文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

外交交渉を担当していた田中氏が破棄ないし、最初から記録をさせなかったのではないか

2022年03月02日 14時56分38秒 | 全般
この新聞を購読しているだけの頭脳で国内および国外政治、経済、外交、財政を語る幼稚で悪辣な思想と似非モラリズムの塊で、と題して、2018年08月01日に発信した章が、その他のタイトルの章も含めて、全て検索妨害に遭っていた。
段落等を修正、章を合一して再発信する。
以下は月刊誌WiLL今月号に、総力特集 日本の足を引っ張る人々、田中均 密約が疑われる 北朝鮮外交文書の欠落、と題して掲載された阿比留瑠比氏の論文からである。
阿比留氏が当代の新聞記者としては数少ない本物であり、伊達に高山正之の後輩ではないことは何度も言及してきたとおりである。
月刊誌WiLLは840円であるが、日本国民全員が読まなければならない論文が満載されているのである。
一方、朝日新聞に月間5000円以上の購読料を払い、この新聞を購読しているだけの頭脳で、国内および国外政治、経済、外交、財政を語る、幼稚で悪辣な思想と似非モラリズムの塊で、悪が極まっている偏向報道を行い続けているNHK等を視聴している人たちは読むことすらできない本物の論文が満載されているのである。
活字が読める日本人は今すぐに最寄りの書店に購読にむかうべきだろう。
見出し以外の文中強調は私。
安倍首相は反論した―「彼(田中氏)は交渉記録を一部残していません。彼に外交を語る資格はありません」と
2回分の欠落文書 
国会で1年半にわたり、モリ・カケ問題が騒がれ続けました。
森友学園問題では、財務省の文書改ざんが大きく取り上げられ、加計学園問題では、文科省に「総理の意向」と記された文書の存在があったと、もっともらしく取り上げられました。
また、愛媛県には総理秘書と加計氏が面会した文書が存在しているなどと、野党や朝日新聞は安倍政権に対して、性懲りもなく批判の声を上げ続けていたんです。 
ところが、北朝鮮問題では、田中均氏による外交交渉記録文書が欠落している事実について、まったくの沈黙を続けています。 
この欠落については、2008年2月9日、私は産経の1面で「日朝交渉の記録欠落小泉元首相初訪朝直前」、3面で「『2回分』廃棄?未作成?拉致協議障害も」と題して記事にしました。
複数の政府高官の証言を集めて書いたものです。 
2002年、小泉純一郎元首相が初訪朝する際、当時の田中外務省アジア大洋州局長らが、北朝鮮側と交渉を行った2回分の議事録、しかも、9月17日に訪朝する直前の最重要であるはずの2回分が欠落しており、なおかつ、外務省内に保管されていなかったという事実を指摘したものです。 
約30回にわたって水面下で日朝交渉をしているうちの、直前の2回となると、おそらくは経済支援の問題や、拉致問題など、最重要課題が話し合われたと思います。
1兆円とも80億ドルともいわれる北朝鮮への経済協力の協議場面に関しては、ほかの議事録にはまったく記載されていません。
となれば、欠落した2回分の交渉時に話し合われたと考えるのが自然でしょう。 
なにゆえの欠落か。 
外交交渉を担当していた田中氏が破棄ないし、最初から記録をさせなかったのではないか。
その可能性が非常に高いと、当時の政府高官たちは証言しています。 
ある政府高官は、「拉致被害者8人死亡などの生存情報について、ある程度、事前に話が出ていたのではないか、そういう話もせずに、首相に北朝鮮訪問をさせることなどあり得ない。記録を残すと、誰かにとって都合が悪くなったからじゃないか」と指摘していました。 
外務省の幹部も、「北朝鮮との最終段階で、どういう協議が行われていたのか、田中さんと通訳しか本当のところはよくわからない」と言っています。 
これから日朝交渉が始まろうとしているこの時期に、日本側が北朝鮮と過去、どのような交渉をしたのかがわからないのは圧倒的に不利です。
仮に北朝鮮側から「あのときの日本はこう言ったじゃないか」と出鱈目を言われたとしても、判断のしようがありません。 
これほどの大きな問題を、当時も今も、野党・マスコミは、ほとんど取り上げようとしません。
モリ・カケ問題で文書を役人が改ざんするはずがないとか、的外れなことも含めて、あれほど盛んに追及してきた人たちが、なぜ、これほど重要な文書の欠落については、声を上げないのでしょうか。 
この外交文書欠落は、モリ・カケの文書問題とは、レベルがまったく違う話です。
外交上、日本にとってこの上もなく重要な交渉は、すべて記録に残して、幹部や担当者で情報を共有し、一定期間を経て国民に公開されるべきものです。
そうしなければ、外交の成果や継続性は無に帰するし、どういう密約が交わされていようと、まったく不明になってしまいますから。
とぼけた取材対応 
当時、記事を書くにあたって、私は田中氏に直接、電話取材をしています。
田中氏は産経の取材は原則受けないという立場でしたが、当時は、公益財団法人日本国際交流センターシニア・フェローという肩書でした。 
田中氏は「私は今外務省にいる人間ではないし、ちょっと知らない。当時、私は局長だったので、自分で記録を書くわけではない。記録があるかないかは、外務省に聞いてほしい」という姿勢でした。
「ああ、とぼけているな」と思いました。 
2月9日に記事が掲載された後、12日に、当時外務大臣だった高村正彦氏の記者会見が行われました。
別の取材で私自身はその記者会見に出席できませんでしたが、記録を読むと以下のようなやり取りがあったのです。
記者「土曜日の産経で、日本と北朝鮮との交渉で、小泉訪朝前の記録に欠落が出ているとある。記録をもともと作っていないのか、あるいは作ったがなくなったのか?」
高村氏「外交交渉の直接のやり取り、その準備段階でどういうことをしたかについて私から申し上げるつもりはありません」
記者「やり取りがどういうものだったのかということとは別に文書管理について」
高村氏「いや準備段階についても、申し上げるつもりはありません。ただ申し上げられることはその時のことについても外務省の中で引き継ぎはきっちりできていますので、これからの外交を進める上で支障はないことだけ申し上げる」
記者「それとは別に……」
高村氏「これ以上やり取りしても押し問答ですから」
記者「正面からきちんと答えていただきたいが、文書管理は問題になっており、私だけの関心ではない。外交文書が欠落しているという報道があって、実際欠落しているのか欠落していないのか、調査するのかしないのか」
高村氏「今調査する必要はないと私は思っているし、その時の事情については引き継ぎがきっちりなされているのでそのことを申し上げたい」 
しかし、引き継ぎがなされていると強弁するのは、明らかに誤魔化し 以外の何物でもない。
その後、ある 外交当事者は、「自分も外交文書の欠落を調べたけれども、やはり文書はなかった」と言っていました。
つまり、引き継ぎなど、まったくなされていなかったのです。
歴代の次官も知らないし、第一次安倍政権のとき、安倍首相は官房長官にも調査を命じたけれども、見つけることはできませんでした。  
文書の行方は、田中氏とその腹心だった北東アジア課長の平松賢司氏(現、インド大使)らしか知らないのだと思います。 
安倍首相の反論  
さらに、産経の記事が出て、10日後の2月22日、閣議で政府答弁書が決定されました。
鈴木宗男氏の質問主意書に答えたもので、「この報道は事実か」という質問に対して、政府は「お答えすることは差し控えたい」という答弁書として決定しました。
つまり、否定できないけれども、認めないという玉虫色の決着をつけたのです。 
この決定を受けて、メディアが自ら取材すれば証言してくれる政府高官や外務省幹部を見つけることはできたと思います。
でも、ほとんどのところが黙殺しました。
なぜ、このような動きになったのか。
昔から続く北朝鮮への配慮なのか、それ以外の何らかの理由があるのか、価値判断がおかしくなっているのか…その理由はわかりません。 
この外務省の文書欠落に関して、このまま世の中から忘れ去られていくのかと思っていたのですが、第二次安倍政権になって、突然、田中氏が『毎日新聞』紙上で、政府の外交姿勢に対して批判を展開し始めたのです(2013年6月12日付)。 
その田中氏の批判に対して、安倍首相が即日、フェイスブックで反論しました。 
「彼(田中氏)に外交を語る資格はありません」と。
そしたら、例のごとく、田中氏のシンパである朝日新聞が社説で「個人攻撃だ」とかみついてきました。
朝日の社説をよく引用する、当時の民主党幹事長、細野豪志氏がやはり朝日と同じ趣旨の批判をした。 
ところが、朝日も細野氏も安倍首相のフェイスブックの一番大事な個所を読み落とすか、わざと無視しています。
「外交を語る資格はない」と書いた直前の文章で、「あの時田中均局長の判断が通っていたら5人の被害者や子供たちはいまだに北朝鮮に閉じ込められていた事でしょう。外交官として決定的判断ミスと言えるでしょう。それ以前の問題かもしれません。そもそも彼は交渉記録を一部残していません」と書かれていました(下線筆者)。 
この大事な一文をまったく取り上げないとなると、どこまで田中氏を中心にして、グルになっているのかと勘ぐってしまいます。 
安倍首相がフェイスブック上で、直接、総理大臣として「交渉記録を残していない」と書いたのにもかかわらず、野党やマスコミは田中氏を批判したことだけを取り上げ、安倍首相が何を批判したのかの重要ポイントは無視を決め込んでいます。 
安倍首相に対しての批判は野党だけではありませんでした。
自民党の小泉進次郎氏は、安倍首相に対して自制を求める発言をしています。
こういう発言をする進次郎氏を見るにつけ、彼はポピュリストで、本質をとらえることができない人だなという思いを拭い去ることができません。 
ちなみに、このやり取りのあと、拉致被害者の有本恵子さんの父、明弘さんと私が電話で話をした際のことです。
明弘さんは、「メディアが田中氏に語らせるのは悔しい。外交官が自分でチョンボをしておいて、反省もせず、首相に文句を言う。田中氏は被害者家族と顔を合わせもしない。細野氏は野党だから、まだいいねん。でも、小泉氏が言うのはいかん。当時のことを何もわかっていない」と怒りをにじませていました。
小泉進次郎氏の父、純一郎元首相が、田中氏を重用し、北朝鮮との交渉に当たらせたのは事実です。
それを差し引いても、親子で安倍政権への批判を続けていることには、違和感を覚えざるを得ません。 
さらに田中氏は、帰国した拉致被害者を北朝鮮に戻すべきだと主張しています。
田中氏自身は「そんなことを言っていない」と反論していますが、当時、田中氏と直接この問題を議論した人たちの多くが、「田中氏は議論の過程で、帰国者は一度、北に戻すべきだと言っていた」と証言していますから、疑いようがありません。 
安倍首相のフェイスブックを受けて、記者会見で記者が、「記録の一部は残っていないのか」と菅官房長官に質問したこともありました。
官房長官は「そういう見解だ」と真っすぐ答えたのですが、この官房長官の発言もまた、どこの新聞社もろくに記事として取り上げていないのです。 
2013年7月、参院選がありましたが、その際、日本記者クラブで、党首討論会が開かれました。
討論会に臨んだ安倍首相に対して、記者クラブ側が安倍首相の田中氏批判にかみつきました。 
それを受けて安倍首相は、「小泉純一郎元首相が訪朝する前の田中氏の記録が2回分残っていない。本人に確かめたら『知らない』と言われた。外交官として間違っている。外交官の基本を踏み外していておかしいじゃないか、というのが私の正義感だ」と明言しています。
しかし、この発言も記事になっていません。 
その後、田中氏は米朝交渉や日朝関係について、講演会などでのうのうと偉そうに持論を述べているようです。
でも、メディアはその発言については放置しているか、さもなくば大々的に取り上げることがあります。
本末転倒も甚だしいと言わざるを得ません。
日本の言論空間は一体どうなっているのでしょうか
 
 

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