小さい声でもあげてみよう

ゲイでドクター。そんな僕の地味ぃな日常。

決着。

2006-12-11 01:28:38 | いまのこと。
先日、先生から電話がありました。

開口一番、先生は言いました。

「いろいろ考えたけど、まだ付き合っていたい」

喜び、ももちろんありましたが予想外の言葉に驚き、混乱しました。

でも、その後に続く言葉、

「君の事はかわいいと思う気持ちもある。好意もあるし、
別れても友人として付き合っていけるならそれでいいが、
別れてそれきり縁が切れてしまうのは嫌だ。
自分にはいまのところ好きな人がいないし、付き合いを続けることで、
君との関係が続くなら付き合っていたい。打算的かもしれないけれど。」

「きっと別れたら辛くて会うことはできないと思う」という僕の言葉を受けたもの。

「ん!?」と思いましたが、予想外の先制パンチに混乱していた自分は
今の状態では冷静な判断ができないと思い

「ちょっと考えさせてください」

今度は僕がこの言葉を使った。

翌日、隣県に住む大学時代の親友のところへ遊びに行くことになっていたので、
高速を走りながら、昨日の先生との会話を反芻していた。

友達でもいい程度の相手をキープするために「付き合ってる」
という言葉を使うのは、やはりずるいのではないか?
そして、そこまで言われてしまった上で、それを受け入れることは
自分のプライドを貶めることではないか。
いかに先生が好きでも守るべきプライドがあるのではないか。

そして、先生の言葉どおり、付き合いを続けたとして
先生に向こうで好きな人ができた場合、
「じゃあ、君はもういいから、さようなら」
となった場合、僕はきっと立ち直れないし、
本当の意味でもう二度と先生と会うことなんてできなくなると思った。

他にも先生と交わした言葉を考えてみる。

付き合い方にしても話をした。先生は
「今は仕事が忙しくて大事だから毎日メールとか電話はできる状態ではない」と。
その点に関しては、同業者の僕はわかっているつもりではある。
が。実際には新幹線で他の街まで遊びに行ったりする余裕がありながら
電話の一本・メールの一通もできない、というのは先生の中での僕の
優先順位がその程度だった、ということなのでしょうが、納得できませんでした。

2・3日に一度「がんばってる?仕事大変だよ。お互いがんばろうね。お休み」
ってだけの三行メールで相手の何がわるでしょうか。
やはり、相手が好きなら、相手のこと知りたいし、
自分のことを知ってもらいたいと、僕は思うのです。

そして先生の価値観。
「他人をあんまり必要って思わないんだよね」
「他人に踏み込む気もあまりないし、他人にも自分の中に入ってきてほしくない」

ここまで言われてしまうと、僕は先生に必要な存在ではない、と認めざるを得ません。

考えれば考えるほど、答えはひとつしかない、と思わざるを得ませんでした。

そうこうするうちに目的地に着き、
久々に会った友人とお互いの近況や、
研修の様子を酒を酌み交わしながら語りました。

友人は悩みながらも日々、着実に医師としての自分を磨いているようでした。

自分も進まなくては、と思わされました。

あっという間に楽しい時間は過ぎ、僕は自分の街に帰り、
いよいよ結論を先生に伝えなくてはならなくなりました。

電話をかけ、何とか、僕なりの結論を伝えました。

あれだけ、結論は他にない、って頭でわかっているのに
相手の声を聞いただけで別れを告げる声が小さくなっていくのがわかりました。

後は、もう言葉が出てこなくて、代わりに涙が出てきました。
二人で過ごした楽しかった時間が頭の中をめぐって、
ありがとう、と繰り返すことしかできませんでした。

先生はやはり言葉少なで、電話の向こうの様子はよくわかりませんでした。

こうして今日、1年と2ヶ月の僕と先生の関係に終止符を打ちました。

やっと。

2006-12-08 01:59:27 | いまのこと。
ようやく、電話をしました。

少し、声が震えました。

伝えたいことの半分も口にできなかったかもしれません。


徐々に疎遠になってきて、このまま、なんとなく。

というのは、嫌だ。けじめをつけたい。

前回会ったときに言われた、俺との関係に精神的に満足している、という先生の言葉。

でも、相手が今、どんな状況にあるのか、それすらよくわからないこの状況で

満足される、それはすなわち、もう相手を必要としてないということではないか。

先生には先生の今の生活があり、仕事上でも今が一番勉強しなくていけない時期。

そうなれば、今、接点がない俺の存在が消えることは必然であるとは思っている。

こんなとき、いつも黙っているが、今回ははっきり言ってほしい。


そう、伝えた。でも、まだ、少し、迷いが出てしまった。

今でも、先生のことは好きだ。そうでなきゃこんなに悩まない。

そうも言ってしまった。


先生はやっぱり黙っていた。

それで最後に

「自分でもどうしたいかわからない、少し時間がほしい」

と。


ふと、昔の自分がフラッシュバックした。

初めての彼女と付き合ったとき。

人として好意を抱いた彼女に自分はそれを恋愛感情だと思い込もうとして付き合った。

当然、心が伴わなかった。

彼女と接する事が苦痛を感じながらも

当たり障りなく、日々の会話を重ねたが、

ある日、思いつめた声で彼女から電話が来た。

彼女から、今日の俺のような言葉を言われた。それに

「自分の気持ちがわからない、時間がほしい」

同じ言葉を口にした自分を思い出した。


きっと、片思いに戻ってしまった恋人たちは

同じような会話を繰り返してきたのだろう。


答えは決まっている。

それでも、いい。

自分が恐れていたよりもずっと、ずっと、心は穏やかだ。

堂々巡りと、その先と

2006-12-03 12:11:38 | いまのこと。
気がつけば世は師走。

前回の投稿から1ヶ月もたってしまいました。

特に、この1ヶ月。本当はもっと前から、

あきらめなくては、次に進まなくてはという気持ちを奮い立たせては

それが過去の心地よい思い出たちに囚われる、

という出口のない堂々巡りを繰り返していました。

思いが一廻りするたびに、胸がきりきりと痛みます。

こんなことを繰り返すなんて我ながらドMだな、

と冷静な観察をする自分もいたりするのですが。

でも、何度も、何度も、その作業を繰り返すうち、

少しずつ、少しずつ、その痛みは軽くなってきているような気がします。

一見、不毛な行為の繰り返しにも、意味はあったのだ、

そう思いたいです。

いよいよ先生とメールのやり取りも途切れ、しばらくたちます。

このまま、自然消滅、が一番楽なのかもしれません。

でも一度、ちゃんと電話でもして区切りをつけなければ。

そうしないと、その先、もないのかもしれません。

堂々巡りを断ち切れるのは他でもない自分しかいないのですから。

情けないことに、正直、それだけの自信と勇気、まだ、ありませんが。

でも、あと一息、そんな気がします。



それから。

もがいている僕の、

そばに来て寄り添ってくれた人がいました。

ただ、話を聞いてくれました。

涙を許してくれました。

メールをくれた人もいます。

もちろん、このブログにコメントを下さった人たちも。

いろんな人に支えてもらえる、

その事だけは

決して忘れないように。

感謝とともに。