2024年6月9日(日)
n次正方行列Aの対角化とは、n次対角行列Dとn次正則行列Pが存在して、
となるようにできることをいう。行列Aが対角化できる必要十分条件は、行列Aの固有ベクトルだけで n 次
元ベクトル空間の基底が構成できることである。このとき、それらの縦ベクトルを横に並べて正則行列Pが
できる。となるわけである。Dの対角成分は、行列Aの固有値となる。
行列Aの固有値が全部異ならない場合、対角化できるとは限らない。対角化できなくても、対角化に近い
形で表現できるようにしたい、と言う要求からジョルダン標準形が考えられた。ジョルダン標準形とは、
マスオ著『高校数学の美しい物語』より引用
の形をした行列を言う。ジョルダンブロック(ジョルダン細胞)とは,対角成分に同じ固有値の値 を並べ、
一つ上の部分には 1を並べた行列のことをいう。例えば
については、ジョルダン細胞をJ(2,2)、J(3,1)と表す。J(2,2)の最初の2は固有値の2、後の
2は固有値2が2回続くという意味である。
一般のn次正方行列Aのジョルダン標準形を求めることは計算が大変であるが、2次正方行列・3次正方行列
については、最小多項式の形から下のようになる。最初多項式さえわかれば、ジョルダン標準形が求まることに
なる。
最小多項式については、私のブログ
最小多項式 (2024年6月11日)
を見ていただきたい。
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