逝きし世の面影

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二度あることは三度あった北朝鮮の核実験、一度も無いのに大問題のイランの核疑惑

2013年02月16日 | 政治

(人類最初のトリニティ核実験の爆発から1000分の16秒後、火球は200メートル幅)

『北朝鮮、米国に核実験実施を事前通達』

米国務省のヌランド報道官は12日、北朝鮮がこの日の地下核実験実施に先立ち、国務省に実施の意図を通達してきたことを明らかにした。
『北朝鮮北東部でM5.1』
韓国の聯合ニュースは12日、北朝鮮北東部咸鏡北道吉州郡で同日午前11時58分(日本時間同)ごろ、マグニチュード(M)5.1の人工的な地震が観測されたと報じた。
北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は12日、3度目の地下核実験を『爆発力が大きく小型化、軽量化し、高い水準で安全で完璧に実行した』『成功裏に行った』と発表。

『三度目の正直の衛星打ち上げ成功との関連』

北朝鮮当局は8年前の05年2月10日の時点で核兵器の開発と保有を宣言していた。
昨年の2012年12月12日に過去二回失敗している(北朝鮮は1998も2009年も成功と虚偽発表)人工衛星打ち上げに『三度目の正直』で成功した2ヶ月後の核実験実施であった。
朝鮮中央通信は、ミサイル搭載に不可欠な核兵器の『小型化、軽量化に成功した』と強調。
北朝鮮は2010年5月には核融合反応に成功したと発表しているが、今回朝鮮中央通信は北朝鮮の核兵器が『多種化された』とも主張している。
核融合技術を使った原爆(ブースト)を試みた可能性もある。これに成功していれば爆弾の小型化に直結する。
今回2013年2月12日の地下核実験実施は2006年10月9日、09年5月25日に続く3度目である。
韓国国防省などによると、今回の爆発規模は6~7キロトンと推定される。1回目が1キロトン、2回目が2~6キロトン。
国際的な核実験監視機関である包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)は、前回2009年に北朝鮮が核実験規模のほぼ2倍だったとの見方を示した。北の核技術が回を追うごとに進歩している模様。

『北朝鮮の核実験6日前、先制攻撃を公言する韓国軍』

日本のマスコミ以外では世界の誰も大きな問題としていない胡散臭い日本の海上自衛隊のレーダー照射騒動(自作自演の一人芝居?)とは大違いで、今回の北朝鮮の核実験実施の危険度は本物である。
2月6日、韓国の聯合ニュースは、『北朝鮮核使用「兆候あれば先制攻撃」=韓国軍参謀議長』との驚愕の記事を掲載している。
韓国軍制服組トップの鄭承兆(チョン・スンジョ)合同参謀本部議長は6日、『全面戦争を甘受してでも核兵器を使えないようにするという確固たる意志があるか』という国会質問に対し、『そうだ』と答えている。
北朝鮮の核使用について、『差し迫った兆候がある場合は先制攻撃を行う』。
『核兵器使用の意図が確実な場合は、攻撃を受けてから戦うよりも、核兵器を除去してから戦う方がましだ』。
『北朝鮮の核実験場に対する攻撃計画はないのか』との質問には、『今のところないが、状況が変わればそうとは限らない』と答えた。

『南北朝鮮チキンレースの本気度』

この韓国軍トップ鄭承兆合同参謀本部議長の発言ですが一見すると過激で危険で、なんとも恐ろしい。
ところが、これは『核兵器とか核施設への攻撃』を明確に主張するイスラエルのネタ二エフ首相やアメリカのブッシュ元大統領張りの先制攻撃理論のようにも見えるが、『北朝鮮の核使用の差し迫った兆候がある場合』との条件が付いている。
アメリカとチキンレースを展開した超大国ソ連でも核兵器は、第三次世界大戦での国家滅亡(人類滅亡?)時の最終兵器とされていた。
核兵器は通常の戦争で使う兵器ではない。
ですから、そもそも北朝鮮のような相手より弱い国の核兵器とは『使える兵器』では無い。
北朝鮮の核兵器の使用とは、『蜂の一刺し』(窮鼠猫を噛む?イタチの最後っ屁?)のように最後の最後の話。
北朝鮮の『核使用の差し迫った兆候』がある場合とは、第二次朝鮮戦争が勃発して北朝鮮が負けて滅亡する時と考えられる。
北の国家体制が存続出来るとか情勢が有利であれば使う必要がない。
現実に北朝鮮軍と38度線で睨み合う韓国軍トップの先制攻撃発言は、見掛けは過激だが中身(意味)は穏健で妥当。
イスラエル軍の先制奇襲攻撃と大きく意味が違う原因ですが、(彼我の力関係一方的なので)『仕返しされないから体罰が行われる』との名言を吐いた桑田真澄ではないが、『仕返し(報復)が怖いから』なのです。
(今までのイスラエル軍やアメリカ軍の先制攻撃は仕返しされない安全な相手を選んで行っている)

『仏の顔も三度まで?では無くて、無関心』

北朝鮮が12日実施した3度目の核実験で国連安全保障理事会は全会一致で北朝鮮の核実験に対する非難が採択された。
ライス米国連大使は、『具体的な措置はこれからだ』、『既存の措置を強化するだけでなく、すでにかなり強力な制裁措置を拡大させることを目指すため』協議を始めると発言。
北朝鮮の銀行や金融機関を制裁の対象とするのが『ふさわしいと考えている』と語った。
実質的に北朝鮮の最大の後ろ盾であり制裁決議の鍵を握ると見られている中国の楊潔チ外相は北朝鮮の駐中国大使を中国外務省に呼び、核実験について『厳粛に抗議』した。
オバマ米大統領は12日(日本時間13日午前)米議会で年頭に行う恒例の一般教書演説を行った。(二期目では最初)
今回の演説に先立ち韓国の李明博大統領と電話で会談、一般教書演説の中でオバマ大統領は、米東部時間で前日の2月11日に3回目の核実験に対して『北朝鮮をさらに孤立させるだけだ』と異例の言及をしたが、具体的な対策方針は示していない。
オバマ大統領が これから1年間の施政方針を示す一般教書演説で北朝鮮に言及するのは、2年前の2011年に『核兵器を放棄するという約束を果たすよう北朝鮮に要求する』と発言して以来。最大の核保有国である米国が、北朝鮮の核実験に対して積極的に発言している風には見えない。
オバマの関心は経済(雇用)や銃規制、不法移民など内政中心でありアフガンからの米軍の撤兵の方が重要問題である。

『イランの核には関心があるが、北朝鮮の核には興味がない』

北朝鮮が最初の核実験(2006年10月)を行った3ヶ月後の、最初の米大統領一般教書(2007年1月)でブッシュ大統領はイランの核保有の阻止には熱心である。
ところが無茶苦茶なダブルスタンダードの極み。
北朝鮮の核兵器の保有では、『Together with our partners in China, Japan, Russia, and South Korea, we're pursuing intensive diplomacy to achieve a Korean Peninsula free of nuclear weapons.』が、ブッシュ大統領が北朝鮮の核実験についてコメントした全文であった。
北朝鮮への非難や警告が何処にも無い代物。
南朝鮮(韓国)はあっても『北朝鮮』の文言さえ一行も無い『中国ロシア日本韓国と共同で朝鮮半島の核兵器について外交を進める』という極めてお粗末な内容。
『人の噂も75日』、6年前の一般教書演説でアメリカのブッシュ大統領は北朝鮮の3ヶ月前に最初の核実験を完璧に忘れていた。?
核大国のアメリカとしては弱小北朝鮮のお粗末な核兵器には基本的に『関心がない』のであろうか。
今回のオバマ大統領は例外的に積極的に北朝鮮の核問題を取り上げている風に見えるが、この原因は一般教書演説の前日の核実験であり、しかも異例中の異例の事前通告まで受けていたから。
無視出来ないので『仕方なしに嫌々』行っているだけ。
『地域の安定を脅かす極めて挑発的な行為だ』北朝鮮の『挑発』に対して同盟国とともに『強い行動』を取るとのオバマ発言であるが、具体的対策は一言も言及しない。
オバマ大統領も北朝鮮の核実験が前日ではなく3ヶ月前だったなら、最初の核実験に一言も触れなかった6年間のブッシュと同じ態度をとった可能性が高い。

『二番煎じどころか、三番煎じの出がらし?』

最初の航路を開いたコロンブスやバスコ・ダ・ガマ、世界一周のマゼランは有名だが誰も二人目の成功者は覚えていない様に、如何に驚天動地の大事件でも二番目は印象が薄くなる。
ましてや3回目ともなれば慣れっこになるのは人の常。
日本のマスコミの扱いが、インチキ臭い中国フリーゲート艦レーダー照射騒動と同じか、それよりも小さい様に思えるのは私の気のせいか。
何とか此方に振り向いてもらいたいと、オバマの二期目の節目の大事な行事である一般教書演説の前日に、しかも御丁寧にも事前通告までして行った北朝鮮の3回目の核実験。
ライス米国連大使は、『北朝鮮の銀行や金融機関を制裁の対象とする』考えを語っている。
これは、アメリカ国務省が米朝直接協議を再開するとの合意に達した直後に、2006年(平成18年)10月25日(最初の核実験の2週間後)アメリカ財務省が偽米ドル(スーパーノート)の濡れ衣を北朝鮮に着せて妨害した不思議な経済制裁(翌07年解除)の二の舞であろう。
あまり効果はないが、一定程度は米朝対話(緊張緩和)路線が中止される。
朝鮮半島での緊張(既得権益)を残しておきたいアメリカの軍産複合体と北朝鮮の軍部制服組。
逆にアメリカの財政危機の克服のために何とか朝鮮戦争を終結して緊張緩和を進めたい国務省(オバマなどの文民統制派)とのつばぜり合いは勝敗がつかず今後も続くでしょう。

『欧米の主張するイラン核疑惑の胡散臭さ』

核兵器にはウラン型とプルトニウム型の二種類が有り、ニューメキシコ州の砂漠で行われたトリニティ(Trinity) の人類史上初の核実験は1945年7月16日であった。
トリニティは長崎に投下されたファットマンと同じプルトニウム濃縮型。
ちなみにトリニティというのはキリスト教の神と子と聖霊の『三位一体』の意味だが、核実験の『トリニティ』は荒ぶる地獄の悪神の意味なのか。
三週間後の1945年8月6日、広島市に投下された世界最初の核爆弾リトルボーイはウラン濃縮型の原子爆弾だった。
アメリカにより地獄の扉は開かれ、以後数万発以上の大量の核兵器が世界で生産されたが全てが原子炉で生産されたプルトニウム型である。
英語のNuclear power plantには現在は原子力発電所の意味もあるが、本来は核工場の意味。
Nuclear power plant(原発)は核兵器生産工場である原子炉で、『発電も出来る』ことから民生用に転用されたもので、そもそも出発点が軍事目的だった。

『ソロバンが合わないウラン濃縮での核兵器製造』

何故ウラン型がアメリカのリトルボーイ一つで、他が全てプルトニウム型だったかの謎ですが、理由は簡単で原子爆弾用の90%以上の高濃縮ウランの製造(遠心分離作業)には膨大なエネルギーが必要で、核爆弾で得られる爆発エネルギーよりも大きくて非効率で『割に合わないから』なのです。
しかもウランよりプルトニウムの方が臨界量が遥かに小さいので核兵器の小型化も容易である。
ウラン型核兵器の生産は、そもそも非効率で算盤が合わない。
それで1945年のアメリカのリトルボーイ以降誰も行なった例がない。
経済制裁下で輸出入が厳しく制限されているイランが現時点で行っているのは20%の濃縮度のウランの自家製造であるが、不足する『医療用のアイソトープ用である』(核の平和利用)とのイラン政府側の言い分の方が欧米やイスラエルの『核兵器製造である』よりも余程説得力がある。
核兵器の製造にはウラン濃縮よりも日本も行っている使用済み核燃料の再処理によるプルトニウムの抽出の方が切っても切れない密接な関係にあり、IAEAの査察対照でも本命中の大本命なのです。

『驚天動地の珍事。オリンピックからのレスリング排除の動き』

国際オリンピック委員会(IOC)は12日、2020年五輪の「中核競技」からレスリングを除外した理事会の投票結果を公表し、4回の投票でレスリングが終始最多の票を投じられていたことが分かった。
レスリング抜きのオリンピック競技とは、『美味しくないから』との理由で数の子とか黒豆とか睨み鯛を抜いてしまった正月のおせち料理と同じで、今まで絶えることなく続いていた長い伝統が台無しになる。
レスリングは徒競走と並びギリシャの古代オリンピックの主要種目だったし、これは近代オリンピックでも同じだった。
もう世の中無茶苦茶である。
胡散臭い中国軍艦のレーダー照射騒動や北朝鮮問題ばかりの日本では滅多に報道しないので余り感じられないが、『核疑惑』を口実にしたイスラエル軍(アメリカ軍)による対イラン奇襲攻撃の可能性が極度に高まっているのでしょうか。
なんとも剣呑な恐ろしい話である。

『イラン叩きなら手段を選ばない欧米世界の理不尽』

欧米世界にとっては、何故か北朝鮮の本物の核兵器ではなくて、現時点では存在しないイランの核疑惑こそが本命(目の前の大問題)である。
レスリング競技では史上最強の霊長類と言われたカレリンのロシアが伝統的に強いが、実はイランの国技に近い位置にあるのがレスリング。
イランを叩くチャンスがあれば見逃さない。
イランイラクの全面戦争が10年も長期間続いた不思議の原因も欧米世界が一致して戦況が不利なイラクを応援したから、『イラン勝利』で戦争の決着がつかなかったからに過ぎない。
何としても『イランだけ』は勝たせたくなかった。
イランイラク戦争の真っ最中、イラクのフセイン政権側を密かに支援したアメリカ軍が定期航空路を普通に飛行するイランの旅客機をイージス艦のミサイルで撃墜。
『イラン側が攻撃してきたので仕方なく撃墜した』とアメリカのレーガン大統領が真っ赤な嘘を公式発表するが、アメリカ軍の海賊行為の事実をイランが公開したので、最終的には謝罪して賠償金も支払っている。
去年のロンドン五輪レスリングでの金メダル獲得数はロシアと日本が4個で一番多いが、三番目が金メダル3個のイランだった。
日本の金メダルのうち女子が3個なので男子限定ならイスラムのイランが首位になる。(女子レスリングが五輪に採用されたのは2004年アテネからで極最近の出来事)

『勝つ為にルールを作る欧米世界の理不尽』

批判が噴出しているのでIOCのロゲ会長は『レスリングが五輪から完全に外れることが決まったわけではない』となんとも苦しい言い訳をして火消しに躍起である。
2020年のオリンピックで、レスリングが実施競技から外れる候補になったことについて、レスリングの強豪国ロシアのオリンピック委員会のジューコフ会長は、『IOC=国際オリンピック委員会は驚くべき決定をした。レスリングなしのオリンピックを想像することなどできない』と語る。
この問題への抗議は各方面から噴出しており、国際レスリング連盟(FILA)会長がロゲ会長と協議することも決まった。
また、ギリシャ・オリンピック協会は、古代そして1896年の第1回の近代五輪から行われた競技を外すことが『五輪、そしてスポーツ全般の歴史に逆らう行為』として厳しく非難。米ホワイトハウスの公式サイトでも除外取り消しを求める嘆願書の署名活動がスタートした。
オリンピックからレスリングが落選した原因として国際オリンピック委員会(IOC)理事会では観客動員数(興行収入)の低迷とルールの複雑さを挙げているが、意味するところは『欧州勢が勝てない』の一語に尽きるのである。

『私がルールブックだ!』

オリンピックの開催地は基本的に欧州中心なのですから人気や観客数の中身とは『欧州市民の関心度の高さ』の意味ですね。
欧州勢が勝てないので人気がない。
複雑すぎるレスリングルールのおかげで、試合を実際に見ている観戦客は判定が確定するまで良く分からない異常事態が生まれている。
どちらが優勢なのか不明なのである。
実はレスリングルールの複雑さは選手自身を悩ましているが、原因は度重なるルールの変更。
この、レスリングがオリンピックの開催大会ごとにルールを変更している不思議の原因とは矢張り、『欧州勢が勝てないから』が原因していているのですから自業自得。
自分たちの行為による当然の成り行きである。
欧州が勝てないから人気が出ない。→レスリング人気の回復を最優先。→ルールを毎回変更。→専門家以外はルールが分かり難い。→不必要に難解過ぎるので面白くなく人気が余計に出ない。
典型的な『悪循環』の見本である。
何とか欧州勢が勝てるように苦心惨憺の工夫を施すが、それでもロシアやイランや日本がメダルを独占して仕舞う。
それで仕方なしにレスリングの競技自体を廃止するとの、今回の暴挙が生まれたのでしょう。
自分が勝つためにはどれ程汚い手段(マリーシア)でも躊躇せず『なんでもあり』。
『私がルールブックだ』といったプロ野球の審判の話と同じで、基本的に無茶苦茶な自分勝手の無理難題のごり押しか不公平。


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欧州勢の醜いプライド (壊れ甕)
2013-02-14 20:48:33
正直な話、2020年オリンピックのレスリング除外のニュースを知った時は「委員会の連中の胸先三寸で決めたんだろう」と感じていましたが、なるほど、欧州勢の裏事情が絡んでいたんですね。

それほどまでに欧州勢は自分達が一番でなければいけないのでしょうかね。
レスリングを除外されてしまったら、今までオリンピックを目指して練習をしていた選手たちはどうすればいいのか。
伝統あるスポーツの聖典が、欧州勢の見栄と醜いプライドのせいで潰されていく気がします。
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欧州と非欧州 (ルートヴィヒ29世)
2013-02-15 18:00:46
欧米人にとって、我々が彼らと「対等」であることくらいまでは、寛容の精神をもって、まだ許容できるのかも知れません。しかしそれ以上になると、やはり腹に据えかねるのはないだろうか、というのが私の考えです。

将来、もしアジアやアフリカが欧米を政治力、経済力で上回るようになったとして、世界連邦政府の公文書がスワヒリ語や中国語で書かれる、なんてことになれば、彼らも良い気持ちはしないでしょう。欧米の右傾化、内向き化、なんてことも起こるかも知れませんね。国際会議の言語は伝統的に英語だ、英語の伝統を守ろう、なんて言い出す者は必ず現れます。

下らないプライドを打ち砕かれた人間は、いとも簡単に悪に染まってしまいます。過去のドイツや現在の日本、911以後のアメリカが例示しているように。
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日本人の民主主義に対する大きな勘違い (宗純)
2013-02-16 15:41:11
壊れ甕さん、ルートヴィヒ29世さん、コメント有り難う御座います。

自分有利にルールを勝手に改竄するなどは、到底民主的でないと思うのが当然の判断なのですが、それは我々が基本的に善良で、和をもって尊しとする絆社会で生活している日本人だからですね。
(他からの圧倒的な暴力で)『与えられた民主主義』の日本人は『ルールはみんなが従うために存在している』と考えがちですが、
(自分たちの暴力で)『奪い取った民主主義』の欧米人にとっては(都合が良いように『ルールとは自分たちが作るもの』と考えているらしいのですよ。
ルマン24時間耐久レースで日本のマツダが優勝したら、即座にロータリーエンジンを禁止して二度と勝てないようにするなど日本人的には無茶苦茶なのですが、欧米的には当然な判断なのです。
自分にその資格や能力があれば、自分が勝てるように工夫するのはなんの不思議もない。
他に全く通行が無い深夜の交差点で、『赤信号だから』(ルールだから)と止まっているのは世界中で日本人だけらしいですよ。他は程度の差こそあれ全て渡るのです。
誰の迷惑にもならず交通の妨害にもならないのですから、個人主義の徹底している欧米人では自己判断で渡るらしい。
逆に『ルールで決まっているから』と渡らないと、自分自身で決めれない子供と同じであると悪い方に思われるらしい。
『自分で自分の最善の行動が判断が出来ない人』と看做され周りから馬鹿にされる。
欧州でも北よりも南ほど交通規則の順守度は低いそうですが、これは今大問題のPIIGS欧州ソブリン危機と同じ構図ですね。
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「二重思考」のススメ (海坊主)
2013-02-16 18:33:10
ブログ主様、興味深い記事をありがとうございます。
オリンピックの中核競技からレスリングを除外するという行為はロシア、イラン、日本に対する攻撃と理解すれば納得です。
記事にもありましたが、北朝鮮の核兵器保有宣言や核実験に対する欧米の沈黙(タテマエでは非難はするものの時間が経過して皆が忘れるのを待っています)と、イランの核保有疑惑に対する執拗な非難(イラク戦争のような口実に利用出来たらしめたもの)は対照的で不可解です。欧米が了承すれば「言ったもの勝ち」「やったもの勝ち」なのですね。学校で道徳教育を受けている自分の子供達から「なぜ?」との矛盾を問われたら、私には答えがありません「二重思考」を習得しないと大人にはなれないのだよ、とでも言いましょうかね。

さて、コメント欄でのやりとりで「ルール」に対する態度が海外と日本でかくも異なる、という話がありました。欧米人にとっての「ルール」とは、自分たちに都合の良い管理が出来るような取り決めであり、それ以外の外国人にとっては「押し付けられた決め事」でしかありません。だから彼らはルールを自分たちの都合良いように利用(解釈)しているのではないでしょうか。「ルール」の本質的な価値として日本人は「ルールを遵守する者はルールに保護される」と理解しそれを他者に期待するのですが、現実社会において「ルール」はタテマエだけで実質フィクションにすぎないため、外から見た日本人はブログ主様のコメント通りに解釈されているのかも知れません。
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ダブルでは無くもっと悪いトリプル基準 (宗純)
2013-02-19 11:16:30
海坊主さん、コメントありがとうございます。

北朝鮮とイランとの『核』問題の扱いが違いすぎるとの記事を書いたのですが、実は米ロ英仏中などの大量の核兵器を持っている国連常任理事国と、扱いが正反対。
それ以外にも核拡散条約未加盟で違法に開発したインドやパキスタンなどの核は見て見ぬふりをして済ましている。
もっと悪いのは世界一の危険な国家であると思われているイスラエルが密かに核武装して周辺の他国を恫喝、武力侵攻を繰り返している。
基本的にダブルスタンダードではなくてトリプルスタンダードなのですが、これでは到底正義とは程遠い現状です。
北朝鮮の持っているらしい数個の核兵器がとんでもなく危険であることは間違いありません。
北朝鮮の核が危ないと同じ理由で、アメリカが持っている1万発近い膨大すぎる核兵器が1万倍以上は危険なのです。
基本的に根本となる基準(ものさし)が、本来は一つである事の筈が、裏(ほんね)と表(建前)がありすぎて無茶苦茶なのです。
コインの裏表と言えば、
2011年3月11日の大震災の大津波で壊滅的な被害を受けても日本国では暴動も略奪も一つも騒動が起きなかった。
肉親を失い全財産を失っても感情を爆発させるような人は一人も居なくて被災した日本人全員が静かに悲しみに耐えている健気な姿には『なんという素晴らしい人々だろうか』と欧米人が驚嘆し、賞賛の声を一様にあげている。
ところがですね。フクシマ第一原発が大爆発して大量の放射性汚染物質が漏洩、住み慣れた故郷を捨てて避難するし住民が大勢被曝する未曾有の出来事が発生すると状況が一変。
人災中の最悪の人災の発生でも、日本人は相変わらず誰一人も感情を爆発させるものがない不思議には、今まで日本人を賞賛していた世界の人々は口をあんぐり。
本来怒るべき時に少しも怒らない日本人に世界中が呆れ返るやら不思議がるやら。
世界基準と隔たりが大きすぎるので到底理解できないのですね。
怒りを忘れた日本人ですが、大人しすぎるのでしょうか。なんとも困った話です。
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