あまくさ人のひとりごち

あまくさ人のひとりごち、つまり独り言です。
撮りだめした写真も併せて載せます。

第747回 オバケのQ太郎を読む②

2010-01-31 13:41:38 | マンガ
オバケのQ太郎 4 (藤子・F・不二雄大全集)
藤子・F・不二雄
小学館

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えー、本来ならば第一巻から読後の感想を書くべきなのでありましょうが。
あえて「オバケのQ太郎 第4巻」から感想を述べさせていただく。


この巻には、長い絶版のきっかけとなったと言われる
「国際オバケ連合」が収録されている。
あらすじは、Qちゃんがお世話になっている大原家が、
このたび「国際オバケ連合」総会の会場となった。
ついては、大原家の人たちに一日だけ家を明け渡していただきたい。
最初は反対していたオバQだが、結局は仕方なく大原一家を一日どこかへ行かせようとあの手この手で・・・。


という、いつもどおりのドタバタギャグが展開される。


で、この回がなぜ問題になったのかと言うと、
「オバケが国際会議をするなんて不謹慎だ」というのではなく、
「バケ食いオバケ」が出てくるからだ。
ウラネシヤ代表のボンガというオバケがそれ。
「バケ食いオバケ」とは、文字通りオバケを食うオバケ。
すなわち、いわゆる「人食い人種」のようなもの。


これが「黒人差別をなくす会」の逆鱗に触れて
実際にこの回を含むコミックスが回収されたことがある。
あの「ちびくろサンボ」が絶版になったのもこのころである。


しかし、ウィキペディアによれば、それがオバQ絶版のきっかけになったとは考えにくいと書いてある。
昭和のマンガは、大なり小なり差別的表現があちこちに見られるからだ。


とにかく、その「国際オバケ連合」が完全収録されているだけでも
この本の価値は高い。

さて、国際オバケ連合の総会で何が協議されたかというと・・・。
ずばり「世界平和」。
戦争ばかりしている人間たちをどうしようかという協議。
「そんな人間たちなんか食べてしまえ!」という過激な意見も出るが、
総長はあっさり却下。
バケ連(国際オバケ連合の略)憲章では暴力を否定しているからだ。
おお、人間よりずっと進んでいるではないか。


結局、「人間たちから武器を取り上げよう」という決議がなされる。
オバマ大統領の言う「核なき世界」も、
オバケたちに任せれば、すぐに実現できるかも。
何せ根が素直なオバケたちのこと、
「取り上げる」と言ったら、ホントに「取り上げる」のだ。


この巻で登場する新キャラクター・ドロンパについては、また次回以降に。



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