《 落とし物ゼロ作戦 》
よく教室には落とし物箱がおいてあり、持ち主がわからない鉛筆や消しゴムがたくさん入っている。
「お落としものをしてはいけません。」
これは指導とは言わない。
スローガンを掲げたにすぎない。
指導とは、あるべき姿を示し、そこに至るまでの方法を具体的に示さなければならない。
たとえば、落とし物をなくしたい時はどう指導するか?
私はこうした。
第1段階
名前ペンを持参させる。
「これから5分後に、この教室にあるものはすべて先生のものになります。」
「エ~!!」
「ただし、名前が書いてあるものはその人のものです。
今から5分間で、自分の持ちものすべてに名前が書いてあるかチェックして、書いてないものには名前を書いてください。質問はありますか?」
「では、よ~い、はじめ!」
これを、月に1回程度行いたい。
第2段階
まずスローガンを示す
「床に物を置いてはいけません。」
次に方法を示す。
「もし置いてあったら、名前を見て持ち主に渡してください。その時は、どうぞ、ありがとう と言いましょう。」
「もし名前がなければ、周りの人に聞きましょう。」
「周りの人が知らなければ、帰りの会で聞きましょう。」
これで、落とし物はまず発生しない。
最終段階
落とし物という現象がなくなってしばらくしたら、学級全体を大げさに褒めながら、「物の大切さ」「物を大切に思う心の尊さ」を伝える。
形に心を入れるのである。