日本の問題と解決策を考える

一石五鳥の地球温暖化防止策を考える
 
日本の真の活性化を考える  吉川忠雄

尖閣問題で、損害の少ない解決を望むなら、国際司法裁判所を活用する方法が得策でしょう

2012-08-20 22:28:04 | 日記
 中国共産党の新首脳部の出方にもよりますが、今後も益々強硬に出て来ると仮定すると、日本が当然の対抗処置をするたびに、政治的攻撃と経済的嫌がらせをエスカレートして来ることが予想されます。

 こんなときも、日本政府が「実行支配している国の方は領土問題の存在を認めない方が有利、国際化しない方が有利」と言う「国際常識」がいつでも成り立つかのごとく信じ込み、「それ以上の策」を考えようとせず、「領土問題は存在しない」と繰り返して、それで「毅然たる態度を示している」と錯覚していたらどうなるか・・・?

 相手国側が執拗にして強硬でなければ、それも成り立つでしょう。 しかし、相手国は中国です。

「日本政府が国際化と領土問題化を恐れているなら、なおさら騒ぎを大きくしてやれ」ということで、反日活動家たちと中国政府が呼応し合っていろんな規模ややり方で押し掛けを繰り返し、それに対する日本政府の対応を非難し、日本側が少しでも強く出ると、人的・経済的嫌がらせをして来るでしょう。

日本政府が「国際化すると不利になる」と思い込んで対応していると、宣伝戦もできないので、どんどん不利になります。
「国際化するかしないか」で争えば、中国側は簡単に「国際化」出来るのに、日本側には止めようがなく、圧倒的に不利です。
「できるだけ国際化を避ける」と言う勝ち目の乏しい策しか準備しないなら、いずれ手ひどい目にあいそうです。
二国間で中国側が妥協することは全く期待できず、日本の損害が拡大するでしょう。
 
 日本政府は「中国の領土だとそんなに主張するのなら、卑怯な嫌がらせなどせず、堂々と国際司法裁判所に提訴すればよいではないか! 日本は自国の領土である根拠に自信を持っているので、堂々と受けて立つ」と強く主張する方が上策でしょう。

 「日本は実行支配はしていても、中国に理不尽な主張・宣伝や攻撃をされている立場」なのだから、むしろ問題をより国際的にして正当性を世界にアピールすべきで、その方が有利になるのです。

 中国政府は面子を重視するので、国内から「弱腰」と言われるのを嫌いますが、逆にそれを弱点に変える方策を考えるのがよいでしょう。
時至り、日本が国際司法裁判所へ提訴し、中国政府が拒否するなら、日本側は「中国が国際司法裁判所の場で、国際法の論理で堂々と争わないのは卑怯である」と世界にあらゆる手段で宣伝するのがよいでしょう。 
「卑怯だ1卑怯だ!」と「強硬策を取る中国」の面子を潰す作戦です。

平和条約時「次の世代へ尖閣問題棚上げ」の落とし穴

2012-08-20 13:16:11 | 日記

  ビデオで見ましたが、日中平和友好条約締結の時、中国の最高実力者だった小平が1978年の日本記者クラブへの会見でこう言いました。
「尖閣問題は一時棚上げにしてもかまわないと思います。10年棚上げにしてもかまいません。
我々のこの世代の人間は知恵が足りません。 この問題は話がまとまりません。
次の世代はきっと我々よりは賢くなるでしょう。その時は必ずやお互いにみんなが受け入れられるいい方法を見つけることができるでしょう」と。
そして、尖閣の交渉を避けて=何も決めないで、事実上「尖閣問題棚上げ」をして、平和条約を結びました。

しかし、それは今後どうしていくのか具体的には何も決めない、あいまい極まるものです。 
(当事者間の秘密の約束事はあったかも知れないが発表はされていない)
それ以後、中国は自国民に対して「釣魚島は我が国の領土だ!」と教育・宣伝し、一部の反日活動家が尖閣を奪うための活動にのめり込んできました。
他方日本では、それ以後、自民党政権も民主党政権も①中国政府に配慮して「尖閣諸島に何も手を加えないで、政府関係者以外の日本人にも上陸を許可しない状態」を維持し続けて来ました。
たとえば1997年に新進党の西村議員が上陸した時には、当時の梶山官房長官が「大変遺憾なことだ。日中関係全体が損なわれることはあってはならない」と厳しく批判しました。

その一方で②「尖閣諸島は日本固有の領土である。 領土問題は存在しない」と事ある毎に繰り返し言い続けています。
 しかし、考えてみれば珍妙な話です。

②「尖閣諸島は日本固有の領土である。 領土問題は存在しない」のなら「今後も交渉の余地は無い」ということでしょう。

それなら①中国政府に配慮して「尖閣諸島に何も手を加えないで、日本人にも上陸を許可しない状態」を維持する理由はどこにあるのでしょうか?
もしかして当時の秘密の約束事を、この期に及んでも、いまだに守っているのでしょうか?
中国を刺激しないように、尖閣諸島に何もしないで何時まで待つのでしょうか? 

そんな状態であるのに、ただ「領土問題は存在しない」と言っているだけでよいのでしょうか?  

  ・・・中国では「釣魚島は中国の領土だ」と宣伝戦を繰り広げています。 

「琉球も歴史的には中国の領土だ。 琉球を中国に返還せよ!」と叫ぶ者たちも活動を活発化させています。

・・・10月にはまた中国の反日活動家たちが上陸しに来ると言っています・・・他の動きもあるでしょう。

 なお、中国共産党は、清がイギリスなどの西欧列強に領土を奪われた経験から、軍事的実力のない時期に国境線を画定してはならないという考え方を持っています。
それだけならよいが、さらに進めて、立場を逆転し、軍事的優位を確立してから軍事力を背景に国境線を画定するというのが中国の戦略です。
中国の戦略の事例は、中印国境紛争や中ソ国境紛争などにも見られます。
前段階としての軍事的威圧は、東シナ海および南シナ海で現在も進行中です。