文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

今となっては迷惑をこうむっている米国民の怒りが理解できる。 

2020年10月20日 22時44分44秒 | 全般
今日の産経抄である。
メキシコといえば、麻薬の生産国であると同時に、中南米から米国への密輸ルートにあたっている。
犯罪組織は縄張り争いを繰り広げ治安の悪化が止まらない。
業を煮やした政府は2006年、「戦争」を宣言する。 
警察署には銃弾や手榴弾を雨あられと撃ち込まれ、市長ら要人はやすやすと誘拐される。
やりたい放題のギャングたちに太刀打ちできるのは、政府軍しかない。
もっとも、その軍のトップが犯罪組織と通じていたら…
メキシコのサルバドル・シエンフエゴス前国防相は先週、家族旅行で訪れた米ロサンゼルスの空港で身柄を拘束された。米当局は麻薬取引とマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで、逮捕・起訴したことを明らかにした。
「通じている」どころか、「エル・パドリーノ(ゴッドファーザ)」の異名を持つ麻薬組織の親玉だった。
国家をむしばむ巨悪の張本人は、実は権力の中枢にいた。
映画やテレビのサスペンスドラマでおなじみの筋書きを地で行く展開である。
やはりメキシコ政府の閣僚だったヘナロ・ガルシア元公安相もまた昨年12月、麻薬組織から巨額の賄賂を受け取ったとして米テキサス州で逮捕されている。
メキシコ政界の腐敗の実態は底が知れない。
死者が二十数万人にのぼるといわれる麻薬戦争は、まだ収束のきざしはみられない。 
「米国とメキシコとの国境に壁を築く。建設費用はもちろんメキシコ持ちだ!」。
トランプ大統領は4年前、こんな公約をひっさげて当選を果たした。
当時は首をかしげたものだが、今となっては迷惑をこうむっている米国民の怒りが理解できる。 
今回の逮捕劇は、大統領選の投票を目前にひかえて劣勢が伝えられるトランプ氏にとって、大変な朗報ではないか。

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