MARUMUSHI

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『武士の家計簿』。

2010-12-12 00:16:50 | 映画日記
『武士の家計簿』を観てきた。

力はないけれど、お家芸のそろばんを武器に、幕末を生き、家族を守った武士のお話。
武士といえば、丁髷に刀というイメージがどうしてもあるけれど、
丁髷にそろばんという武士もいてたんやなぁ。。。


この映画の監督の森田芳光は前作『わたし出すわ』に引き続き、この作品でもお金というものをテーマの一つにしている。
お金はとても大事なものだ。それ無しでは生きていくことは出来ない。
けれど、お金は人生の目的にしてはならないと思う。
お金は、手段だ。
生きるための一手法に過ぎない。

この映画のなかに出てくる主人公は、倹約を旨としている人物だ。
雨の日も風の日も、そして、家族が旅立つその日にも、彼はそろばんを弾いていた。
それしか生きる道はなかった。それ以外の道を知らなかった。
角が立つこともあったろう。親子の確執も、顕在化したのは別の原因だったとはいえ、”そろばん侍”と半ば馬鹿にされていた父に腹が立っていた息子の反発が内在されていたはずだ。
しかし、彼にとってはお金を計算することが、生きることそのものだったのだ。
だから、彼はそろばんを弾き続けた。決して、お金を目的とした生き方をしたのではない。

結果として、その道が正しかったかどうかは分からない。
けれど、幕末という混乱期を、刀を使わずそろばんで、彼は懸命に生きた。
それは、カッコいい人生だと思う。



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