「えーっと、、、好きなんだなぁ。。。」
そんな、ストレートな言葉を言われたのはたぶんはじめてだ。
はじめは酔っ払ってそんなことを言っているのかと思っていたけど、
相手のいっぱいいっぱいの様子から、
どうやらそれが本気らしい、ということがわかった。
正直、何度か会って、食事をしたりしているうちに、
相手が自分に好意を持っている、というのはわかっていたけど、
こう、直球が来るとは思っておらず、自分も激しく動揺する。
ぎこちなく、ありがとうございます、と言うのがやっとだった。
その様子から相手は「NO」といわれたと解釈したらしく、
しきりに謝って、気にしないで、と連発していたけど、
自分だってまったくその気が無ければ、
そう何度も飲みに行ったりするはずも無く。
かといって、その場で「はい、じゃあ付き合いましょう」と
即答できるほどに気持ちが定まっているわけでもなく。
その、曖昧さが自分を動揺させ、
相手を振り回しているという自覚はあるのだけれども。
とりあえず正直に、
もう少しいろいろ一緒に時間をすごしてから考えさせてください、
と答えたものの、徒に、相手を待たせるわけにもいかない。
ここ数年、いろんな人と会ったり、時には適当に遊んだりして、
こういうことにもいくらか耐性ができたと思っていたけど、
案外そうでもない自分に、自分自身で驚いている。