SUSHI ROCKS

「真音通信」(まおんつうしん)
写真と音楽。猫や鳥や草花、
時に酒に纏わるよもやま話など・・・。

寝る、食べる、遊ぶ

2011-10-26 10:00:26 | 日記


☆村上春樹さんの作品で「うずまき猫のみつけかた」という
エッセイ集があるのですが、その単行本が数年前に
装填を新しくしてリ・イシューされて出ているのを先日本屋さんで見つけた。

「うずまき猫のみつけかた」は僕も1996年に出たオリジナルの単行本で
持っているのだけれど、新しく装填されて出たのは表紙がすごく可愛くて
思わず買ってしまった。エッセイ自体もところどころ加筆されているし、
エッセイに添えられていた写真も、新しいもので素敵なのが多い。

 

 

表紙の写真を観たたけで、買いたくなってしまいそうですね。

 

 

このエッセイの中に出てくる、雑誌「ニューヨーカー」の通販で買った猫の時計というのがあって、 
それが本当に可愛くて、なんだかとても羨ましくなるのです。

 

 

こんな時計です。寝る、食べる、遊ぶ、
そして寝る、食べる、寝る、 それから食べる、寝る、食べる、あげくは遊ぶ、遊ぶ、遊ぶです。

 

☆時計もだけれど、願わくばこんな人生を過ごしてみたいもんです。
毎日あくせくあくせくと、かったるい時間を過ごしている僕らの姿は
猫から見ればどのように映るのでしょうかね・・・・。

 

 

毎日2~3回、僕の家へえさを食べにくるノラ猫です。

食べたら寝て、寝て起きたらまた食べに来て、しばし姿が見えなくなったな・・・と思っても、
夕方になれば、またひょっこりと玄関のドアの前で待ってます。

 

☆寝る。食べる。遊ぶ。人間だって本来はそういうもんだったのでしょうけれど。


JANE BIRKIN

2011-10-24 16:17:30 | SUSHI ROCKS


☆およそ5年周期くらいで無性に聴きたくなる歌がある。
それがJANE BIRKINの歌。もちろん、セルジュ・ゲンズブールが
彼女のために書いた曲の数々・・・78曲あるんだっけな?

 

 

そんなわけで今日は朝から彼女のボックス・セットを取り出して聴いていた。

 

 

 

 

在りし日のゲンズブールとジェーン・バーキン

 

 

☆もちろん、僕はジェーン・バーキンの顔も好きだけど、
こんな女性から、もし「ジュテーム・・・」だなんてエロチックに囁かれても、 
MOI NON PLUS・・・「さあ・・・僕はどうかな?」 そう、とても無理でしょね。

 

☆彼女の声だけで、もういっぱいいっぱいなんだ・・・。

 

この4枚組ボックス・セットには、彼女とケンズブールの蜜月時代の楽曲が
ほとんど全部詰まってる。
DISC 1~4まで、どこを聴いても、とても美しくて、そしてとても哀しい。

☆毎日聴いていたい・・・そんな歌ではない。ただ時々思い出しては取り出して聴いてみる。

 

COUI (コワ) / jane birkin

♪喜び、悲しみは、愛が生むもの ね、もう心が張り裂けそうなんだから♪
(誰もがそうであろうけど、僕もこの曲が大好きだ)

 

PS: ジェーン・バーキンが11月25日に東京公演を国際フォーラムで一日だけ行う。
来月の自分への誕生日プレゼントに、チケットを買いに行こうっと。

余談ながら・・・

エルメスの「バーキン」は、エルメス社の社長が偶然飛行機でバーキンと隣り合わせた際、
バーキンが籐のカゴに無造作に物を詰め込んでいるのを見て、
何でも入れられるバッグをバーキンに贈ったものが最初である。


MUSIC CAFE

2011-10-23 13:42:30 | 日記


☆いつも歩いて中野ブロードウェイまで買物に出かけるのだけど、
その帰り道に、ずーっと気にはなっていたけど、
なんとなくスルーしていたカフェがある。
今日は、どういう風の吹きまわしだったか、その店に入ってみた。

中野ブロードウェイで買物をする時は大抵、CDだったり本だったり、
或いはカメラ用のSDカードなんかが多い。
だから家へ早く帰って音楽を聴いたり、
本を読んだりしたいという気持ちが強いので、
買物帰りにカフェへ立ち寄るというのはあまりしなかったな。

 

 

MUSIC CAFEと書かれてはいるものの、
クラシックなのか、JAZZなのかポップスなのか解らなかったのだ。

 

 

 

 

コーヒーのメニューがベートーベンだ。
ビールやウイスキーなんかもあるみたいです。

 

 

☆僕が店に入った時には、誰の演奏かは解らないけれど、
モーツァルトの「二台のピアノのためのソナタ」が、かかっていた。
天井にマウントされたスピーカーから小さな音で鳴っていたので、
これは昼の時間帯用のサブ・スピーカーなのかな。

 

☆店内のメインのスピーカーはJBLのSTUDIO MONITOR4344MKⅡだったかな・・・
写真は撮ってないので、これはちょっと記憶が曖昧です。アップライトのピアノもある。
そしてカウンター席の横にはDIATONEのDS77-HRZ(1989年頃?)が並んでいた。
これは僕の使っているDS-77EX(1985年製)の後発機だ。

ただ、これらのスピーカーを鳴らすとすれば、店内のサイズは少々合わないな。
カウンターが五席、二人がけのテーブル席が四つの割とこじんまりした店だから。

 

☆静かな店内でコーヒーを飲んで暫しまったりと。
たまにはこういうブレイクも良いものです。
そして、僕は家に戻り、これを書きながらさっき買ってきた
オリビア・ニュートン・ジョンなんかを聴いています。

70年代初期の、まだカントリー色が残っていた時代の彼女の歌が僕はとても好きです。

☆実は何を隠そう・・・(って、別に何も隠す必要はないのだけど)
高校一年の時、彼女の初来日公演を実は観にいったのですね。
秋の日の日曜日の昼下がりに、ほっと一息・・・そんな感じです。
HAVE YOU NEVER BEEN MELLOW
そうです。この際、そよ風にでも誘惑されてみたいもんです。


レコードを聴く

2011-10-22 12:54:36 | 日記


☆秋も少しづつ深まり、暑くもなく、さして寒くもないこの季節。
音楽を聴くのにちょうどいい。
僕のステレオを置いてある部屋は
(一応、自分ではオーディオ・ルームと呼んでいる・・・笑)
夏はとても暑く、冬はとても寒い。あまりオーディオ・ルームには
どちらかと言うと向いていない部屋なんだな・・・

そんなわけで、そういう季節には主に
寝室の小さなコンポーネントで音楽を聴いている。
もしくはPCの棚の上に置いたミニ・コンポで作業をしながら・・・とか。


長かった夏が終わり、秋になって冷房も暖房も要らない季節には
レコードを聴こうという気にがぜんなってきます。

 

 

レコードなら、最近は1950後半~60年代中頃までのブルー・ノートのMODERN JAZZがメイン。

 

 

 

 

今頃の季節から冬にかけては、クラシック、特にバロック音楽の室内楽が心地良いですね。
ヴィバルディやヘンデルなんかのバイオリンやビオラがメインのもの。

 

 

 

 

夏の暑い季節はもう、部屋へ入るのも面倒なのでFMラジオをかけっぱなしで・・・

 

 

 

 

こいつを真剣に鳴らすと、確実に近隣住民から苦情が来るのです・・・。

 

 

 

 

今年二月の終わりに、
とある場所で知り合ったオジサンから譲り受けた70年代のセパレート・ステレオ。
このステレオの存在によって、断然部屋が狭くなってしまったが、
とても気に入ってる。ラジオをつけると、とても暖かい音が鳴ります。

 

☆音楽を聴いたり、本を読んだりのんびりと芸術に耽る秋。
毎日が慌しく過ぎてゆく日々の中で、時にはほんの少し仕事のことなども忘れて。


1964年のケネディ・コイン

2011-10-18 11:53:14 | SUSHI ROCKS


☆1964年のケネディ・コイン


☆数日前可憐とで。

とある女の子と話をしてて、ふと何かのきっかけで、彼女が1ドル・コインを取り出した。
   そういうのは珍しいのかな・・・僕もあまり見た事はなかったけれど
そんな話をしていて、そういえば僕も昔50セントのケネディ・コインを
いくつか集めて持っていた事を思い出した。

あのコインは一体何処へやったのだろう・・・?
他の人にとっては全く興味のない事かも知れないけれど、
ほんのささやかな自分だけが、何となく少し
ハッピーな気分になれるアイテム。そういうのってありませんか?
多分、大阪の実家の何処かに紛れていると思うのだけれど、
ひょっとしたら何かの出来事があって、とっくの昔に捨てて
しまったのかも知れない。
いずれにせよ、すっかり忘れてたな・・・20年以上も前の事だ。


☆そんな出来事があって先日中野ブロードウェイへ出かけた時に
偶然「古銭店」で見つけたので買ってきた。








1964年製のHALF DOLLARのケネディ・コイン



☆ケネディ大統領は1963年に例の暗殺事件で亡くなった。
そして翌年の1964年にこのケネディ・コインが造られた。
1964年製のコインだけが銀90%で出来ている。
1965~1970製のコインは銀40%とニッケル、
1971~1974製のものはニッケルだけで造られている。
1975~1976製のものは建国二百周年を記念したもので
銀40%とニッケル、それとニッケルだけのものの二種類が造られている。
1977年以降のものはニッケルのみ。
そしてこのケネディ・コインは1999年まで製造された。


☆ほらね、あんまり興味ない事でしょ?


僕はまたいつの日か、このコインを
きっと失くしてしまうかも知れない。
「欲しいものはなかなか手に入らないんじゃなくて、
手に入らないものが欲しいんだ・・・きっとね」

 

 



こちらは裏面。アメリカを象徴するワシが描かれている。



☆ところで・・・
HEADPHONE FESTIVAL 2011のチラシですこれは。





こんなイベントがあるのですね。ねっ!でも興味ないでしょ?


☆いま僕が欲しいモノはULTRASONEのヘッドフォン。
36000~40000円くらいする。随分とお値段高いですね・・・。
まあ、女の子たちが欲しがるバッグなんかと比べると
少しは安いかも知れない・・・(笑)
僕はそういうのはあまりよく解らないんだけれど。


☆ヘッドフォンにとても興味があって、
ケネディ・コインを集めてる・・・そんな女の子がいれば、
きっと僕は恋に落ちてしまうかも知れないな。
いつか遠い未来に幸運にも、そんな女の子がひっとして奇跡的に 現れる頃には、
多分また僕のほうが そういうモノにはすっかり興味がなくなってしまってるんだろうな、きっと。


10月も後半・・・心地よい秋の日の
束の間のインディアン・サマー(小春日和)
美味しいお茶でも入れて、心地良い音楽なんか聴きましょうね。


☆今日の僕はポール・マッカートニーの70年代の一連のアルバムを
朝からずーっと聴いてます。「あの娘におせっかい」なんてね、
まあ、おせっかいする人もいないけれどね・・・。


ZED

2011-10-13 09:22:37 | 日記


☆昨日ディズニー・シー横にある
シルク・ドゥ・ソレイユ・シアター東京までZEDを観に行ってきた。
前回観に行った時のチケットを調べてみると
2008年10月6日の日付になっているので、ほぼ3年ぶりという事になる。

 

何度訪れてみてもシアター東京は、ロケーションといい、
建物の造りといい、実に素晴らしい。

 

 

 

 

いよいよ今年12月31日がショウのファイナル。

 

☆ショウの内容はここで紹介するまでもないけれど、
昨日観て思ったのは「ここに出演しているアーチストたちには重力ってものがない?」

パーフェクトな技術とパーフェクトな演出、そしてそれを支えるシアターの
唯一無比な設計構造。ショウを200%楽しめるための、
すべてのアイデアとスキルがここに終結している。


☆まだ一度も観ていない人は、是非ともご覧あれ。これを見逃す手はない。

 

 

 

「太陽と月」  8:37PM 終演後のシアター東京。

 

 

 

 

こんな素晴らしいショウが日本で観れるというのが素晴らしい。


久しぶりの石神井公園

2011-10-05 11:31:55 | 日記


☆2011年10月3日、石神井公園へ。
前回、ここを訪れたのは7月3日だから、ちょうど三ヶ月ぶりに来たというわけ。

 

 

 

彼岸花が綺麗に咲いて、すっかり秋の景観になってる。

 

 

 

 

 

平日昼間の公園はひと気も少なく、池を泳ぐボートもほとんど繋がれたまま。

 

 

 

 

永い時を歩んで往く。

 

 

 

 

 

SUPERBABYってT-シャツが可愛いですね。
この子は男の子なんです。二歳と少し。お母さんの許可を頂いてポチッっと一枚。
ちょっと緊張気味ですね・・・。

 

 

 

 

この子は三歳だって。もう一人のお母さんにそっくりなんです。

 

 

☆久しぶりにあてもなく公園を歩き廻って、ゆっくりと流れていく時間を楽しんだ。
毎日毎日時間に追われ、仕事に追われ・・・僕たちはあまりにも急ぎ過ぎてる。
時々は、こんなふうに無邪気に遊んでみたいものだな。

 

 

ザリガニか・・・

 

 

 

 

懐かしい光景だな・・・

 

 

 

 

 

カメラ目線をありがとう。

 

 

 

 

 

ほい~また明日~。


江の島ふたたび

2011-10-03 10:15:47 | 旅行


☆9月初めに訪れた江の島がとても素敵だったので、
前回全部廻りきれなかった場所を、夏の名残があるうちにもう一度・・・と、
そんなふうに思いたって9月最後の日の朝早くから湘南の海へ。

過ぎてゆく季節にさよならが言えなくて・・・

そんなわけで今日は「江の島ふたたび」 ご一緒にいかが。

 

 

サーフ・ボードを積んだ自転車で海へ向かうサーファーのお姉さん。
わくわくしてくる、この橋を渡るともうすぐ海だ。

 

 

 

 

海まで辿り着くと、ここではまるで終わりがないかのように、
全部が夏の光景だ。でも防波堤の傍らでは、おびただしい数の
アキアカネが飛んでいて、夏の終わりの海と秋の始まりの空が交差している。


 

 

 

 

 

 

 

 

空に向けて指で弧をたかく描く。そうして指を真上に差し出す。
しばらくするとトンボがピタリと止まる。
いつもその瞬間には、ドキドキするんだ。

 

 

 

 

とても素敵な後姿だ。傍らにはススキもちらほらと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高いところは苦手なんだけど、意を決して今回はこの展望台にも昇ったよ。
(入園料200円展望台300円です)

 

 

 

 

 

年配の方二人。 
展望台からは湘南の海が360度見渡せる。とても良い眺めです。

 

 

 

 

エレベーターで昇り降りするんだけど、降りは螺旋階段もあって
ぐるぐると廻りながら降りていくのも楽しいです。

 

 

 

 

 お母さんと息子さんの二人。 

 

 

 

 

歩き疲れたのでカフェで少し休憩。 通りすがりの二人。

 

 

 

 

一人。 26倍ズーム。  近くに見えるけれど、僕らはとても離れている。
見知らぬ通りすがりの人だけど、何かしら彼女には人を惹きつけるオーラがあった。

 

 ☆やがて終わりゆく季節と、ゆるやかに訪れる新しい季節、
僕らは、そんな季節が交差している場所で、流れてゆく風の中に佇むパッセンジャー。
一瞬の煌きとすれ違う。 僕を呼ぶ声が聞こえた気がして振り返る・・・
でも、あとには何もない。

 

あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
僕たちはそんな風にして生きている。
(村上春樹/風の歌を聴け)

 

 

さよなら2011僕の夏。また逢える日まで。


黄昏の横浜

2011-10-03 09:40:17 | 旅行


☆最近、僕はどうやら横浜ベイ・スターズのファンになったようだ。
9月初めに横浜スタジアムで野球を観たのだけれど、
それ以来、このスタジアムをすっかり気に入ってしまった。
たぶん甲子園球場が近くにあれば、しょっちゅう行くだろうな・・・
それと同じ理由です。横浜スタジアムは吹いてくる海風がとても心地よい。


☆横浜の関内駅までは家から電車で一時間と少し。
決して近い場所というわけではないけれど、9月だけで4試合も観たよ。
でも、未だベイ・スターズが勝ったのを観ていない・・・。
(ご存知かと思いますが、ベイ・スターズは今年ダントツの最下位なのです)

 

☆デイ・ゲームが終わったら横浜の街を歩き廻って夕暮れを写真に撮る。
ナイター・ゲームの日なら昼間に歩き廻る。
野球と散歩の両方をたっぷり堪能出来るというわけです。

 

 

山下公園にて。
何気ない光景ではあるけれど、港で観るととても素敵に思える。

 

 

 

 

港の見える丘公園。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バラ園で佇む猫さん発見。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

港の見える丘から外人墓地の横を通りぬけて、
ゆるやかに曲がった坂道をゆっくりと下っていくとバス通りへ出る。


☆港の見える丘からスタジアムの前を通り抜けて中華街へ。
ここは美味しそうな店がたくさん立ち並んでるけれど、
一人で中華料理ってのは、どうもたくさん食べれない・・・
散歩は一人で。食事は皆でわいわいやるのが良いですね。

 

 

☆一人散歩で寂しくなった時には、
ほらっ。こんなふうにほんの少し後ろからパシャっとシャッターを押すと・・・

影だけ見ると並んで歩いているカップルのように見える・・・不思議だ。


神代植物公園

2011-10-03 09:03:10 | 日記


☆9月22日、大きな台風が通過した翌日の朝早くに目を覚まして
部屋のカーテンを開けて見ると、真っ青な空が。
この空を観た瞬間に出かけようと決心。
すぐに顔を洗って、服を着替えカメラをバッグに放り込んで家を出た。

駅へと向かう途中で「さて、何処へ行くか?」と考えて、
とりあえず最初にホームへ来た電車の向かう方向へ行こうと・・・。


☆東中野駅の一番線ホームに入って来た電車は各駅停車の高尾行き。
その電車に乗り込んで、まず中野駅を超え高円寺駅を越えたあたりで、
「神代植物公園」へ行く事に決めた。
吉祥寺駅で降りて、そこから「深大寺」行きのバスに乗って神代植物公園へ。

 

 

 

久しぶりに訪れた植物公園のバラ園。

 

 

☆広大な植物園の中を歩き廻って木陰のベンチで一休み。
蝉の鳴き声と鈴虫の泣き声・・・僕の足元の落ち葉をぬうようにして、
コオロギが歩いている。平日の午前中、まだひと気の少ない
広大な植物園の中で、夏の終わりと秋の始まりが密やかに交差してゆく。


 

 

今日の目的は芝生。

 

☆暖かくてやわらかい芝生の上に僕は一人で寝転がって、
ずーっと青い空と流れてゆく白い雲をぼんやりと眺めてた。
ゆっくりと流れてゆく雲は時々クジラになったり、
時々象を呑み込んだうわばみのようになったり、
焼きたてのベーグルになったり、居眠りをしている猫になったり・・・。
そして時々遥か遠くをジェット機が静かに空を横切っていく。

この場所では雲も時間も人も、なにもかもがゆっくりと通り過ぎてゆく。
そうして、ここは植物園ではなくて「ここは遥か無限の宇宙の中なんだ」
そう気づく。そうこれは本当のことだ。


☆ぼんやり芝生に寝転がっていた僕の傍らを何かが横切って堕ちた。
拾い上げてみると、それはアブラゼミだった。

 

 

☆指に乗せたアブラゼミは、最初足を動かしたり時々羽根を拡げようと
もがいたりしてしたけれど、やがて僕の指の上で動かなくなってしまった。
僕はセミをそっと芝生の脇の花壇の植え込みの花の上にのせて
暫く眺めていたが、セミがふたたび動くことはなかった。

☆およそ6年という昆虫にしてはずいぶん長い一生を、
彼(あるいは彼女?)は今日、僕の指の上で終えたのだ・・・。
(アブラセミの成虫は地上に出て一ヶ月くらい生きるんだそうな)

そして300日ほど経った来年の梅雨時に、
彼の子孫が枯れ木の中から孵化して、幼虫は土に潜り5年ほど経つと、
再び地上に出てきて、脱皮して成虫になり短い夏のあいだ中を
メスを産卵させるために鳴き通すんだ。

 

緑が眩しいくらいに輝いてる。

 

 

 

 

夏の終わりと秋の始まりが交差しながら通り過ぎてゆく。



☆午前中を神代植物園で過ごして、午後は久しぶりに「深大寺」へ。
次に此処を訪ねるのは紅葉の時かな・・・。

平日午後の深大寺もひと気も少なく静かな佇まい。
夏がついに終わり、次の季節。
ひとつまたひとつ・・・と季節をやり過ごし、重ねてゆく歳月。