文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

この「人類運命共同体」の実態がどのようなものかは、チベット、ウイグル、モンゴル、香港を見れば明らかだ。

2020年03月08日 16時07分14秒 | 全般

以下は前章の続きである。
習近平の「世界制覇宣言」 
国際社会はそういった香港の異常な事態を目の当たりにし、もし世界が中国化すれば香港と同じことが起きる、そんなことは絶対に御免蒙ると危機感を募らせた。 
この香港デモは隣の台湾に飛び火し、蔡英文総統の再選につながった。
頼清徳次期副総統は二月六日、ワシントンで、トランプ大統領や米政府高官らが出席する年に一度の朝食会「ナショナル・プレイヤー・ブレックファスト」に招待されている。
米国は自由主義陣営の先頭で旗を振っているのだ。 
そこに今回の新型コロナウイルスの問題が起き、国際社会は中国の本質を嫌というほど見せっけられた。
自由主義陣営と全体主義陣営、両者の生き残りを賭けた戦いが始まる局面に突入したのではないか、と私は感じる。 
これは杞憂ではない。 
私たちは中国が発信している文書を改めて確認する必要がある。 
2018年、習氏は全人代で行った3時間20分にわたる演説でこう語っている。 
「中国は引き続き、世界の統治システムの変革や建設に積極的にかかわっていく。『人類運命共同体』の光で世界を照らす」 
習氏は中国人民だけでなく、人類全体を中国共産党の支配下に置くべきだと考えているのだろう。 
この「人類運命共同体」の実態がどのようなものかは、チベット、ウイグル、モンゴル、香港を見れば明らかだ。
中国は他民族の幸福などに興味はなく、中国共産党の幸福以外考えてはいない。 
習氏は、建国百年の2049年までに中国は「社会主義現代化強国」となり、そのとき「中華民族は世界の諸民族のなかにそびえ立つ」と展望してみせた。
その実現のために、国防、軍隊の現代化を2035年までにやり遂げ、今世紀半ばには世界一の軍隊を築くという。 
こうした一連の目的達成のためには、共産党の指導を全党員全国民に徹底させなければならない。
その仕組みを完全に作り上げると豪語する。
専制政治の強権志向が、習体制の特徴である。
中国人民のみならず、日本を含めた全人類を中華圈に組み込むべく、軍の強大化を軸に強権を振るうという野望は、「世界制覇宣言」とでも呼ぶべきか。
この稿続く。


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