哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

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BOSE "Triport" VS SONY"MDR-F1"

2006-04-30 | グッズ
 今日は、趣向を変えて。
 BOSEの"TriPort"(TP1BB)(2万円弱)を買った。もともとSONYのオープンエアー型ヘッドフォン(MDR‐F1)(定価2万5千円)を使っていたのだが、音質に迫力がなかったので、クローズド型のヘッドフォンとして狙っていたのだ。で、現在具合を確かめているのだが…思っていたほどグッとくるものがない。「良い」んだけど、「素晴らしい」というほどでもないのだ(もっとも、PCで圧縮した音楽ばかり聴いて、256kb/mの音と66kb/mの音の差をろくに聴き分けられない筆者にこんなことを言う資格があればの話であるが)。
 わかりやすいので、TriPortをMDR-F1と比較してみよう。音質的には、MDR-F1が音を拡散させ、音の輪郭がぼやけ、低音が弱いに対し、TriPortは音を圧縮させ、音に強度があり、低音にも強い。一般的な、オープンエアー型とクローズド型の違いだと思っていい。つけごこちは、MDR-F1が軽くソフトで音量にも関わらず、かなり長い間つけていても苦痛にならないが、TriPortもだいたい同じような特性をなぞっている。クローズド型のわりに軽いしソフトだが、音量は小さめにしないとけっこう疲れる。音量さえ調節すればこちらもあまり疲れない。MDR-F1は耳にマグネシウムのスピーカーを当てている感じなので涼しげだが、TriPortはパットがしっかりしているので、暑苦しくない程度に温かい。
 …と、づらづら比較してみたが、実はそこまで違わないのではないかと思う。あえて決定的な違いを見出そうとすれば、MDR-F1は著しく音が漏れてしまうので外出しながら使えないが、TriPortは音が漏れにくいので電車の中でも使いやすい、という程度か。音質の違いでヘッドフォンにこだわるなら、家の外に音がもれないことが条件だが、スピーカーにこだわったほうがよっぽど良いと思う。タイムドメインのスピーカーなどは、2万円弱でかなり良いらしい。今筆者が使っているのは、やはりBOSEの2.1chデスクトップスピーカー(3万円程度)だが、低音に強いというほか、そこまで音が良いとは思えない(というか、BOSEはけっこう力任せな音作りをしているのではないかと思えてきた)。BOSEのこのスピーカーは、PCに接続して使う分には、スペースもほとんどとらないし、よく出来たスピーカーではあるのだけど。
 結局であるが、音漏れの問題でスピーカーが使えないという人には、TriPortはコストパフォーマンス的に、それなりにおすすめして良いのではないかと思う。これ以上のランクのヘッドフォンだと、平気で5万、10万とするが、よほどのオーディオマニアでなければ意味がないからだ。そこそこに音楽を楽しめれば良いという人には、TriPortはベストチョイスとさえ言っていいのかもしれない。ただし、筆者のように過剰な期待をしなければ、という注釈もつくのだが。ちなみに、MDR-F1も現在は2万円程度と安くなり、聴いてて全然疲れない、そこそこの音質のヘッドフォンなので、だらだらと音楽などを聴き続けたい人にはおすすめできます。

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