2024年4月7日(日)
下の文章は、大垣市文教協会の最近の広報誌からとったものです。この一文を読んで、私が2020年度
頃から大垣市の教職員や保護者、そして市議会議員の協力を得て真剣に取り組んだ土曜日授業=ふるさと大
垣科をやめさせる運動をしていた頃を思い出した。
この文書の筆者である清水昭治氏は、平成26年(2014年)度当時の大垣市教育委員会の学校教育課
長で、当時の教育長山本譲氏の意向を受けて土曜日授業=ふるさと大垣科の積極的に推進した人だった(注)。
だから、土曜日授業=ふるさと大垣科を積極的に評価しているのが目立つ。
しかし、土曜日授業=ふるさと大垣科は、山本譲前教育長の自己満足的な実践であった。土曜日授業の実
施にこだわったのは、前小川淳市長だという人も多いが、山本前教育長が推進に積極的だったことは事実で
ある。その忠実なしもべであった当時の清水昭治学校教育課長は実務面で土曜日授業=ふるさと大垣科を推
進していった。清水学校教育課長の前任者である佐野篤氏は、どちらかというと土曜日授業には消極的であっ
た。文科省の教育課程特例校の指定を受けて、通常の教育課程の中でふるさと大垣科の時間をとろうと考え
ていたように思える。しかし、小川前市長や山本前教育長の土曜日授業=ふるさと大垣科は既定事項のよう
だった。佐野課長が退き清水課長に代わると、早速定例教育委員会の場で土曜日授業=ふるさと大垣科が
「議案」でなくて「報告事項」として説明されるのである。(注)十分に検討されたと言いがたい。
次に問題にされるのは、土曜日授業に市内の教員の多くが気が進まなかったことである。わざわざ土曜日に出
かけてまでふるさと大垣科を実践することの意義が認められない。まして、通知表や指導要録の評価が道徳と同
じ記述式であったことも、市内教員のふるさと大垣科に意欲をなくさせる要因でもあった。
市教委はこうした土曜日授業=ふるさと大垣科に対する不満・批判が起こってくることを力で押さえようとし
ていた。若手教員と教育長との語らいの場で、
「土曜日授業のことは触れるな。」
と釘を刺すような言動があったと聞いている。またコロナ禍の中で校長会ができるだけ教員の負担を減らそうと
して、ふるさと大垣科の時間数を柔軟にしてほしいと要望したところ、学校教育課の幹部は
「ふるさと大垣科は文科省の教育課程指定校の指定を受けているので変えられない。」
と大嘘をついた?ということまで伝わってきた。土曜日授業としてふるさと大垣科の授業を実施する場合、通常
の教育課程でないので教育課程特例校の指定は不要である。しかし、市内の多くの校長はふるさと大垣科は教育
課程特例校の指定を受けているものと思っていた。市教委がきちんと説明していなかったのだろう。あるいは、
市教委自体の認識も、そのようなものだったのだろうか。私はブログにふるさと大垣科は教育課程の認定を受け
たものでないことを強調して書いた。また、ある市議会議員が2020年9月の市議会の一般質問で教育課程特
例校の指定について教育長に質問をした。こうしたこともあって、ふるさと大垣科は教育課程特例校の指定を受
けておらず、結局ふるさと大垣科は正式な教科でないことがはっきりしてきた。このある市議会議員の一般質問
以降、SNSでふるさと大垣科を公然と批判する市内教員も見られた。また、小川市長から石田仁市長に代わったあ
と、市長宛にふるさと大垣科の問題点を指摘するメールも送られたという。(私は、石田市長とは市議会議員をし
てみえた頃から知り合いだったので、Facebookを通じて土曜日授業=ふるさと大垣科について整理した文書を送
信したりしていた。)大垣市内の教員のふるさと大垣科に対する不満・疑問の声が大きくなってきたことは事実
であった。
土曜日授業=ふるさと大垣科の問題点は、教育内容の面にもある。市内のほとんどの学校は、独自のふるさと教育
を行っている。そのうえ、さらにふるさと大垣科の市内一律・一斉のふるさと教育は屋上屋を重ねるものとなる。私
が陳情書で書こうとした西小学校5年生の例をあげよう。西小学校5年生は毎年水門川の舟下りと到着場所での俳句
づくりがおこなわれいた。長い伝統行事として定着していた。しかし、ふるさと大垣科のカリキュラムは、そうした
学校独自のふるさと行事と何の関わりを持っていなかった。水門川舟下りの最後に俳句づくりの実践が行われるが、
それとは関係ないところで俳句づくりが行われる。こうした各校独自のふるさと教育の実際をふまえないふるさと大
垣科に市内の教員が関心を持てないのは当然と言えば当然である。本巣郡北方町の2つの義務教育学校でも大垣市の
ふるさと大垣科のような教科「北方科」がある。副読本があることも同様である。ただ、教科「北方科」は普段の授
業実践と関連付けて実施されているという。大垣市のふるさと大垣科のような硬直化したカリキュラムで実践されて
いるわけでないようなので、私自身特に問題があると思わなかった。
土曜日授業=ふるさと大垣科は、2022年4月から廃止された。石田市長の英断であった。石田市長が市内教員
の土曜日授業=ふるさと大垣科への不満・不信を感じられて決断されたのであろう。ふるさと大垣科は教育課程特例
校の指定を受けない形で、通常の教育課程に組み込まれた。その結果、従来までの教育課程が時間数の面で窮屈になっ
た問題点は残っている。しかし、土曜日授業=ふるさと大垣科がなくなったことはよかったと思う。清水昭治氏は、
「数年前、働き方改革により、大垣市でも土曜授業の見直しがなされ、テキストもデジタル化されたと開いていま
す。」
と記載している。土曜日授業がなくなったのは「働き方改革」の面も確かにあったが、それより大きな理由は市内教
員が土曜日授業=ふるさと大垣科に対して強い不満・不信を感じていて、土曜日授業=ふるさと大垣科に熱心でなかっ
たからである。その意味で、土曜日授業=ふるさと大垣科がなくなったことは当然であり、二度と復活させてはなら
ないと思う。ふるさと大垣科などどうでもよい。それよりも、学校独自のふるさと教育を充実させてほしいと願って
いる。
なお、本ブログで土曜日授業=ふるさと大垣科を批判したが、市内の先生方が作った副読本について私は評価して
いることをひと言付けたしておこう。
清水昭治氏の文章の全文を引用しておこう。
大垣市文教協会会報No682号(2024年2月)より
(注)
土曜日授業=ふるさと大垣科が教育委員会の会議に公式に登場してくるのは、2014年(平成26年)度
の第3回(6月25日開催)定例教育委員会の場である。この教育委員会がひどいのは、土曜日授業=ふるさ
と大垣科を審議なし(議題に挙げないで)で清水昭治学校教育課長の報告だけで済ませたことである。このよ
うな重要なことを報告だけで済ませるという事実が、以下に山本教育長や学校教育を実質的に指導していた清
水学校教育課長のいい加減さがよくわかる。土曜日授業=ふるさと大垣科が山本前教育長の自己満足に過ぎな
いと私が述べたのは、十分検討されて導入されたものでない独りよがりのものだったという意味である。山本
前教育長に忠実なしもべであった清水学校教育課長の意見は、記録になくてついに聞けなかった。
当時の教育委員会会議録を掲載しておこう。
2014年(平成26年)度 第3回(6月25日開催)定例教育委員会より
(追伸)
私の手違いによって、Facebookのコピーをそのまま公開してしまった。そのために、全面的に書き改めた。
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