先日、京都大学名誉教授の中西輝政氏が月刊誌正論の今月号に発表した論文を読んでいて本当に驚いた。
それは以下の箇所に差し掛かった時の事だ。
前文略
ピルズペリーによれば、近年の中国は、自らの不透明な大軍拡や国際法を無視したような海洋進出への批判に、「それは古い冷戦思考だ」と反論してきたという。
これは我々も見聞きしてきたところだが、自ら冷戦後の世界の常識、ルールに反する動きをしておきながら、「この平和な時代にお前は対立を欲するのか」と相手を逆に非難する中国の強弁は、共産主義者のお得意の「超弁証法」的レトリックなのである。
この、「嘘は本当で本当は嘘。黒は白で白は黒である」という形式論理学を180度倒錯させた驚くべきレトリックを生み出したのは、カール・ラデックという、かつてのコミンテルンの指導者である。
*先日、私が中国の王外相の表情について書いた文章を読んだ人たちは、私と同様に驚くはずだ。私が書いたことと全く同じであることに。真実の言葉が世界の果てまで届くように、真実の言葉は響き合うのである。
以下は次章にて。