逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

ロシアのメディアが鹿児島の川内原発再稼動を報じる

2015年05月27日 | 政治
『福島第一原発事故後初めて  7月下旬に原発再稼動』

鹿児島県にある川内(センダイ)原発の1号機が、7月末に再稼動する。この原発を運営する九州電力が発表した。
これにより、川内原発は、福島第一原発事故後再稼動する最初の原子力発電所となる。九州電力は又、同原発の2号機の再稼動も申請した。
もし原子力規制委員会が、しかるべき許可を与えるならば、2号機は9月にも再稼動に至る可能性がある。
なお川内原発の各原子炉の出力はそれぞれ、890メガワットだ。

2015年05月26日 Sputnik 日本

『9月に提出されるフクシマの核事故のIAEA(国際原子力機関)最終報告書』

『原子力は予断を許さず』
 
日本政府と東京電力は専門家の忠告を聞き流し、予断をもった。それが2011年春の福島第一原発事故の一因となった。
きょう日本のメディアで一部が公開されたIAEA最終報告書案にそう記されている。
報告書は9月に提出されることになっている。
42カ国180人の専門家が作成したもので、チェルノブィリ以来世界最大の原子力事故を引き起こした諸要因が分析されている。
日本政府の依頼を受け、福島原発の放射性汚染水に取り組んでいるロスラオ社の放射線研究所の専門家は福島原発には急所、弱点が色々あるが、特にセルゲイ・フロリャ氏は原子炉の老朽という問題を指摘する。
『IAEA報告書は、何を置いても現役の原発の安全を確保することが必要だ、と指摘している。これが原発の技術水準上の欠陥を言ったものなら、IAEAの指摘は正しい。福島原発は古い世代の原発である。』

2015年05月25日 Sputnik 日本

『東京新聞がIAEA報告書を報じていた』

『「想定外」を一蹴 IAEA報告書 「国際慣行に従わず」批判』
【ウィーン=共同】
「勧告した安全評価を十分実施しなかった」「国際的な慣行に従わなかった」。国際原子力機関(IAEA)がまとめた東京電力福島第一原発事故の最終報告書は、東電や規制当局の認識の甘さを痛烈に批判している。
 事故当時、東電や日本政府からは「想定外」との弁明が相次いだ。
 しかし、IAEAは日本が何十年にもわたり原発の安全性を過信し、発生の確率が低い災害などに十分備えてこなかったと一蹴した。
 IAEAは福島の事故前から、加盟国に対し原発の安全性を評価する際、機器の故障などが大事故に至るすべての可能性を把握する確率論的安全評価(PSA)の適用を勧告。二〇〇七年の専門家による訪日調査では「日本には設計基準を超える事故について検討する法的規制がない」と指摘し、過酷事故に十分備えるよう求めていた。
 しかしIAEAの勧告や助言を受けた抜本的な対策は取られず、報告書によると、第一原発ではPSAを十分適用せず、非常用ディーゼル発電機などの浸水対策が不足。十年ごとの定期安全レビューでも地震・津波予測の再評価が義務付けられておらず、過酷事故への対応や安全文化の見直しも含めて「国際的な慣行」に十分従っていなかった。
 福島の事故後、中東のヨルダンが「原発の建設予定地を地震が少ない場所に変更」(同国原子力委員会幹部)するなど各国は新設・既存の原発の安全を強化している。
2015年5月25日 東京新聞朝刊


『中日新聞もIAEA報告書を報じていた』

『福島原発事故、大津波の危険対策怠る IAEA報告書』

【ウィーン共同=宇田川謙】国際原子力機関(IAEA)が東京電力福島第1原発事故を総括し、加盟国に配布した最終報告書の全容が24日、判明した。東電や日本政府の規制当局は大津波が第1原発を襲う危険を認識していたにもかかわらず実効的な対策を怠り、IAEAの勧告に基づいた安全評価も不十分だったと厳しく批判した。
報告書は42カ国の専門家約180人が参加して作成。要約版約240ページが6月のIAEA定例理事会で審議された後、9月の年次総会に詳細な技術報告書と共に提出される予定で、国際的な事故検証は大きな節目を迎える。事故の教訓を生かした提言も含まれており、今後、各国の原発安全対策に活用される。

再稼働へ向けた動きを進める電力各社に対し、安全対策の徹底を求める声も強まりそうだ。

報告書では、東電が原発事故の数年前、福島県沖でマグニチュード(M)8・3の地震が起きれば、第1原発を襲う津波の高さが最大約15メートルに及ぶと試算していたが、対策を怠ったと批判。原子力安全・保安院も迅速な対応を求めなかったと指摘した。
背景には原発は安全との思い込みがあり、IAEAが各国に勧告する安全評価方法を十分実施せず、非常用ディーゼル発電機などの浸水対策を欠いていたとした。
原発で働く電力社員らは過酷事故に対する適切な訓練を受けておらず、津波による電源や冷却機能の喪失への備えも不足。原発事故と自然災害の同時発生に対応するための組織的な調整もなかったとした。
2015/5/25 中日新聞

金子勝 @masaru_kaneko  5月24日
【外と内】IAEAでさえ、東電や規制当局は大津波が福島第1原発を襲う危険を認識していたのに実効的な対策を怠り、IAEAの勧告に基づく安全評価も不十分だったと批判。
IAEAと東電・規制当局の責任のなすりつけ合い?結局誰も責任をとらない。

『日本の通信社が九州電力の鹿児島県川内原発再稼動を報道する』

『川内1号機の再稼働は7月下旬』
 
九州電力は、川内原発1号機を7月下旬に再稼働させると発表した。
2015/05/25 16:43 【共同通信】

タイトルを除けば、共同通信の記事はたったの一行だった。マスコミとして、まったくやる気の無いのが丸分かりの何とも分かりやすい展開である。
この、『川内原発1号機を7月下旬に再稼働させる』との驚愕的な大ニュースを、マスコミが怖がって報じないか、報じても共同通信やロシアのスプートニクの『再稼動させる』(断定)でなくて、『・・・・再稼動の準備を進めている』と意味を薄めて曖昧に誤魔化しているのです。
もちろん9月に正式発表されるフクシマの核事故のIAEA最終報告書との関連を報じているところはゼロ。誰も報じない。
そもそも、何故2011年3月11日のフクシマの核事故が起きたかの原因究明無しの、既存の日本国内の原発再稼動は無責任の極み。はっきりした事故の原因が判明しないと、事故対策そのものが立てようがない。再度同じ事故が起きる危険性がある。
ニホン国内での検証作業が少しも終わっていない。もちろん何の結論も出ていない。
事故原因の解明どころか、ベントが成功したのか失敗したのかさえ不明である。
それなら福島第一原発事故の唯一の検証作業であるIAEA報告書(9月)の以前の再稼動ですが、本来有り得ない暴挙そのものである。
しかしIAEA報告書の公表後の再稼動は、もっと有り得ない。
今の日本国内の旧式な既存原発では、メルトダウンを想定したコアキャッチャーの常備などの世界基準の第三世代+の原発の安全基準を満たせないので、日本国内の全ての原発の廃炉処分は免れない。
原発は動かせば大事な『資産』だが、動かないと厄介な『粗大ゴミ』。原発を所有する電力会社としては、これからの廃炉費用を別にしても数十兆円の大損害である。
それなら、ロシアのスプートニクや日本の共同通信が報じているように、IAEAの報告書が公表される9月直前での駆け込みでの『九州電力は、川内原発1号機を7月下旬に再稼働させる』以外の姑息な抜け道以外に無いのである。
この明確な事実を今の日本国内のマスメディアですが、知らぬ存ぜぬで嘘を突き通す心算のようです。



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6 コメント

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日本を国際的管理下に置く布石か? (今日も放射脳日和)
2015-05-26 13:23:10
IAEAは日本政府に対して匙を投げた格好だ。
日本政府は信用ならないということだ。

今更ながらだが、国際的原子力村からのキツイお叱りは何か意味ありげなんだけど。。

イチエフを始め日本の原発を国際的機関の管理下に置くための布石ではなかろうか?
いずれ日本の主権は段階的に制限されると考えている。
今でも米国の管理下にあるのですが。
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戦後が産んだ怪物 (相良 博之)
2015-05-26 14:38:10
人間性という文学嫌いなエリート官僚と、人間性というものも、まだ詳らかに読んでいない総理。共に核廃棄物によって誕生したゴジラと同世代。これは、果たして偶然だろうか?
返信する
蟹は自分に似せた穴を掘る (宗純)
2015-05-27 11:35:09
今日も放射脳日和さん、相良 博之さん、コメント有難う御座います。

多分、それは何かの間違いか勘違いですよ。話はそんな高次元の話では無くて、もっと下世話で低次元。高尚過ぎるのです。
アホがカシコの高尚な話が理解出来ないのと同じで、実はカシコにはアホの馬鹿馬鹿し過ぎる行動が矢張り理解出来ない。
日本では『蟹は自分に似せた穴を掘る』との諺が有るように中国朝鮮では、糞を食う『犬には糞だけが見える』との諺があるらしいが、意味としては同じで、
お二人ですが知性や教養、経験が邪魔をして目の前の簡単な真実が見えないのです。
今のマスコミが政権べったりなのはご存知のとうりなのですが、もっとマスコミが腰が引けているのが電力会社なのです。
電力会社が、歴代首相に毎年2000万円もの裏金を手渡していた。
これは朝日新聞が2014年7月28日朝刊の一面で報じた。
証言したのは元関西電力副社長の内藤千百里氏。元関電社長・芦原義重氏とともに1972年からの18年間、盆と年の瀬の2回、首相の事務所や私邸へ出向いて"政治献金"を直接渡していた。
電力会社がもっと金をばら撒いていいたのがマスコミで、独占企業なので、本来は広告する必要性がゼロ。それならメディア買収だと考えれば納得する。
フクシマの起きた2011年4月13日参議院予算委員会で参考人として招集された東電社長(当時)・清水正考氏は「マスコミへの広告・宣伝費は約90億円、交際費は約20億円」と答弁した。ところが、日経広告研究所の調査では、09年度の年間広告費は243億円、販売促進費が238億円であったことが判明している。
東電の1社だけでも凄まじい額だが、、電力会社11社の広告費の合算に、電気事業連合会(電事連)などの業界団体、その他関連企業、原子力関連の広告予算が組まれている資源エネルギー庁などの「費用」を足し合わせれば、原子力・電力業界の広告宣伝費は、年間1000億円。
マスコミが浅ましくも屈服するのは当然なのです。
全ては金勘定なのです。
今回も露骨に金勘定であり、記事の最後に書き加えたように、
原発は動かせば大事な『資産』だが、動かないと厄介な『粗大ゴミ』。
原発を所有する電力会社としては、これからの廃炉費用を別にしても数十兆円の大損害である。
それなら、ロシアのスプートニクや日本の共同通信が報じているように、IAEAの報告書が公表される9月直前での駆け込みでの『九州電力は、川内原発1号機を7月下旬に再稼働させる』以外の姑息な抜け道以外に無いのである。
しかし、それにしても亡国的な浅ましい話ではある。
返信する
日本中央メディアはカネで梗塞(つま)っている (現田石)
2015-05-27 21:37:54
現田石です。
東京に近いところでは、松戸や柏のある千葉県の『千葉日報』ウェブがIAEA報告書を【ウィーン共同】を用いて報じていましたが、中央は…(絶句)。
石油が来なくなるとかどうのこうのいうより、日本は既に完全に詰まっていることが良くわかる素晴らしい今回の記事です。今後ロシアのスプートニク(同伴者)をさらに愛読しようと思っています。
返信する
渡る世間は、金しだい (宗純)
2015-05-30 14:16:37
現田石さん、コメント有難うございます。

一番悪いのが映像メディア(テレビ)であり、同じくらい最悪なのが大手の全国紙。
まさに安倍晋三が完璧にアンダーコントロールしている様は情けないというか。恐ろしいと言うか。不気味と言うか。
この最悪の全国紙の中に日本共産党機関紙の赤旗までが含まれているのですから、もう『日本国は終わっている』としか表現出来ないほどの、末期症状。
今、新聞離れが猛烈な勢いで進んでいるのですが、これは当然で、今の大手のマスコミはテレビ局が違っていても新聞社が違っていても、完璧に横並びの金太郎飴の様な同一ニュースを垂れ流す。内容が同一なら、一つで十分ですよ。
わざわざ金を払って新聞を購読する値打ちが無い。
縛りがゆるい地方紙では若干真実の断片が、運が良ければ垣間見れる時も有る。
日本中のメディアが北朝鮮のピョンヤン放送化する中では、ロシアのスプートニクの情報は異色であり、違うことが書いてあるので、わざわざ見に行くだけの価値があります。

今の日本のマスコミの腐敗堕落(体制翼賛)ですが、原因は矢張り『金だ』と考えると分かりやすい。
その金の取り扱いで大騒動が起きたのがFIFA(国際サッカー連盟)のスキャンダルですが、これもスプートニクは別の見方をしている。
アメリカの司法当局が、アメリカ国内では無くて、外国で外国人を汚職で逮捕しているのですね。
たとえFIFAの深刻な汚職が事実としても、これは駄目ですよ。
アメリカの今回のやり方ですが、基本的に無茶苦茶なのです。
しかも逮捕した日付けが大問題で、FIFA会長選挙の前日なのですから、たとえ偶然にしても誰でもが政治的な関連性を疑います。
アメリカが露骨にFIFAの懐に手をつ突っ込んだ。以前に起きたIMFのトップであるストロスカーン専務理事を強姦容疑で逮捕した謀略劇の二番煎じでしょう。この強姦事件は無罪になっているが、ストロスカーンはフランス大統領の最有力候補だったのですから、アメリカの罪は深い。

今回も、アメリカのマケイン上院議員(軍事委員会委員長)などの軍産複合体が3年後の2018年のロシアでのワールドカップ開催を阻止するとの国際的な謀略だとも、
ドイツで明らかになったアメリカ国家安全保障局(NSA)のスパイスキャンダルから関心をそらすために仕組んだとか色々言われているが、いずれにしても主役はアメリカです。FIFAの騒動ですが、アメリカの仕組んだ猫ダマシなら1週間程度で収まるでしょう。
そもそもがあの世でも『地獄の沙汰も金次第』なのですから、ましてやこの世なら『渡る世間は、金しだい』なのは当然なのです。
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Unknown (2010年九電玄海お漏らし事故の真実)
2015-08-02 20:19:34
2010年玄海原発事故時に311の時の東京を上回る放射能を九州から奈良県で観測!!

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