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日本の真の活性化を考える  吉川忠雄

巨大投機バブルの傷は余りにも深い⇒米国はまだその付けを払っている途中

2011-08-14 10:50:51 | 日記
 日本のバブルであれほど苦い経験をしながら、あきれたことに、日本の財務官僚も多くの政治家たちや経済学者たちや評論家たちも米国のバブルについては大甘な認識でした。

むしろ米国の新自由主義による金融自由化(⇒投機の野放図化)を礼賛していたのが小泉・竹中内閣。

その後の内閣も財務省も米国のバブル期に、その崩壊を予想せず、ドルの暴落及びその後の長期低落についても、まったく予想しませんでした。

今の米欧経済の混迷の原因はいろいろありますが、その中でも最大の原因は、巨大投機バブルの傷が余りにも深いことです。 

米国・英国・南欧等はその付けを財政を使って払っている途中で財政困難になった(予想通りで当然の結果)のであり、もう財政出動による景気対策は削減せざるを得ません。

これから緊縮財政と不況を耐えて付けを払い終わる=底を打つ=のはまだまだです。

米国経済は(市場原理主義的な)自由主義と(財政・金融による目先の景気対策をとる)ケインズ主義の間を行ったり来たりしながら、落ちて行くでしょう。

(円の価値が変わらないと仮定すると)・・・1ドル60円以下になり、米国内の製造業が輸出競争力を回復するまで・・・・

そのとき米国はドル表示では減らなくても、実質経済規模が半減しているでしょう。

ドルが基軸通貨でいられるかどうかも怪しいでしょう。

こうした経済的破綻・低落は私も予想していたことだし、いくらかの人たちが予想していました。

が、主流の人たち、政策決定に影響力のある人たちは米国流資本主義を高く評価し、バブルの恐ろしさや貿易赤字をドル垂れ流しで続けることの結末を予想しませんでした。

そしてまたぞろ、「米国の長い好景気(=明らかにバブル)の時流に乗って、どう利益を得るか」を考えるだけでした。

かつての為替介入で積み上がっていた1兆420億ドルのドルや米国債をそのまま保有し続けていました。

その結果、1ドル120円だった頃1兆420億ドル=125兆円だったものが今は80兆円になってしまいました。 

たった2~3年で、36%、45兆円以上も目減りしてしまったのです!

その上、日本が1兆ドル以上もの外貨を保有していること自体が投機家たちの安心感を生み⇒円高を促進しました。 これも当然の成り行きです・・・もちろん円高の日本側での最大原因がデフレ不況だとしても・・・

財務省幹部ら公的責任のある人たちがそれで済むのでしょうか?

彼らに今後の米国経済や世界経済を読む力があるのでしょうか?

彼らに今後の日本経済を強化出来る政策が作れるでしょうか?

財務省幹部らの「増税路線+大震災にもケチケチ路線」で日本が元気になれるでしょうか?


今の経済産業省路線・・・発送電分離+電力自由化政策を採らず、既存電力会社の地域独占体制を維持したままで、「再生可能エネルギ-はまだまだコストが高いから電力料金を上げる。 やはり原発も必要」と言っていて日本が元気になれるでしょうか?

90%の熱効率を実現できるガス・コンパインド発電+温水供給システムへの切り替えを先行させ、脱原発を断行する政策を採らずに、日本が元気になれるでしょうか?

福島第一原発の海側に防潮堤を築かずに、大余震による大津波で高放射能汚染水が大量に海に流出し、日本の水産業が全滅したら・・・日本が元気になれるでしょうか?・・・