*ご注意*
*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。 一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。*
gentle Darin??mix.(8)
日曜、御堂は白のワイシャツでネクタイをせずラフな軽装のカジュアルスーツを着用し、銀座の辺りをふらりと散歩をして居た。
銀座の大通りには、休日を楽しむ人々が行き交い賑(にぎ)やぐ。自宅マンションのワインセラーにお気に入りのワインのストックが無く、御堂はワインを購入しに銀座までやって来た。
お目当てのワイン専門店へ向かう途中に、見慣れた人物が歩いて居るのを見つけた。 宮阪の出(い)で立ちは年相応な上着(うわぎ)を着て軽装の上下で大きな手提げの紙バックを、手にし足早に歩いて居る。御堂は宮阪を追い声をかけた。
「宮阪君。」
そう御堂に呼ばれて、ビックリと身体が反応する。宮阪の反応を見てそんなに、驚かなくって良いと御堂は苦笑いをし思う。
「あっ、こんにちは。御堂代表、お仕事ですか。」
「幾ら、私でも休みは取る。君と同じく買い物だ。」
「買い物ですか。そうですよね、はは。」
宮阪は落ち着きがない、何か慌てて居る様にも見える。一緒に飲んだ女子社員にプレゼントでも購入したのを、見つかったのか嫌なのかっと御堂は思う。
「あの、失礼します。僕、まだ、買い物をするので。」
「買い物か、何を購入する??それにして、大きな手提げの紙バックだな。」
「えぇ。時計屋さんに行くんです。ダーリン、お気に入りの時計を無くしてしまって、変わりに使ってる腕時計気に入ってないみたいで。」
「ダーリンか。」
「ほんと、失礼します。」
「待ちなさい。この、先にあるクレセントと言う名前の時計店に行くのだろ??私が行くワイン専門店の隣だ。」
「そうなですか。じゃ、お店の前まで一緒に。」
宮阪はそう言い笑い御堂に、返答するが不安げな瞳で御堂を見つめた。特に会話をせず無言で歩く二人。
クレセントと言う名前の時計店にやって来ると、ぺこりと頭を御堂に下げて顔を上げると宮阪は店の自動ドアに手を触れた。
御堂は宮阪の後ろにくっつき共に時計店へ入って行く。 後ろを振り向き宮阪は驚いた。
「あの…」
「そんなに、嫌がる事はないだろうに。私も腕時計を見たいのだ。」
「はい。」
そんな会話をして居ると、紺のスーツを着た温厚な年配の男性店員がカウンター越しに宮阪に声をかけて来た。
「いらしゃいませ。何を、お見立て居たしましょう。」
「はい。銀の懐中時計を。」
「おぉ、それはまた古風な、品物をお求めですね。」
御堂はガラスのショウケースに、並べられた腕時計をしげしげと見つめる。佐伯にプレゼントをするとしたら、どの腕時計が良いか真剣に一つ一つ見る。
もう一人の年若い男性店員に御堂は声をかけられた。
「お客様、お待たせ致しました。どの様な腕時計を、お探しでしょうか??」
「あぁ、私はあの青年に、付き添って来ただけです。」
さすがに数百万円もする腕時計を身につけて居る御堂には営業トークはしてこなかった。そう言いと御堂は宮阪の傍に近付いて行く。
宮阪と年配の男性店員は熱心に話し合って居るらしく、幾つかの銀の懐中時計がガラスケースに出されており宮阪はそれを真剣に選んでいる。
「坊ちゃんは、腕時計ではなく。銀の懐中時計で良いのですね。」
「はい。腕時計も良いけど。僕はダーリンには、銀の懐中時計の方が絶対に似合うと思う。」
「では、こちらで本決まりですかな。では、お会計をお先に失礼させて戴きます。贈り物の包装を致しますね。店内をどうぞ、見てお待ちください。」
「はい、会計お願いします。」
宮阪が選んだ銀の懐中時計を手に持つ霧島を想像するが、御堂は霧島の笑顔を見た事はなく。どんな表情をするのか気にもなった。
一緒に霧島と仕事して居た時は、いつもポーカフェイスで淡々とした表情で、喜怒哀楽があるのか不思議になった。
満足な笑顔で喜ぶ霧島─────
宮阪は会計を済ませた。他の店員と購入した銀の懐中時計の話しをして居ると、プレゼントの包装が終わったらしく、年配の男性店員は手提げの紙バックを持ち宮阪の元へ来た。
「お待たせ致しました。こちらは、店の前までお持ちさせて頂きます。」
宮阪と御堂は時計店を出ると後ろから年配の男性店員が手提げの紙バックを持ち、宮阪に手渡し深々とお辞儀をし二人を見送った。
「あの、」
「君のプライベートな、時間に邪魔をした。お詫びに食事でも一緒に。」
断りづらいので、宮阪はしたかなく返答をした。
「ありがとうございます。ご一緒にさせて頂きます。」
「話しをしたい事がある。」
「話しですか??」
「この先に、洋食レストランがある。そこへ。」
御堂に付き従い宮阪は歩く。
gentle Darin??mix.(9)