Taake's写真館

スーパーアンギュロンXL 47mmでの作品のアップは休止中。今は30年ほど前に撮った古い写真をアップしています。

彼岸花の季節に

2009年09月27日 19時47分13秒 | Weblog
目下、私が大学時代に撮った写真をアップし続けていますが、
ちょっと小休止して最新の写真です。
時期的には最新でも、カメラは55年前のもの。

9月16日に義父が他界し、昔使っていた二眼レフを譲り受けました。
ネットで調べてみるとこのMAMIYA FLEXはオートマットBというタイプで
1954年に発売されたものです。
レンズはSETAGAYA KOKI SEKOR S. 1:3.5 F=7.5cm。
世田谷光機というレンズメーカーがあったんですね。
レンズは表面的にはかなり綺麗ですが、内部に若干のカビがあり、
コーティングも現代のようなマルチコーティングではありません。
フィルムはブローニー120タイプの6×6判。

さっそくFUJICHROME PROVIA 100F Professional(RDP III)という
最新のリバーサルフィルムを詰めて試写をするべく、
ピザバイクを走らせ被写体を探しました。
亀山あたりを走っているときに彼岸花が咲いているのを見つけ、
この場所に吸い寄せられるようにバイクを止めました。
生け垣と雑草の鮮やかな緑の中から朱色の花が顔を出している様は、
よく見られるような川辺や田畑の土手にある彼岸花よりも
つつましくそして美しく感じられました。

ファインダーのすりガラスのピントガラスに左右反対に写る暗い像を
ルーペで見ると、かなりピントは鮮鋭です。
被写界深度はかなり浅そうだし、レンズの収差などもあるだろうと思い、
いつもスーパーアンギュロンで撮るときのようにF11に絞りました。
三脚を立ててスポットメーターで測光して、シャッタースピードは1/2秒。
レリーズを持ってくるのを忘れたので、息を止めてそっとシャッターを押しました。

現像が上がってきて見てみたら予想以上の写り具合にびっくり、です。
緑の色も朱色も鮮やかで絞れば収差もほとんど無く、
またピントがはずれたところのボケ具合が優しい。
素晴らしいレンズです。

私が彼岸花を被写体に選んだのは、
義父が蔭でこれを撮りなさいと指示してくれたのかもしれません。
この一枚を義父に捧げます。