文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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メディアは「ドイツを見習え論」が大好き…国際情勢を直視して、現実的な政策に舵を切ったドイツを見習え

2022年03月03日 09時59分05秒 | 全般

以下は今日の産経抄からである。
今日の紙面でキエフの市長が、ビタリ・クリチコだった事を初めて知って驚いた。
私は子供の時からのボクシングファンだからである。
当然、WOWOWのエキサイトマッチで、彼の試合は何度も観ていた。

ロシアの侵攻が刻一刻と迫っていた1月下旬、ウクライナはドイツから武器が届くのを首を長くして待っていた。
そこへ届いたのはヘルメット5干個を供与するとの知らせである。 
ボクシング元ヘビー級チャンピオンの経歴を持つ首都キエフのクリチコ市長は、ドイツ紙の取材に怒りをぶちまけた。
「次に送ってくれるのは枕か」。
武器の輸出では世界第4位の実績を持つドイツがなぜつれないのか。 
政府が紛争地には輸出しない方針を守ってきたからだ。
とりわけウクライナには、第二次大戦中にナチスが大きな被害をもたらした負い目もある。
しかし、欧州では戦後最大といえる軍事行動が実際に始まると、ドイツは大きな方向転換を迫られる。
「ウクライナを見捨てるな」。
世論の後押しもあった。 
ドイツ政府はウクライナに対し、対戦車砲1000門、携帯型地対空ミサイル500基の供与を発表した。
それだけではない。これまで国内総生産(GDP)比1.5%程度に抑えてきた国防費を今後、2%まで拡大するというのだ。 
ドイツが口シアに弱腰だったのには、もう一つ理由があった。
天然ガスの輸入の半分をロシアに頼ってきた。
メルケル前首相が原子力発電の廃止を決めたことにより、ロシアヘのエネルギー依存がますます進んでいる。
これでいいわけがない。
ドイツ政府は、今年末までに廃止するはずだった原発の稼働延長を検討しているという。 日本のメディアは「ドイツを見習え論」が大好きである。
日本に比べて適正だったとする戰後処理や多数の移民の受け入れ、脱原発…。
小欄はいちいち反論してきたが、今度ばかりは同調する。
緊迫した国際情勢を直視して、現実的な政策に舵を切ったドイツを見習え。


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