殺し屋と少女の純愛、という売り文句で今日でも傑作で知られている『LEON』だが、そのイメージはかなり間違っているのではないかと、筆者は考える。というのは、レオンは、彼自身が「それ以来、一度も街をでていないし、誰にも恋をしていない」というように、大人の男性ではなく、少年の心をもった殺し屋だからである。だから、このセリフが言われる前までは、少女・マチルダに振り回される、ダメな中年親父にしか見えない。というか、彼の見せ場は、冒頭の襲撃シーンと、終盤の警察との篭城戦以外にはほとんどない。つまり、レオンが少年であることを見通せなければ、この映画はちょっとイカれた12歳の女の子に振り回される、ロリコンダメ親父映画、という評価にしかならないのである。一方で、悪役のスタンフィールド(ゲイリー・オールドマン演)は本当にやばかった。ある意味、主役はこの人である。これほど、やばい悪役は見たことがない。ちょっと精神病に見えながらも、現実見当識を失っているわけではなく、異常と正常のバランスのとり方が異常なのである。
この映画、筆者には殺し屋としての生き様については、ほとんど描いてないように思える。殺し屋を観たいなら、以前紹介した『Phantom INTEGRATION』のほうがよっぽど良く描かれている。なぜなら、繰り返すようにレオンは少年だからだ。マチルダも、レオンの手伝いをしながら、結局直接手を下したわけではないし(マチルダが泣きながらスタンフィールドを滅多撃ちするような展開もありだっただろう)。そういう意味で、あるいはこの映画は過剰にロマンティックなのかもしれない。少女を守る少年と少年を守る少女の悲恋物語。レオンはロリコンではない、なぜなら、彼は少年のままだったのだから。
この映画、筆者には殺し屋としての生き様については、ほとんど描いてないように思える。殺し屋を観たいなら、以前紹介した『Phantom INTEGRATION』のほうがよっぽど良く描かれている。なぜなら、繰り返すようにレオンは少年だからだ。マチルダも、レオンの手伝いをしながら、結局直接手を下したわけではないし(マチルダが泣きながらスタンフィールドを滅多撃ちするような展開もありだっただろう)。そういう意味で、あるいはこの映画は過剰にロマンティックなのかもしれない。少女を守る少年と少年を守る少女の悲恋物語。レオンはロリコンではない、なぜなら、彼は少年のままだったのだから。