ミッションオイルの漏れは、
一番空冷のワーゲンで多い部分では圧倒的に
【ドライブシャフトブーツ】です。
イマドキの仕組みの自動車は、ドライブシャフトブーツが
破けたり破損したりしても、ミッションオイルが漏れることは
ありませんが、ミッションオイルをハブベアリングの潤滑にも
使っている空冷のワーゲンだからです
そして今の自動車の殆どの仕組みで
CVジョイントなどはグリスが多少出てしまう程度で
漏れ、ということはないです
どちらかと言えば内部に異物が混入しないように
するためのブーツなので、同じものと言えるものの
やや、意味合いが異なるかもしれません
シャフトホーシングにブーツの備わった
空冷のワーゲンのような車種はミッションの内部と
直通してるので、ミッションオイルが出てしまいます。
ハブ側(タイヤ側)にミッションオイルを潤滑させたいので
破れれば、ジョイントしている部分のブーツが破れれば
当然漏れます
現行の自動車のような場合は、ミッションは基本密閉?
されてるような状態なのでブーツが云々で
ミッションオイルが漏れることはありません、
ハブのベアリングなどには【グリス】を使っているので
ミッションオイルをミッション本体以外で使うことがありません
まあ、
そういうことで
「ミッションオイルが漏れているので、ネットで見ると
ドライブシャフトブーツの破損が多いみたいなんで交換を
頼めないか?」
というご相談です。
ただし、今回は
【ブーツ交換はしない】という修理になります。
と、いうのも相談されたユーザーさんのビートルは
「1302]なので、IRSというタイプです
ブーツ交換してミッションオイル云々は関係ないのです
このタイプが外国車では非常に早く採用されていますが
これがCVジョイントになっている現行の自動車で
使われている方式です
なので、ハブベアリングにミッションオイルを使う方式
ではないので、「ミッションオイルが漏れている」のであれば
別の部分です。
CVジョイントはミッションオイルはミッション本体で
完結しますので、漏れてるならミッション本体の部分からで
赤い矢印の部分から漏れます。
もちろん漏れる箇所は他にもありますが
「漏れている」とハッキリユーザーが気が付くほど漏れてるならば
回転する部分のオイルシールなので【ここしかない】です
そして、ブーツは画像のようなタイプを使っています
この方式の場合、このブーツが切れてもミッションオイルは
漏れません。中身はCVジョイントと言うベアリングなので
CVジョイントグリスが入っています。
ま、破けたら交換しないとダストブーツなんでベアリング
が破損して交換!
なんてことになるので、当然交換が必要です。
何も漏れないので、放置する人もいますが。。。
まあ、
ご相談受けたユーザーさんのは
ネット情報で得た
「ワーゲンのミッションオイル漏れはシャフトブーツ」というのは
あてはまりません
ビートルの
★1302・1302s
★1303・1303s
★スポルトマチック(68年から)
タイプ2の
★レイトモデル
タイプ3の
★オートマチック(68年から)
★マニアルの69年以降
※(販売国でやや違い)
が、IRSなのでCVジョイントを使っています
ミッションオイルが漏れてるなら
ハブシールの交換が必要で、ドライブシャフトの
取り外しと、
あの狭い位置で、シール交換をする必要があります(笑
回っているシール箇所が、良くなることも現状維持という
こともなく、確実に乗れば乗るほどに傷んでいくので
ユーザーさんが「あれ?漏れている?」
と気が付く状態は、もう確実に交換しないとダメなところまで
来ているので【ケチらないで修理に出しましょう】
IRSのワーゲンが、けっこうギア抜けや
異音などの症状が多いのは
オイル切れが原因と思われる
ことが多いですよ。
これは個人的な意見ですが
タイプ2とタイプ3は、車体にエンジンミッションを固定する
方式がビートルのようにシャーシにしっかり固定されている
のとは違い、
シャーシに固定されているのは
ミッションの先端だけで、他の部分はボディーからブラ下げた
ような状態で載せれられています
なので駆動が伝達された際の横ぶれが多く、
しなやかな駆動伝達時の静寂性を得たものの
おそらくそれが原因でギア抜けなどの症状が
出やすいんじゃないかな?と思っています。
タイプ3は上級モデルなので、乗り心地や静寂性が
売りですし、
タイプ2はマイクロバスのモデルがやはり
乗り心地や静寂性が求められて設計されていますので
そういう仕組みなんでしょう。
なので、エンジンを降ろすのもビートル以外の
IRSモデルはミッションとエンジンを一緒に降ろします
エンジン単体で降ろさないんですよ
まあ、生産性も考慮したスタイルなんだと思いますが。
ビートルのIRSはミッションがシャーシに固定されています。
なので、エンジンマウントは間に挟んでいますが
クラッチを繋いだ際に、固いシャーシ固定された
ミッションエンジンの振動や伝達時の
動きがダイレクトにシャーシに伝わります
ただ、シフトの動きなどは振れが少ないのでしっかりするんだと
思います。タイプ2やタイプ3はボディーからブラさがっている都合
振れが多いのでシフトロッドとの位置関係が曖昧に
成り易くて、その曖昧さのおかげでギアなどに負担が掛かる時が
あって、ミッション内部の破損などが多いのかな?と。
ビートル以外のIRS車は。
IRSは生産性能、走行性能をアップさせたミッションなんですが
単純に考えられたそれまでのモデルに比べて
「おなじ」に考えると痛い目に遭います(笑
ユーザーさんが気が付けるほど
漏れてるなら早急な対応をお薦めしますよ。
ビートル以外のIRSのワーゲンは
画像のように、ビートルにはあるシャーシの部分がありません
オレンジのフレームが無く
ボディーからぶら下げているんですよね。
この方式の他の自動車を店長は見たこと無いので
ぶら下げる常識はイマイチだったのかもしれません。
製造時の組み立ては非常に楽なはずですが。
まあ、「あんまり良くなかったのかな?」
と思われる方式の時代の個体は
そこを良く考えて維持したり、
整備する人もそういう部分を良く考えると
良いと思いますが
まあ、考える時間がないので
そこまでは普通考えないでしょうね。
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IRSのドライブシャフト
手で持ってるのがリプロ品のIRS用ブーツで
金具があるのが特徴で、
【ほかのもの】は付きません。専用品だけなので
頼れるのは、リプロ品や
当時のデッドストック純正品で交換をしますが
基本、純正品は無いので
リプロに頼りますが
これがね。。。。。。。(笑
なので
うちでは、破けた場合はとりあえずリプロ品に交換したうえで
その上から、さらに別のブーツで二重ブーツにしています(笑
オイル交換するくらいに軽々ロクに手も汚さずに
30分も掛からず終わるなら良いんですよ
でも、このブーツそこそこベアリング外したり時間が掛かります
なので
整備の嫌いな店長は
「出来れば二度と触らないで済むように」しています(笑
ホーシングの中にドライブシャフトがあって
ミッションオイルがブーツ破れでおきるほうの
ミッションは
なんとなく、たえず湿っています(笑
交換対応品が、【分割式ブーツ】なので
どうしても漏れやすいです。
なので、【滲んでいる】のはある意味
まあ、仕方ないかな?と思います。
でも、嫌なんで
非分割式のブーツに交換してうちでは販売しています。
まあ、
「滲んでるのが嫌なら旧車に乗るな」
とは思いますが(笑
まあ、少し気を使って雰囲気を壊さない
別の部品を利用するのであれば
見えないところならアップグレードするのであれば
店長はやるほうです。
エンジンのオイルシールとかも
日本製探したり
ただし、
「こわれなくなる」
ということはあり得ません。
長いこと自動車の趣味を自身の手を汚して
してきた人は
基本、
【壊れたり、愚図るのがまた可愛いし、愛着がわく】
という変態な自動車趣味です
(店長は違う)
直して良くなることが楽しいわけです
まあ【そこ↑】が基本です。
壊れなくするのは不可能です。
そして、通勤や日常生活で今の自動車と
まったく同じように扱えるか?もしくは
そのために、色々考えて作業をしているのでは
実際ありません。我々、趣味車のお店は
今朝も、お客さんから連絡がありました
付き合いの長いお客さんです。
「エンジンが掛からなくて
家族に会社に送ってもらった」
との連絡がありました。
「あ~そうなんだ」(笑
だって、
そういう車だもの。
間違いなく
遅かれ、早かれ、かならず不具合はおきます。
起きてない人の方が実際多いですが、
でも、
起きないことの方が【まぐれ】だと思いましょう
自動車は人を運ぶ道具です
朝は会社の通勤に使いたいです
夕方は自宅に帰りたいです
休みの日は温泉に行くのに使いたいです
知人の結婚式にも行きたいです
お葬式にも車で行きたいです
そう考えたら、やっぱり
いわゆる【普通の一般的な自動車】でしょ??
壊れる可能性がある古いクルマは不安でしょ?
だって、みなさんは新車で買った国産車を10万キロまで
乗りましたか???
そこまで乗らず買い換えていませんか??
不安だからでしょう???
そして
こういう作業は
「修理」
というよりも、修復であって
それが新車には戻りません。
耐久性もありません。
先日、寄って頂いたお客さんが
「こちらで買えば壊れない日常使える
ビートルが買えると思って!」
と、相談されたので
「じゃあ、他で買ってください。
うちは、乗らない人に売りたいので」
と言いました(笑
おそらく、売ったあと
うちが大変なことになるので
考え方が変わったらまた遊びによって頂くように
お話しました(笑
クラシックカーって、
新車から持ってる人は殆どいません
新車から持ってる人はずっと乗ってるので
ちょっと別の話として、
クラシックカーとなってから買ってる人は
考えて欲しいのは、
仕上げた個体が100であれば
その100を下げない維持をするのがクラシックカーです
そして、所有しながら100いや、110、120に
する所有もあるでしょう。
それがクラシックカーの所有です。
ドンドン乗りまくって、大して維持もしないで
80,、70,、と下げながら所有するのは
現行のいわゆる【一般的な車】ですよね??
最終的に10年で10万キロ、途中で傷もついたし
塗装も悪くなったし、
それで【廃車】使い捨てる訳です。
でも
クラシックカーって、そういう下げない使い方を
するからこそ趣味なんです。
で、出来たら上げる所有なんですよ
横ばいか、上げる。
そして
今現在、部品が純正品では揃わないですよね?
であれば、その純正品を高額でも手に入れる楽しみや
努力だったり、
違うもので対応して、アップグレードを楽しむのも
クラシックカーなんですよね。
けっして
「こわれないために」
という作業でも無いわけです、
考えでも無いわけです
でも、毎日乗ってても
乗り手の維持の仕方次第で、殆ど下げずに
維持することも可能ですが
しあげてから、何年経過しても
いつもても、毎日乗ってるのに
ピカピカの人は稀なんですよ。
これ、仕上げが良いんじゃないんですよ
オーナーの維持に掛ける時間なんだと思います。
もちろん、メカニカルな点は
我々に頼んで頂ければと思いますが
日常のワックスやらは、うちでは無理ですからね。
まあ、
色々アップグレードらしきことをするのが
好きな店長で、
出来たら壊れないように考えていますが
根本には、
「そういう部分はある程度楽しんでいる」
という気持ちの余裕だと思います
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2019年式の
アバルト595
走行が4000キロ未満の
ATモデルを手放す予定のお客さんが居ます
殆ど新車です
200万円前後で、一般的な販売価格よりは
お安くお買い求めできます(笑
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