はじめて、おこなわれた女子ゴルフのワールドカップ(南アフリカ)で日本代表の宮里藍選手と北田瑠衣選手が優勝しました。
藍泣いた世界一 女子ゴルフ国別対抗戦ワールドカップ〈最終日)
藍泣いた世界一 女子ゴルフ国別対抗戦ワールドカップ〈最終日〉
【ジョージ(南アフリカ)13日=竹内達朗】日本が初代女王に輝いた。最終ラウンドは、ストロークプレー(2人それぞれのスコアを記録)で行われ、通算6アンダーでスコットランドと並び首位でスタートした日本は、宮里藍(19)=サントリー=が、7バーディー、1ボギーの67という驚異的なスコアをマーク。北田瑠衣(23)は82で回り、3日間通算3アンダー、289で優勝した。2打差2位には韓国とフィリピンが続いた。
死闘6時間半!北田とつかんだ初代王座
勝った。泣いた―。劇的な勝利で、藍と北田の日本が初代女王に輝いた。
「本当にゴルフが怖かった…。普通の試合なら崩れても自分の責任で済む。でも、きょうは藍ちゃんがこんなに頑張っているのに…。負けたら日本に帰れないと思いました」優勝カップを抱いた北田は泣きながら話した。パートナーの姿に、さすがの藍ももらい泣き。「瑠衣さんとゴルフができて本当に良かった」6時間半に及ぶ死闘を制した2人は声を弾ませ、涙を流した。
最終日は、2人それぞれのスコアを記録していくストロークプレー方式。チームワークではなく、個人のスコアがそのまま成績になるだけに、予想もつかないドラマが待ち受けていた。
ハーフターンまでは、ぶっちぎりの優勝かと思われた。出だしの1番。藍は、ピン右上70センチにピタリとつけ幸先の良いバーディー。さらに3番で7メートルを決めると、一気に波に乗った。7番では、ピンまで残り28ヤードのグリーン手前のラフから直接チップイン。8番ではピン手前1・5メートル、9番では1メートル、10番でも1・5メートルを決めて、驚異の4連続バーディー。通算10アンダーまでスコアを伸ばし、その時点で2位との差を6打にまで広げた。
しかし、世界一への道は簡単ではなかった。直後の11番パー3。北田が第1打をブッシュへ入れると、痛恨のトリプルボギー。14番で北田が短いパーパットを外すと、通算4アンダーでイタリア、韓国に並ばれた。
短いパーパットを何度も外し、今にも泣きそうな北田。しかし、17番パー3でやっと笑みがこぼれた。ピン右5メートルからのスライスラインを見事にカップイン。続く藍も1メートルを沈め、ともにバーディー。「2人ともバーディーだったので、確信が持てました」(藍)失いかけた栄光のカップを再び手中に取り戻した。
表彰式でプレゼンターとして現れた南アフリカの英雄、アーニー・エルスは「2人とも体が小さいのにタフなコースと勇敢に戦った。世界一だ」と最大級の賛辞を贈った。
19歳と23歳。大会最年少コンビの涙は、いつまでも止まらない。それでもアフリカの渇いた大地は、2人の涙をいくらでも受け入れてくれた。“ジョージの歓喜”として永遠に日本ゴルフ史上に刻まれる。
◆第1回女子ゴルフW杯 20の国と地域が参加し、1チーム2選手で優勝を争う。初日は、2人1組で良い方のスコアを記録するフォアボール形式で行われ、第2日がフォアサム(2人1組で1つのボールを交互に打つ)、最終日はストロークプレー(2人それぞれのスコアを記録)で行う。07年の第3回大会までは南アフリカで開催される予定。
宮里藍の父・優さん(58)「本当に良かった。毎日テレビで見ていた。藍は気負いがなく、オフにやってきたことがしっかりできていた。これで世界で戦えるという手応えをつかめた。世界一は本人たちの目指していたところ。すごいという以外の何ものでもない」
伊沢利光(2002年男子W杯で優勝)「優勝おめでとうございます。交互にボールを打つフォアサムや、いい方のスコアを採用するフォアボールなど、競技方法は難しかったと思います。よっぽどペアがかみ合わないといいスコアが出ません。男女とも世界一になれてうれしいです」
日本女子プロゴルフ協会・樋口久子会長「若い2人が日本を世界へ引き上げてくれた。こういう場面に居合わせることができ感無量だ。北田さんが苦しそうで見ていられなかった。喜びはひとしおと思う」
以前は男子でワールドカップは2回優勝している日本です。
その中には今の日本のゴルフ界を代表する丸山茂樹選手と井沢利光選手の2人もいるというから、今後の藍ちゃんと瑠衣ちゃんも期待できますね。
2人をコンビにしたのがよかったですね。
非常に良いコンビネーションだったと思います。
本当は女子賞金ランキング1位の不動裕理選手が2位の藍ちゃんと組むはずだったそうですが、不動さんは次の大会が控えていたので3位の瑠衣ちゃんになったそうです。
まあ、年齢も10歳くらい違いますし、気をハンパなく使いますから(不動さんが悪いわけではありません)、4歳違いの瑠衣ちゃんのほうが良かったのかなあ、と思いますね。
普段は個人スポーツですから、コンビでやるのはたいへんだったと思いますし、しかも難コースでしたから、本当の良くやりました。すごいです。
日本は成績の上位20位の中には入らなかったらしいのですが、
「協会がしっかりしている」
という理由でオーストリアとともに出場したそうです。
なので、強いとは思われていなかったみたいです。
ところが優勝。
同じ理由で選出されたオーストリアが最下位の20位なので、これはサプライズなわけだ。
しかも、このコンビは最年少。
1番目の優勝が日本の優勝なんていいねぇ。
余談ですが、こんな記事が…。
藍&北田は「キュート」/W杯女子ゴルフ
藍&北田は「キュート」/W杯女子ゴルフ
宮里と北田の日本チームを地元紙「サンデー・アーガス」が大絶賛した。1面で「Cute’s the word」の見出しで、北田が宮里に向けてほほ笑む写真を掲載した。「カラフルなウエアを着た2人は双子のよう。とてもキュートだった」と書かれ、前日の公式会見の内容を中心に、宮里が通訳なしでも質問を理解して答えた様子も紹介した。
[2005/2/14/08:22 紙面から]
確かにキュートだけど、似てないと思うよ。
南ア紙1面、黒人カメラマン藍に抱きつく
南ア紙1面、黒人カメラマン藍に抱きつく
世界のメディアも、宮里藍(19)と北田瑠衣(23)に魅せられた。17番で奪った起死回生の「ダブルバーディー」。特に北田が決めた瞬間は、地元テレビ局のスタッフが立ち上がり「オー ラブリー ガール」と叫んだ。一夜明けた14日も、すべての地元紙が1面で2人の活躍ぶりを報道。空港で宮里と遭遇した黒人カメラマンも「コングラチュレーション」と言い、宮里に抱きついた。
[2005/2/15/11:11 紙面から]
評判は上々のようです。