もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

ようこそ腐女子の匣喫茶へ お好みのモノをどうぞ、召し上がれ。 日々を書き連ね、妄想をこよなく愛でます

黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、報告(1)

2010-05-22 20:17:21 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。







■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、報告(ほうこく) (1)




セバスチャンにより目覚めさせられシエルは永久(とわ)の眠りから目覚め、異府(いふ)で生活を営(いとな)んでいた。人間界とは時間の経過(けいか)が異(こと)なる異府(いふ)では、たった数ヶ月でも人間界では数年が過ぎたある日の事である。


シエルが気にかけている事が、二つだけある。


セバスチャンがシエルの命令を受て人間界へ行き執務を行い、書斎でデスクチェアーに座りシエルはいつもの通りにセバスチャンの執務報告を聞く。

セバスチャンはデスクの前で報告をする。


「今月も坊ちゃんの、ご命令通りにアバーライン警部補の奥様に、生活費とお子様の養育費を恙無(つつがな)く支払いました。」

「あぁ。」

デスクチェアーに座り、緑のスーツを着用しシエルはそう一言だけセバスチャンに返事をした。

フレイアによりセバスチャンとの契約を執(と)り成しをしたので、右目に契約印はないので眼帯はしてない。ミサの儀式の時に押された背中の烙印(らくいん)も消失している。歳を摂(と)る事もなく、シエルはあの日のまま幼い容姿であった。

シエルが異府(いふ)で生活をしてても気にかけて居る事の一つ。 自分のせいで罪もない人間を巻き込んでしまった事───────── アバーラインには奥さんがおり、子供を授(さず)かる喜びを目前にして命を絶たれてしまった。

「もう、幾つになったのだろうな。歳月(さいげつ)が過ぎるのは、あっという間だ。」

「坊ちゃんは、お優しいのですね。」

「僕は、優しいのではない!! お前の唯一(ゆいつ)の失態(しったい)を冒(おか)したのを、主人として償(つぐな)って居るだけだ。」

そうシエルに言われ、セバスチャンは微笑を浮かべた。


人の命をどう償(つぐな)えるのか?? お金で全てが解決出来るとは思ってはないが、せめての償(つぐな)いとして生活費と子供の養育(よういく)費を支払う事で幾分か援助を出来ると。

「それと、エリザベス様の事でご報告を致します。」

「リジーか、また何かやらかしたか??」

「いえ、エリザベス様がご両親に、婚約を勧められおりました。お相手の男性は、貴族でエリザベス様を心から慕われておりますね。」


シエルはデスクチェアーから勢いづき立ち上がり、デスクに両手を叩きつけた!!


「リジーが、婚約だっと?!」

「はい。縁談(えんだん)は着々(ちゃくちゃく)と勧められており、正式にエリザベス様に婚約を、申し込む日取りまで決まっている模様です。」

セバスチャンの報告を聞き終えると呆然(ぼうぜん)とし、ガックリと落ちる様にデスクチェアーに座り込み俯(うつむ)くシエル。

「そうか…‥ 僕が存在しないから、リジー。」

「坊ちゃん、エリザベス様の婚約を────────」

「セバスチャン、考えさせてくれ。」

「御意。」


セバスチャンはそうシエルに言うと、一礼をし書斎から退室し去って行く。

シエルが最(もっと)も気にかけている事は、人間界に遺(のこ)して来た許婚(いいなずけ)のエリザベス。

シエルは深くため息をつく~ 存在しない自分に何が出来る?? エリザベスが幸せになれるのか??

ぐるぐると疑問が脳裏(のうり)を駆け巡(めぐ)る。

デスクチェアーから立ち上がり、シエルは落ち着きなく広々とした書斎を歩き回る。


内科医になると自分の意志を貫き通し、家まで追い出されたがバルドとフィニの元に身を寄せてとうとう、両親を根負けさせたエリザベス。

エリザベスは内科医になるのを希望しているはずだ、婚約などには興味はない…‥はずだが~ もし、エリザベスが婚約を望むのであれば──────── 自分が阻止する必要はない。


(僕の意思ではなく、リジーの意志を優先させるべきだ。)

そう、シエルは独(ひと)り結論に達すると、デスクの前に近付いて行きデスクの呼び鈴を手に取り鳴らす。



書斎の扉が五回ノックされた。

「セバスチャン、入れ。」

書斎の扉は開かれ、黒の燕尾服は音もなく影の様に入室して来た。シエルの正面にセバスチャンは歩(あゆ)み寄り、跪(ひざま)ずき深々と頭(こうべ)を下げる。

「セバスチャン、リジーが婚約の一件をどう考えて居るのか調べろ。急げ良いな??」

「yes My Load。」


そうセバスチャンに命令するとシエルはくるりと、背を向け書斎の見渡しの良い窓辺に歩く。

異府(いふ)には朝と昼間がない、ただあるのは夕闇と小夜(さよ)だけである。煌々(こうこう)と月明かりだけが書斎のシエルを包み込み照らす。

セバスチャンは音もなく気配(けはい)を、残さず書斎から去って行った。




黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 (2)

カキ出来た。

2010-05-22 19:01:24 | 腐女子の御伴
今回は前回みたく長くないので、もぐ菜も安泰です。今ね、微調整しております。更新すると色々と気づくから見直ししてます。

同じネタを考えて居る方々も居そうだけど、もぐ菜なりにカキしたいです。今回の黒執事S.R.S.の執筆はセバシエ登場の御祝いだから♪