空冷のワーゲンのバッテリーは
大容量です
日本製の小型車が軽自動車と殆ど共通サイズであることと
比べたら、電気製品の殆ど無い空冷ワーゲンにむしろ
容量が大きすぎないか?と思うくらいです
軽自動車の倍くらいありますからね
大きいのには圧縮の高いエンジンを掛けるために
セルモーターで使う電力が多く必要だからです
必要だから大容量なんです
ケチって日本車の付けてる人が居ますが
そういうケチっぷりはすごく嫌です
なので
弱くなると、ひとたまりもなくセルは回せなくなります
そして、ケーブルジャンプするにも、軽自動車とでは
無理なことも多く、ジャンプするなら
大きなバッテリーが備わった自動車か、JAFでしょうか。
お客さんが
バッテリーが弱く、充電しながら乗ってるということですが
自動車はエンジンが掛かれば、発電機(オルタ・ジェネ)が
充電を絶えずしています。消費しながも充電している状態です
そして電気製品の少ない空冷のワーゲンであれば
朝、毎回上がってるなんて考えにくいです
ただし、その【発電機】が壊れていたらもちろん充電ができないので
バッテリーは消費する一方です
とりあえず点検していきます
エンジンは掛かった状態なので、
そのままとりあえず発電量を計ります
14,5ボルト
取り扱いが日本の電装メーカーなだけで、基本ノーブランドの
オルタネーターですが、ボッシュ製よりも発電量も多く
個人的には良い製品かな?と思っています。
やっぱり4年近く過ぎてもその性能は落ちていません
そして、オーナーはデイリードライバーなので
その耐久性は実証できていますね
そして
バッテリー側です。
ここも配線・ケーブル全て新品で引き替えをしていますので
抵抗があって、きちんと電圧が送られないとは
考えにくいですが、一応点検計測します
14.5ボルト
全くと言うほどに、バッテリー迄の電圧に変化はありません
きちんと【的を得た】交換をしたおかげと自負しています(笑
ケーブルって悪くなると抵抗が出てしまい、
送り先に届く前に、減圧されてしまいます
なので、ある程度の年式なら発電機交換が出たなら
ケーブル交換は必要かと思います
オルタネーター⇔バッテリー間で
電圧がほぼ一致しているのでその成果は計測でハッキリ判ります
そして、
念のため、店長が作業していないオーナーが足した
配線も疑っておきます。放電しているなどのことも
考えられるので
で、
問題は、バッテリー上がりのはずですが
上がる理由は無いわけです
車検時にも計測していましたので
絶対にバッテリー上がりは無い
ことは推測できていました。
計測してやっぱりそうであることが判りました
まあ、症状はゆっくりしかセルモーターが回らないので
バッテリー上がりと症状が一緒なので
「バッテリーが上がってる」
と思うのは当然かもしれません
もう
こうなると、セルモーターの不具合しか考えにくいです
まったく回らないなら、
配線の抜けや断線が考えられますが、
ゆっくりは回ります
回るなら、ソレノイド不良とも考えにくいです
とりあえず
取りはずして本体の点検をします
しかし、4年くらい前に新品交換をしています
あきらかに、綺麗ですよね(笑
固定はエンジン側から1個
セル側に1個ナットがあるので外して引き抜きます
ドライブシャフトもドライでオイルでベトベトも無いし
ミッションからのオイル漏れも無いし
昔の【車検】で塗ってしまったシャシーブラックなども
塗っていないので、非常に明るいミッションとボディー裏の部分です
これだけ明るいと交換も楽ちんです
配線も、セル以外の配線は
専用のチューブを作ってボディー裏に通しているので
何かの交換をする際に、腕などが触れてしまい断線させたり
抜いてしまったりという二次被害はあり得ません
セルにはバッテリー直の太い赤線と、イグニッションスイッチから
伸びている黒い線の2本です
2本とも新品で引き替えているので、リレーなども取り付けはしていません
元々の設計部分がまともになってれば、間にリレーをかませる必要はないです
で、取り外しました
取りはずした
4年も動いてくれた当時新品のボッシュ製(純正指定メーカー)
と
うちが最近使っているノーブランド製品(ちょいハイトルク仕様)
ボッシュ製は4年しか(も?)使っていないので
ピカピカです(爆
ボッシュなので製造国はブラジルです(涙
イマドキ、ジャーマンボッシュなんて無いのですよ(笑
まあ、デイリードライバーなので【4年】でしたが
月に数回のオーナーなら10年も、20年も使えたかも
しれません。
イマドキのワーゲン部品のクヲリティーはそれくらいです
ジャーマンメーカーでも、ブラジルやマレーシア、韓国生産
ですからね。
日本生産品なら、
もしくは日本メーカー監修のアジア製造なら
もっとクヲリティーは良いはずです
まあ
あるだけ良いんじゃないでしょうか。
高いボッシュを使って4年で壊れて
げんなりなのは、取り付けた店長の方です(笑
motorのカバーも純正の頃とは違い薄型で材質が柔らかく
ハンマーで叩くなと警告されています
セルモーターは回らない場合はハンマーで叩きますからね(笑
取り付けて完了です
しかし、
ただ「回らなくなった」で交換するだけなのは
一般の整備業者さんです
我々は、古い車を扱ってるので
「本当に製品だけの不具合だったのか?」
ということを調べます
何故かと言えば、その部品が壊れた理由が製品そのものじゃない
場合もあるからです。
電圧が高すぎて壊れたとか、
それなら、セルモーター交換してもまた壊れますから
何回も繰り返すことになります
なんか、軸がガタガタです
念のためバラしてみます
中には破片や削りカス
あ~そういうことか。。。
すき間が多く、
「何があったのかな?」という発見です
良く見たら、軸に対してのベアリングが焼き付いて
シャフトに固着しています
固着したので回らないはずですが、そのまわりの「アルミ製のカラー」
を削りながら回ったようです
そのためカラーは削れながら割れてモーター内に
散らばったようです
そして、ベアリングは焼き付いているし、
カラーも外れちゃったしで、結果うまく回転が
出来なくなり、重たい動きになったわけですね
おそらく
この場合、ベアリングの焼き付きが原因なので
【製品不良】ですから、車体に問題があったわけじゃないようです
安心しました
製品の不良まではうちの範囲じゃないですからね
まあ、【外国製】部品なので、まあ仕方ないでしかないです
時々、
「そんなに持たないの?ワーゲンの部品?」
とか言われるのですが、
まあ、ジャーマンクヲリティーは実際ないわけです
ボッシュですが【ブラジル】と書いてありますしね
今のワーゲンの部品は
Taiwan製China製ブラジル製メキシコ製が多く
ジャーマンも、社外品です
生粋のVW純正ジャーマン部品は無いのです。
オルタネーター、セルモーター(スターターモーター)
が【DENSO】で作ってたら、何も心配はないでしょう(笑
まあ、でも、
今回の修理はノーブランドで対応しましたが
その【ノーブランド】があるんだから良いんじゃない?
という感じです(笑
皆さん、なにか勘違いしているんですが
「部品があるからミニやワーゲンは安心」というのは
そういう状況が判っているマニアだけです。
判りますか??
店長はノーブランドでもあるだけ非常に安心です
何故かと言えば、需要の少ない国産旧車は
部品が何もない
のですよ。
まったくない車種が日本車の場合多く、
ここ5~6年で80年代の国産車ブームがありますが
初代のソアラやセリカXXなんか部品が何も無いです
社外もあるわけないですよね
現存が少ないんですから、作っても売れないなら部品メーカーも
儲からないので作りませんからね
ワーゲンもミニも現存が世界的にも多いので
アフターマーケット部品が出回りますが
そのほかの車種は無い事の方が多く、ビートルとミニに関しては
困ることのないくらいの部品点数です
これをただ「安心」
と取るのが違うのです
全くない車種と比べて安心なだけで
皆さん、ディーラーに修理を出して交換されて帰ってくるくらい
同じに考えていることが多いですが
【部品があるだけ】で
内容が大きく異なりますよね?
修理に出されて
「これでもう大丈夫ですよね?」
とか言われることがあるんですが、
部品の不具合で翌日
また、壊れることもある訳ですよ
その部品がきちんと取り付けられていても。
父は60年代の6Vタイプ3から始まって
結果的には70年のタイプ3を長く所有しました
YANASEで80年代の頭の頃に
「もう、部品も無くなるしパサートやメルセデスに
乗り換えませんか?」と
かなりしつこく言われたそうです
まあ、ディーラーさんは修理はおまけですから買って
欲しいのです
タイプ3やカルマンギアはヤナセで買ってましたが、
結果長く乗ってるのでそういう客は邪魔なのです(爆
ウェストファリア―はホワイトハウスで買った新車並行車ですし。
ま、たぶん同じような感じで乗り換えたオーナーが多かったはずです
部品がディーラーで揃わないなら、乗り続けられませんからね
結果的には、ヤナセの販売協力店(元YANASE勤務)を紹介してもらって
乗り続けましたが、
それはやっぱりタイプ3が好きだったからですよね
実際、仕方なくこの後には当時YANASEで輸入の無かった
パサートヴァリアント(Toyファクトリー輸入)の並行物を普段に乗っていました
タイプ3は月に数回乗る程度で。大事だし、父もその整備の人も
社外の部品は嫌がったので維持するために、足には使わなくなった
わけですよね
まあ、一般的にはディーラーで純正部品が揃うからこそ
安心して乗れるわけで、
うちの父も、たまたまある程度小回りが利かせられる
YANASE販売協力店を紹介して貰って、
そこのご主人が父のためにタイプ3の新品部品をYANASEから
何年分も確保してくれて、結局一回も
社外を使わずに乗れたわけですが、
こういうケースは稀なんですよね
だから、みんな本当の「安心」が無い状態で
古いワーゲンに乗る訳です
★VW指定純正メーカーのボッシュ製でも、ブラジル生産
★まったく生産国もメーカーも打刻が無い日本代理店が販売してる
ノーブランド(ただし1万円以上安い)
使う際に、どっちを使うのか?
というのも、ただただ【値段】だけで安い方なのか?
いやいや【ボッシュ】というブランドで使うのか。。。。
でも、セルモーターって一生涯(20年未満くらい?)
交換しないんですよ。
ただね、50年経過してるんで流石に交換歴がある方が
多いんですけどね。
それ考えたら、1回交換歴があったら、それこそ
毎日乗ったとしても壊れないのが本来のはずですが
まあ、
そのクヲリティーと実用性は
考えるな!常識で。
と、長く乗っている人は思ってるはずですし、
申し訳ないんですがうちでもこのユーザーさんのように
空冷ワーゲンを20年以上足にしている人も居ますが
そう言う人は「それが当たり前だった時代」から乗っているので
あまり苦になって無いんですよ
社外品で痛い目にも合ってるし
それしかない状況で、「足に使おう」としてるのは
自分なので納得してるんですよね
今まで、順当に新しい車から始まって、そういう車に乗ってきた人が
いきなり空冷のワーゲンを乗るのに【サバーブなら安心】と
来店されるのですが、【そうじゃない】です
中古車はアタリハズレがある
まさにその通りで、うちでレストアをしても新車のクヲリティーは
無いのですよ。
でも、「クヲリティーが無い」と判ってるんですよ
そりゃー専門でやってるから。
なので
「じゃあ、どうしたら良いのか?」
を、考える訳ですよね
セルモーター、オルタネーターを
自分で作るか?
まあ、でもそういうことは現実的じゃないですよね?
世界的に有名になったトップブランドのフラット4さんだって
無理じゃないですか、その財力とトップブランドとしての
力を使って、【DENSO】に作らせたら?と思いますが
やっぱり無理なんですよ。
なので、社外品は【アジア生産】や【南米】になっちゃうんですよね
10万円のオルタネーターを買う際に取り付けてもらうことは
何とも思わないかもしれないけど、乗ってる個体が壊れて
10万円のオルタネーター日本製があって、社外品が3万円なら
3万円使うでしょ???
なら
その社外品の中で良さそうなものを【知る】とか
【補足する】ということが専門店だと思います
それしか出来ないですよね?現実的に。
なので
「ワーゲンは部品が新品が揃うから安心」
と考えるのをディーラーさんに
修理に出すくらいの感じにしか考えられないようであれば
うちはお付き合いはしません。
出来ないのです。
ちなみに
今回の修理は、30分以内で点検から交換が終わっています
オイル交換くらいのスタンスで修理は完了して
お客さんに工賃含めて3万円もらってお帰りになっています
そして、
「あ~すぐ直って良かった♪
3万で安くて良かった♪」と言ってます
こうじゃないと、乗れないと思います
(サラリーマンの人ですよ。麻痺してるんですよ)
「え?3万も?」
なんてのはもう無理ですよ(笑
3万円で、うちの工賃は点検含んで5千円ですからね
外して取り付けのに15分ですから
それ以上取れんでしょ???
それでも高いと思うなら、乗るなです。
まあ、車いじりが好きな人なら
30分あれば交換は余裕です。
自分でやって工賃がゼロ円か
店長に頼んで、店長の機嫌を良くするのに
5千円払うか?という部分は
良くお考え下さい(笑
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バッテリー自体が弱くなると
何かが警告することはありません
高級車はあるようですが、基本
バッテリーの警告はしてくれません
でも、
バッテリーのマークがあります。
「警告灯が点くようになったらバッテリーは交換ですよね?」
いいえ、間違いです
ビートルのは
いずれの警告灯も
チャージランプと、言います
バッテリーランプではなく、チャージランプと言うくらいなんで
【チャージ】に関しての警告灯です
ようは
「バッテリーの充電機能に不具合がありますよ」
ということです。
「充電が出来ません」です
なので、充電している最中にバッテリー端子を外しても
チャージランプは点灯しません。
バッテリー本体には何も関係ないからです
充電をしているか?
が問題な警告灯で
あまり国産車では起きないかもしれません
最近は特に。
走行の少なくない個体を(軽自動車)販売しますが
それでもオルタネーター(充電器)の交換修理を
ワーゲン以外でたぶん何年もやっていません
まだ点いていないのに。。。
というユーザーさんも多いです(笑
軽自動車なら車検2回に一回交換しといたら
5千円前後ですから安心と引き換えに良いと思います
空冷のワーゲンなら、
あくまでも目安ですが
走行距離よりも(乗らないでしょ?)
年数的に8年前後で交換した感じで大丈夫かな?と思います。
ただ、1~2万円(オー〇バッ〇スで3万円弱)なので
趣味車だし、もっと早いスパンで交換するのはオーナー次第
かなと思います(うちは工賃込み1.5万円)
デイリードライバーで12年使った人が居るので
毎日継ぎ足し充電されてるのは長持ちかと思います
月一のオーナーだと劣化は早いです
ワーゲンも
チャージランプの考えは一緒です
点灯したらバッテリーの充電はしません
12Vのバッテリーですからいくら
電気製品の少ないワーゲンでも
ライト類、電磁ポンプ、そういう部分で
電気は消費します
昼間なら、それなりの距離は帰宅することは可能ですが
ヘッドライトの時間帯ならすぐにアウトです
発電が壊れるとスマホの残量20%くらいに
あっという間で感覚的になります
また、ワーゲンに限らずですが
【ベルト】が切れればそれも充電しない不具合です
そして、ワーゲンはベルトが切れたら
クーリングファンが回らないので、オーバーヒートします
【風だけ】で冷やしているワーゲンなので
夏なら【即停車】しないとエンジン壊れます
冬も出来る限りすぐに停車が必要です
ベルトが切れても
チャージランプは点灯しますよ
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田舎には
軽トラが似合います(笑