが喜んで遊んだというこのサッカーゲームも、み~んな、
斬新なアイデアと、それをカタチにする技術を持つ
カッチョイ~この大工さん、木沢幸彦さんのハンドメイド。
森の清水流れる念願のこの場所に友人に連れてきてもらい、
3人であれこれオシャベリしたのが、芽室へ行く4日前のこと。
「僕のお客さんで、もともと森の片隅にモンゴルのゲルを建てて、
そこに馬と暮らしていた面白い家族がいるんだよ」
という木沢さんの一言にピン!と来た私は、
「それいい!私、日本を歩いて旅しようと思ってたけど、
馬とだったら心強いし、荷物も運んでもらえるし、
私は誰もやったことないことをやりたいから、ピッタリかも~!」
と、大コーフン。
「家もゲルなら私向きだな~!テントだからきっと私にも建てられるし、
いざとなったら移動もできる。ドームハウスに住みたかったし……
田舎暮らしでも馬と一緒ならできそう!畑も一緒に耕して……」
と、みるみるうちに妄想がムクムク。
木沢さん:
「どうせやるなら感動的な方が話題になるから、
馬肉になる寸前の馬をすんでのところで救って、
逃避行の旅に出る、っていうのがいいな。
で、日本各地を旅しながら、動物と人間をめぐる
いろんなドラマが織り成されていって……
それで最後は阿蘇の牧場に行き着くんだな。
そこでクライマックスのドラマが起きる。
日本文化や、各地の食や、名所もふんだんに取り込んで……
こりゃ映画化間違いなしだな。ハリウッドにも進出しよう!」
友人:
「木沢さん、ほんとは大工じゃなくて、作家か映画監督なんじゃない?」(笑)
私:
「きゃ~楽し~!ねーねー最後は、阿蘇の牧場で、
私も馬も同時に恋に落ちてハッピーエンドがいいな~!
うん。馬にも私にも赤ちゃんができるの。うひゃ~サイコ~!」
……と盛り上がり、帰宅後コーフン覚めやらぬ指先で検索すると…
馬と旅するというサイトを発見!
そこで見つけた、芽室の剣山どさんこ牧場に電話すると……
「はい、カワハラです」
と、なんとも穏やかな声。
さっそく日程を問合せ、4日後、私は生まれて初めて、
待ち合わせの芽室駅にたどり着いたのです。
待ち合わせの場所で、青いつなぎの川原さんとご対面。
車に乗せていただき、駅から走ること30分弱。
助手席から、運転中の川原さんに、
「私は、世界一周の旅で戦地を体験したことが大きな転機になって、
今、エネルギーを他国から奪わなくてもすむ生活を目指して
ECOな暮らし方をイロイロと実験中なんですが、
車の代わりに馬に体や荷物を運んでもらったり、
馬と一緒に旅したり、馬に手伝ってもらって畑をしたりする暮らしが
できないかなーと突然思い立って、
でも、馬が好きかどうかもわからないような状態だったので、
とにかく馬に会わなきゃ!自分がどう感じるのかを確かめたい!
…と思って、やもたてもたまらずに来ました」
……と事情を説明すると、川原さんは穏やかな横顔でほほ笑みながら、
「そうですか」
と答え、一呼吸置いてから、
「実はねぇ、私の家は10年前に自分で設計して建てたのですが、
無暖房住宅で、冬も灯油を使わないんですよ」
とのこと。
うひゃ~!
なんとこんなところで思いがけず、ECOライフの大先輩発見!
とばかりに興味シンシンで質問しまくる私に、川原さんは優しく答えてくださり、
話も弾んで、アッというまに剣山に到着。
山の中をしばらく行くと、河原さんが建てたという立派な山小屋が登場。
「泊まるところはありますか?」
という私の質問に
「1泊1500円で泊まれますよ。山の中の古い小屋ですけどね」
というお答えだったので、粗末で小さな掘っ立て小屋を想像していたけれど、
緑の牧場の一角にドッシリと建つステキな別荘でビックリ。
聞けば、ほとんど川原さんの手づくりとのことで、またビックリ。
お部屋に荷物を置いて着替え、まずはどさんこちゃん達に会いに、
ワクワクドキドキしながら牧場へ。
放牧されている山に行く手前にある馬小屋で、お馬さんたちにご対面。
きゃーーー! でっかい顔~!でっかい目~!長いまつ毛~!
でっかいウンコ~!!!
でっかくてチョットこわいけど…
でも、どの馬もなんてキレイなんだろう!
全然クサくなくて、なんだか干草のいい匂い……
川原さん:「今、ちょうど調教のレッスンをしてるところだから、見ますか?」
私 :「はい、見せてください」
私 : 「人が乗れる馬にするには、調教が必要なんですね……」
川原さん:「そうです」
私 : 「乗れる馬になるには、どのくらいの時間がかかるのですか?」
川原さん:「馬によっても、調教師によっても違うからねぇ…でも、何ヶ月かはかかりますよ」
……などと説明を聞いたのち、いざ、放牧の現場へ。
うわ~いるいる! なんだか平和な光景だなぁ~!
川原さん:「ここに来る人間は男の年寄りが多いから、
若い女の人の声がすると馬たちが喜んで寄ってきますけど、
何にも悪さはしないから、怖がらないでくださいね」
私 :「はい、わかりました(笑)」
……と言ってるそばから、来るわ来るわほんとに馬たちがどんどん近づいてくる!
白い馬。黒い馬。茶色い馬。斑点のある馬……
みーーーんなでっかくて、ちょっこしコワイけど、すごくカワイイ!!!
でっかい目で私をじーっと見て、ゆっくりまばたきをして、匂いをかいで……
手を伸ばすと、なめたり、甘噛みしてきたり、口でモソモソ、私のズボンを引っ張ったり。
みーんなあったかくて、近くにいてくれると、なんか安心する。
……と思っていたら、
一頭の仔馬が近づいてきて、肌をピタッとくっつけてきて、離れない。
他の馬はしばらくすると、また草を食みに離れていくのに、
この子はまるで猫とか犬みたいに、肌をくっつけたまま離れない。
ひゃ~なんてカワイイのぉ~!!!
見れば額に、白い打ち上げ花火みたいな模様。
私が即座に 「花火!」 と呼ぶと、
その名をお気に召したようで、ますますくっついてきて、写真も撮れない。
「花火、川原さんがね、そろそろ乗馬の時間にしましょう、って。
もう行かなきゃ。遅くなっちゃうからね。
アンタはまだ調教されてないから乗れないでしょ。
また会おうね。行かせてね」
私が動こうとすると、逆方向にグイッと体を押し付けてきて行かせまいとする。
足を踏み出そうとすると、足を踏んでくる。
まるで人間の子どもみたい。
なんてカワイイんだろう……!マイッタなぁ……
何度も言って聞かせて、やっとの思いでカラダを離すと、
「なんで行っちゃうのさ~」
という顔で私を見つめてる。
ごめんね、花火。
また会いに来るから元気でいるんだよ。
また絶対、会いに来るからね。
(次回、≪後編≫につづく……)