馬鹿バスケ

Brooklyn Comets(ABA)でのアシスタントコーチを終えて、今はNYでスタッツいじり。

数字で見るBjリーグ 06-07

2007年06月10日 | バスケについて考える
昨日は一日移動に費やした。土曜日からミネアポリスに私用で行く予定が、金曜日夜からの全国的な空港管理システムの障害とやらで、NYで暫く足止め。挙句振り替えられた飛行機はダラス経由。朝7時半に家を出て、ミネアポリスのホテルに着いたのが夜12時前。

移動で時間を無駄にするのが嫌だったので、去年(その1その2その3その4)に引き続きBjリーグの2006-2007シーズンの数字を見てみた。Bjはスタッツをきっちり記録・公表しているだけJBLよりはるかにマシなのだが、去年も書いたとおり、残念ながらチーム合計スタッツに対戦相手の合計スタッツが欠けてしまっている。よってリバウンド率等、対戦相手のスタッツが計算に必要となる場合は、リーグ平均の数字を用いて対応した。

<外国人選手の起用>
まずは全体感から。Bjは外国人選手の数に制限を加えていない為、経営陣・コーチングスタッフに勝利へのプレッシャーが加われば、大阪のように外人を3~4人起用する戦術が広まっても不思議ではない。全体的に見た外国人選手の起用割合は昨年より高まっている。

各スタッツにおける外国人選手が占める割合
Season MIN FGA FTA 3PA PTS REB AST BS ST
06-07 55% 66% 72% 50% 68% 79% 54% 90% 58%
05-06 44% 56% 64% 43% 60% 66% 46% 80% 49%
(自由契約選手を除く)

外国人選手のプレイングタイムは昨年より10%増加し、過半数を超えた。Bjでは日本人選手はもはやマイノリティ。リーグ関係者に話を伺うと、それでも外国人選手にきちんと日本のファンがついており、ファンベースの拡大と言う点では全く支障がない、とのこと。

気になるのは、日本のバスケ競技レベルの向上に繋がるか、という点。目先の興行の成否に比べたら長期的な視点ではあるが、リバウンド(79%)、ブロック(90%)では外国人に完全に圧倒されている。日本人がかろうじてプレイングタイムに応じた割合を確保できているのは、3PA(50%)とアシスト(54%)くらいのもの。

日本代表が召集されると、普段外国人がインサイドを任せることが多い為、まずはリバウンドの意識の徹底→リバウンド力の強化から始めなければならないと何かで読んだ。このまま日本人がボール運び・シューターに徹した状態が続くと、世界と戦えるインサイドプレイヤーが育たず、対戦前には現日本代表のようにリバウンド面での調整・対策が常に必要となってしまう。

案としては。。。
①やはり段階的にオンザコートに制限を設けて、興行的なインパクトを最小限にしながら日本人のプレイングタイムを増やしていくようにするのがベストか。なんだかんだ言っても、「ダンクシュート」が日本人にとっての憧れであり続ける限り、外国人選手はBjの興行的成功には極めて重要と思われる。

オンザコートに制限を設けても、ついつい体格に優れた外国人を雇いたくなってしまうもの。そこで例えば、更にポジションにも制限を設けるとか、ポジションの定義が曖昧なら身長で分ける(180cm-190cm一人、190cm-200cm一人、200cm or higher一人)とか。これで日本人選手の役割を広げることができる。

②この間NYでコーチングの勉強をしている吉本君が薦めていたのだが、いっそ日本代表に今年のGolden Stateのような戦略を取らせてしまうのはどうだろう?GFだけでアップテンポ・3P中心のゲームを仕掛け、ディフェンスでのミスマッチにはある程度目をつむる。しかも、これならJBLやBjで日本人選手が与えられている役割とそれ程遠くは無い。日本代表からプロリーグまでの戦略の一貫性が生まれる。

ひょっとすると今年のダラスのように、国際大会でもうっかり面食らってしまう相手チームが出てきて、あっさりいい結果がでてしまったりして。世界との体格差はどうやっても埋まらないと開き直ってしまった方が、精神的にも健康なのかもしれない。あとは、如何に世界と戦えるGFを育てられるかがカギか。


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