MARUMUSHI

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【無縁社会】。

2010-02-01 00:06:04 | インポート
NHKスペシャル【無縁社会~“無縁死” 3万2千人の衝撃~】という番組を見た。

”行旅死亡人”という言葉がある。この言葉は映画『行旅死亡人』で知った。

”行旅死亡人”は、本名や本籍地、住所が不明で、引取る身内も不明な遺体のことをいう。
そんな人は滅多にいないだろう、と思ったし、たいていはテレビニュースとか新聞に載るんやろうな、と思っていた。
けれど、現実には年間32000人も、そんな人が存在する。

彼らは、誰にも見取られず死に、さらに場合によっては何ヶ月も何年も死んだことに気付かれないこともある。
もちろん、電車に飛び込んで死んでしまった人もいるから、全員が全員、誰にも死の瞬間を見られなかったわけじゃない。

番組を見ると、こういう状態は人間関係が希薄になった社会が原因になっている、と作り手は考えているようだ。
今後、こういう人たちは増えていくだろうとも。

見ていて、ちょっと怖くなった。
俺だって、今、突然に死んだとしたら、たぶん誰にも気付かれないだろう。
仕事をしているから、無断欠勤すれば、数日後には誰かが気付いてくれるだろうし、身内にも連絡がいく。”行旅死亡人”にはならないかもしれない。
けれど、これが20年、30年後になったらどうだろうか?はっきり言ってかなり怪しくなってくると思う。

番組では、”行旅死亡人”となった人たちの過去を追いかけていた。
彼らには普通の人生があり、普通の生活があった。両親がいて、家族がいて、仕事をしていた。
そして、死の瞬間をたった一人で迎えていた。

死を独りで迎える。
ただそれだけのことじゃないか。と考えることも出来る。
けれど、俺は、自分がそうなるかもしれない可能性を考えたとき、どうしてもそれを受け入れたくなかった。
みんなそうだと思う。
他人事じゃない。
行旅死亡人と、自分は同じ地面の上に存在しているのだ。


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