SUSHI ROCKS

「真音通信」(まおんつうしん)
写真と音楽。猫や鳥や草花、
時に酒に纏わるよもやま話など・・・。

RICKIE LEE JONES

2013-03-25 13:52:55 | TOKYO SUSHI RADIO

CHANNEL 5. 「RICKIE LEE JONES」
25th JUNE 2012

☆昨日も雨、今日も雨・・・そして明日の天気予報も
降水確率50%というわけで、あまりお天気よろしくない様子。
梅雨の時期は洗濯物を干すのが大変ですね。
できれば家に立派な乾燥機が欲しいもんですね・・・
ついでに、この湿った心にも乾燥機を。

そんなわけで、この時期の洗濯物の乾燥には
もっぱらコイン・ランドリーへ行く。MDプレイヤーに
RICKIE LEE JONESのファースト・アルバムのDISCを放りこんで、
乾燥機が廻るのをぼんやりと眺めながら聴く。

カラッと乾いたアコースティック・ギターとスネア・ドラムの音、
一曲目「CHUCK E.'S IN LOVE」の、彼女の声だけで、
東京の湿った梅雨空さえ、なんだかほんの少し晴れてくるような
気にさせてくれる。少し憂いを秘めたような、うつ向いた表情で
煙草に火をつけるオレンジ色のジャケット写真も、とても素敵だ。

 

 

生粋のカリフォルニア・ガールの歌声がサンタモニカの風を
東京のひなびたコインランドリーまで運んでくれるってもんだ。

バッキング・ミュージシャンのクレジットを見れば、
STEVE GADD, ANDY NEWMARK, JEFF PORCARO, WILLIE WEEKS,
NEIL LARSEN,TOM SCOTT, RANDY NEWMAN,etc...
そしてプロデュースは、LENNY WARONKERとRUSS TITELMAN。
このメンツで作った音が良くないわけがないよね。

でも、夏のビーチで聴きたくなるような、そんな音ではないんだ。
どちらかと言うと週末の夜、都会の雑踏をくぐりぬけて
ふと入ったカフェで、仕事帰りの疲れた身体にビールを流し込んで
一人煙草を燻らせる・・・ああ、カリフォルニアへ行きたいなと。

そんな感じの音。ある意味でTOKYOの雑多な街の空気に
妙にマッチするかも知れない。新宿三丁目から買物客でごったがえす
伊勢丹の横を通って、人ごみから逃げるようにして
靖国通り沿いの地下のジャズ喫茶へ逃げ込む・・・みたいな。

 

 

彼女はカリフォルニアのシンガー・ソング・ライターだけど、
時にニューヨークっぼくて、ポップだけどジャズの匂いも含んでいて、
そんな楽曲が彼女のキュートでユニークな声で歌われる時、
きっちりと、過不足なく良質なポップスに
リサイズされて僕たちを楽しませてくれる。
1979年当時、ありふれていそうで、じつはなかった
新しいタイプのシンガー・ソング・ライターのアルバムだったな。

 

PS:RICKIE LEE JONESのアルバムについて書くために、
ちょっとWEBでオフイシャルサイトを覗いてみたら、
なんとタイムリーな事に、彼女の初期三枚のアルバムが6月27日に
紙ジャケット仕様のCDで発売されるそうな。
こりゃあ欲しいな。 


AFTER THE GOLD RUSH

2013-03-25 13:47:00 | TOKYO SUSHI RADIO

CHANNEL 4.  「AFTER THE GOLD RUSH」
23rd JUNE 2012

☆ニール・ヤングについて「何か書け」と言われても何も書けないな。
いやね、誰かに書けと依頼されたわけではないんですね。
アルバムを聴いてて、僕自身が彼の歌に触発されて、
何か書きたいなと思ったから、こうして書き始めたわけだけど、
いざ書き始めると何一つかけやしないね・・・。

昨年3月11日に起こった東日本大震災の日、
僕は夜に、新宿の店まで歩いて行って、地震で倒れた店の
ボトルやグラスや、棚から落ちたCDなどを整理しながら、
ニール・ヤングのGRATEST HITSというアルバムを聴いていたんだ。

その間も、幾度となく余震が続く中、やり切れない酷い気持ちで
作業をしていた時に、ちょうどこのアルバムに収録されている
HELPLESSがかかり、次にAFTER THE GOLD RUSHがかかり、
震災直後の何とも言いがたい絶望的な心境を、
これらの歌が代弁しているような、そんな複雑な気持ちに
なってしまった。もちろん、その時には当然の事ながら僕の心は
深く深く、失意の海に沈みこんでいたのは言うまでもない。
きっと、みんなも同じようにね。

ニール・ヤングのAFTER THE GOLD RUSHを聴きながら、
とてつもない虚無感に襲われ、次々に入ってくる悪い知らせに心痛め、
一体これから先、僕らをとりまくこの世界はどうなって行くのだろう?
僕たちの、この世界は本当に終わりに向かって進んでいるんだろうか?


「錆つくよりは燃えつきたい」
これはニール・ヤングのアルバムRUST NEVER SLEEPSに収録されている
HEY HEY. MY MY.の歌の中の一節で、のちに、26歳で自殺したニルバーナの
カート・コバーンの遺書に引用された事で有名になったフレーズだ。
時代と寝た、優れたロック・ミュージシャンは皆26歳で死ぬ。
JIMI HENDRIX,JANIS JOPPLIN,JIM MORRISON,そしてJEASUS CHRISTも・・・。

だけど僕たちはロック・スターじゃなくて、ほとんどその他多くの
「ただの僕たち」でしかない。僕たちはそんなふうに死なない。
死ねない。或いは死んでも(たとえ、死んだように生きていても)
復活せねばならない。生きるという事が僕たちの確固たる生きている
目的なので、僕たちの前に死はなく、安らぎの生というのもない。

あるのは、ただただ目の前の荒野を進んでゆくということ。
だから僕たちはいつも途方に暮れる。慌しい日常の中で、
どうしようもなく手に負えない事象で戸惑い、挫折し、絶望する。
そして何よりも重要なのは「僕たちは、そのようにして生かされている」
ということ。ほんの紙一重の運命と背中合わせに。

LOOK AT MOTHER NATURE ON THE RUN.IN THE NINETEEN SEVENTIES.
70年代初頭に歌われた、この歌が2011年に起こったあの日の夜に、
何よりもリアルに鳴り響いてしまうという、なんたる悲劇。

「おお、神よ!母なる大地の怒りを鎮めたまえ・・・」
しかし、天に召します我らが神は、いつもの頭痛に悩んでらっしゃる。
何処かの原子力発電所が再稼動する事に決まったそうな・・・
うん。そりゃあ、どこぞ遠い国の話だろうさ。
2012年、ここはTOKYO. 母なる大地は僕たちの靴の下で
眠ったふりをしている。そして僕たちは何も知らないふりをしている。

 

 

 

PS:写真にあげたアルバムはNEIL YOUNGのGREATEST HITSです。
収録曲はDOWN BY THE RIVER, COWGIRL IN THE SAND, HELPLESS,
AFTER YHE GOLD RUSH, SOUTHERN MAN, OHAIO, HEART OF GOLD,
LIKE A HURRICANE, HEY HEY MY MY, ROCKIN' IN THE FREE WORLD,..etc
文句なしのベスト・アルバムだ。あなたの部屋にも是非一枚。


山羊の頭のスープ

2013-03-25 13:40:18 | TOKYO SUSHI RADIO

CHANNEL 3. 「山羊の頭のスープ」 19th JUNE 2012

☆昨夜、猛烈な台風4号が東京でも猛威を振るう中、
僕はちょっとした仕事の用事があって、六本木まで行ってきた。
道の途中、猛烈な雨風にさらされて、傘の骨は折れ、
全身ずぶ濡れになって、ようやく待ち合わせの場所へ辿り着いたものの、
打ち合わせは、あらかじめ聞いていた内容とは、まったくかけ離れ、
まるで話しになりません・・・。あれれ・・・ずいぶん話が違うな?
というあたりで、ミーティングは五分も経たずにすぐに終了。
やれやれ、凄まじい雨の中、何しに六本木まで来たんだって感じ。

こんな日はとっとと家へ帰ろうと思い、都営大江戸線で新宿まで戻り、
新宿から小田急線に乗り換えようとしたら・・・
「人身事故のため、ただいま運転を見合わせております」だって。
やれやれ・・・。どこかで時間を潰そうにも、傘の骨は折れているし、
僕の心もすっかり折れてしまっているってわけさ。
あれっ、台風の話じゃなかったな・・・。

そうだ。ローリング・ストーンズの話を書こうと思ってたんだ。
大江戸線の六本木駅へ向かう途中の長いエスカレーターの側に
こんなでっかいポスターが貼られてた。

 

 


STONES BAR 6.19新発売って。サントリーから発売された
ストーンズのロゴが入った発泡酒と缶チューハイと、瓶入りの
エナジー・ドリンクの三種類かな。出るというのはちよっと前から
聞いていたけど、こうして現品が市場にリリースされたのを
見つけてしまうと買ってしまうよね。

そんなわけで僕もいちおう、そんなに熱心ではないにしろ、
酒は好きだし、ストーンズのファンなので買って飲んでみた。
うん、そうだね。こりゃあ、とってもごく普通の味だ。
ドリンクに関してのコメントは以上だ。

 

 

 

寒い冬に、銀色の列車の中で、悪魔と踊りながら
アンジーと、山羊の頭のスープにかぶりついて酒を呑むには
なかなかいいかも知れない。

 


PS:偶然の並びだけど、BEACH BOYS, PAUL McCARTNEY.
ROLLING STONESと大御所を三本も立て続けに書いてしまった・・・
いいのかな?触れてはいけないところから、入ってしまったような。
まあ、いいか。いま僕はストーンズのアルバム
「山羊の頭のスープ」を聴きながら書いています。

 

 


良いアルバムです。 19th JUNE 2012


WHEN I'M SIXTY FOUR

2013-03-25 13:35:16 | TOKYO SUSHI RADIO

CHANNEL 2. 「WHEN I'M SIXTY FOUR」 18th JUNE 2012

☆the BEATLESの名盤「Sgt.Peper's Lonely Hearts Club Band」
の中にWHEN I'M SIXTY-FOURという、ポール・マッカーットニーが書いた
とても良い曲が入っている。なぜ今頃、この曲について
書き出したかというと、どうやら今日は(2012年6月18日)
ポール・マッカートニーの70歳の誕生日らしい。

64歳どころか・・・ポールは70歳になったんだって?
そうか、なるほどそりゃあ僕だって充分に年老いてしまうはずだ。
なんたってポールは70歳なんだ。もちろん彼は僕の
大好きなアーチストさ。それは君たちも、きっとそうに
違いないんだろうけど・・・。いろんな有名なミュージシャンが
亡くなってしまったというBAD NEWSが毎日のように流れる中で、
ポールには本当にずっと頑張って生きていて欲しいなと思う。
だから、誕生日だと聞いただけで、なんだか嬉しくなってしまった。

出来れば、ミュージシャンPAUL McCARTNEYとして、
僕が死ぬまでは、現役で頑張っていて欲しい。いま僕は52歳で、
ポールが70歳だから、僕が64歳になったら、ポールは82歳か...
そうだな、僕がせめてSIXTY-FOURになるまで頑張ってください。

今は昔。1980年1月のこと。待望の初来日公演のチケットを
買って僕は大阪のフェスティバル・ホールで
PAUL McCARTNEY&WINGSを観るはずだった。
とても残念な事だったけれど、それは叶わぬ夢になってしまったが・・・。
ちなみに、その時僕が持っていたチケットは最前列のど真ん中の席だった。

この、まさかの公演中止の後10年という長い歳月が経って、
1990年の春に、ポールは東京ドームでその勇姿を見せた。
再び残念なことながら、僕はこの初来日公演を観ていない。
当時、僕は大阪に住んでおり、同じ年、ついちょっと前に東京ドームまで
ローリング・ストーンズの初来日公演を数回観に来たばかりで、
すっかりあり金を使い果たしてしまっていたんだ。
(でもストーンズのSTEEL WHEELS TOURは、本当に凄かったなぁ・・・)

そんなわけで、ポールのライブを僕は未だ一度も観た事がない。

 

WHO KNOWS HOW LONG I'VE LOVED YOU.
YOU KNOW I LOVE YOU STILL.
WILL I WAIT A LONELY LIFETIME.
IF YOU WANT ME TO I WILL.
(I WILL/song from the album:the BEATLES/1968)

いつか何処かでポールの歌をライブで聴けることを夢みながら
僕はターン・テーブルに針をおろす。
15歳の時の「あの頃の少年」と変わらぬ同じ気持ちでね。


PS:I LOVE YOU. HAPPY BIRTHDAY PAUL!
18th JUNE 2012


「終わりなき夏」

2013-03-25 13:25:45 | TOKYO SUSHI RADIO

CHANNEL 1.  「終わりなき夏」 14th JUNE 2012

☆BEACH BOYSが23年振りにニュー・アルバムをリリースしたって?
そんなニュースを今日、つけっ放しのFMラジオで聞いた。
全米ビルボード・アルバム・チャートでは初登場3位だそうだ。
23年振りっていうと、1989年以来のリリースという事になるが、
そんな、ずいぶん昔に彼らがアルバムをリリースしていた事さえ、
僕はすっかり忘れていたけれど・・・。

中学生の頃に(1975年くらいかな)初めてラジオでBEACH BOYSを聴いて、
僕はすっかり彼らのサウンドのファンになった。
その音は、まさしくFUN FUN FUNだったし、DON'T WARRY BABYって気持ちに
させてくれたし、SURFIN'USAに至っては、聴くたびに、
その歌のとおりイッサイ・ガッサイUSAって気分になれた。
GOOD VIBRATIONS.それは、まったくもって彼らの音楽のことだった。

それから、僕は高校生になって梅雨の終わりの季節に、
彼らのベスト・アルバム「終わりなき夏」(ENDLESS SUMMER)を買ったんだ。
そして長く退屈な夏休みに、彼らのレコードを繰り返し繰り返し聴きながら、
僕は未だ見ぬ遠いカリフォルニアの青い空を毎日夢みていた。

 

 

 

 

あれから、どれくらいの時が流れたのだろう・・・
BEACH BOYSというバンドにも、彼らをとりまくその時代背景も、
そして僕の、このささやかで小さな人生そのものにも、
幾つかのGOOD NEWSと、幾つかのBAD NEWSがそのドアを叩いた。

絶え間なく流れていく時の狭間で、いつしか僕は忙しさに紛れ、
彼らが奏でていた素敵なサウンドをすっかり忘れてしまっていた。
(もちろん、彼らが作り上げてきた偉大なる楽曲群は、
時代に忘れられた事など決してなかったけれど・・・)

☆昨年の夏、よく晴れた日の朝。鎌倉駅から江の島電鉄を乗り継いで、
湘南海岸へと訪ねた時、由比ヶ浜駅から鎌倉高校前駅までの
海岸沿いの国道で、マウンテン・バイクにサーフ・ボードを積み込んで
颯爽と風を切って走りぬけてゆく彼女(もしくは彼ら)たちを見た。

BEACH BOYSの歌に出てくる1963年のSURFER GIRLSたちは、
今も元気でいるのだろうか・・・波打ち際からボードを抱え、
海へ滑り込んでゆくサーファーたちを防波堤の上から眺めながら、
とりとめもなく、そんな事を考えていた。

BEACH BOYSは今年、バンド結成50周年だそうだ。50歳じゃないんだよ、
結成以来50年だよ(彼らの年齢はすでに皆70歳を超えている)
ENDLESS SUMMER...終わらない夏、そして終わらない夢ふたたび。

 

 

PS:2012年、梅雨の真っ只中に届いたBEACH BOYSからのGOOD NEWS。
「終わりなき夏」をずっと愛し続ける者たちの、夏は終わらない。
いや、夏はまだ始まっていない。この梅雨空の遥か向こうで、
心地よい南風が僕たちを待っているんだ。
14th JUNE 2012