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週刊 日本の100人 第85号 山田長政 

2019-10-04 05:03:07 | 歴史関連情報
週刊日本の100人 山田 長政

シリーズ第85号は山田 長政です。



 このシリーズに登場する人は、皆ドラマチックな人生を過ごしているのですが、この人は、その最たるものではないでしょうか。

 出生は諸説ありますが、この本は、1590年説駿府説を採っています。
 沼津城主の六尺(駕籠かき)を勤めたのち、慶長17(1612)年ごろ、朱印船シャム(タイ)に密航します。
 力量、才覚共にすぐれ、シャムの王都・国際都市アユタヤ(Aythia)郊外の日本人町の頭領となります。そして、日シャム間の貿易を独占していきます。
 アユタヤを威圧しようとしたスペイン軍を破り、日本人義勇軍の長として国王ソンタムの信任を得ます。
 1626年には、最高の官位オーヤ・セーナピモクを授けられます。
 ここまでが絶頂期です。

 長政を信頼するソングタム国王の死(1628)後、王位継承の内乱に関与してしまいます。日本の慣習である長子相続を主張したからです。
 幼い新国王を殺して、次の王位を狙うオーヤ・カラホムは、辺境で戦闘地の六昆国の長官(リゴールの王)に左遷されてしまいます。
 六昆で、隣国パタニ軍と戦闘し、見事平定しましたが、脚に負傷します。
 戦勝のお祝いに贈られた美女との結婚式で、傷口に毒の膏薬を張られ、40歳で死亡。
 この毒殺は、長政の軍事力を恐れたカラホムの密命によるものです。
 長政の死後は、アユタヤの日本人町も焼き打ちされ、日本人勢力は一時的に衰退しました。

 このようなドラマチックな人生も、後の史料が多く、実際のところはあまりわかっていません。長政の実在を否定する学者すらいます。今後の研究が望まれます。

■特集
 山田長政
  海外に遊ばば或はわが志を得ん

■ライフ&タイム
 南海に活路を見出した伝説的冒険家の41年
  迷い多き青春/希望へのボン・ボヤージュ
  日本人が知らない大頭領/無敵の貿易王誕生
  確執の果てに

■ヒューマンエピソード
 世の清濁を併せのむ移民たちの守護神

■クローズアップ
 海外にかけた夢 南洋日本人町の興亡

■人物スクランブル
 山田長政 人物相関図
  徳川家康/ペトロ岐部/金地院崇伝/平田篤胤

■後世への遺産
 日タイ交流の使者が時空を超えて残したもの

■評伝アラカルト
 山田長政考
  藤本義一/柴山柳陰士/佐藤春夫
  陳舜臣/遠藤周作/小和田哲男

■ビジュアル人物事典

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