馬鹿バスケ

Brooklyn Comets(ABA)でのアシスタントコーチを終えて、今はNYでスタッツいじり。

数字で振り返るBjリーグ(その3)

2006年05月25日 | バスケについて考える
そろそろ個別の選手の話に入っていこうと思う。まずは外国人選手から。

MVPを取るはずだったニック・デービスのスタッツの中で特に注目したいのは、リバウンド率の高さ。以下はBjリーグのリバウンド率トップ10。

Albirex ニック デービス 26.3%
89ers マーマドゥ ディオウフ 21.0%
Heat Devils ゲイブリエル ヒューズ 20.6%
Evessa ジェフ ニュートン 17.2%
Heat Devils ジャック ハートマン 17.2%
Broncos イナック デイビス 16.9%
Apache ジェローン ドッド 16.8%
Broncos マーカス トニーエル 16.2%
89ers アンドレ ラリー 16.1%
Evessa リン ワシントン 15.9%

ここでもデービスは2位以下を大きく突き放している。そもそもリバウンド率というのは、その選手が出場している間に発生したリバウンドをどのくらいの率で獲得したか、という数字。出場時間の多寡やチーム毎のペースやFG%の違い等が考慮されており、一試合平均リバウンド数よりもより正確に選手のリバウンド力を反映していると考えられる。26%はRodman並みの数字であり、実に発生するリバウンドの4本に1本はデービスが獲得していたことになる。また、リバウンド率は10%(=100%/コート上にいる選手10人)が平均だが、彼は2.5人分の仕事をしていたことになる。

前回の計算によれば89ersのマーマドゥ・ディオウフは、リーグでデービスに次ぐ優れた成績を残していたが、チームメイトの他の外国人選手二人と比べて、半分くらいしか出場させてもらっていない。Usage(40分当たりのPossession数、この数字が高いということはそれだけたくさんボールを持っている、ということ)がリーグ2位と高く、かなりボールをガメるタイプとはいえ、これだけ試合に出ないのはちょっと解せない。。。よっぽどディフェンスができなかったのだろうか?

Usageという点では、リーグ1位はBroncosのマーカス・トニーエル。それだけボールをガメることができるということは、逆に言えば自らShotチャンスをクリエイトできる、ということ。しかしその割にPERはリーグ8位とやや乖離があるので、単なるボール持ちたがりなのかもしれない。同様にUsageが高い割りにあまりPERが高くないのは、89ersのアンドレ・ラリー(Usage3位、PER11位)、Heat Devils のレナード・ホプキンス(Usage6位、PER16位)といった辺り。

リン・ワシントンはMVPではなかったと思うが、それでもかなりいい選手である事には間違いない。PSA(Points per Shot Attempt、得点効率を計る指標)リーグ5位、アシスト率同23位、ターンオーバー率同21位、リバウンド率同10位と実にバランスの取れた成績を残している。

東京のウィリアム・ピペンは、ブルズのスコッティ・ピペンの親戚ということで話題になったようだが、ひょっとしたらプレイも似ているのか?特にファウルを貰うのが苦手なところ。彼のFTA/2PAは0.16とBjで下から8番目の低さだったが、スコッティの方も0.35とそれ程高くない数字。「ファウルを貰う」技術というのは血なのだろうか。。。

次回は日本人選手の分析、の予定。


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