文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

日本は近隣の大陸の国々とは違って脱亜しているからこそ、いい国なのではないでしょうか。

2022年01月04日 17時56分49秒 | 全般

以下は前章の続きである。
次は靖国の戦没者慰霊を 
今泉 
7月に91歳。今年のお仕事はいかがでしょう。
『神道とは何か』の続編で、『What is Yasukuni?(靖国とは何か)』を出版なさるとか。
平川 
先の大戦で日米の激戦地となったサイパン島で、私のいとこは戦車兵として戦死しました。
その戦車が、靖国神社の遊就館に展示されています。
遊就館の前の石碑に刻まれたインドのパル判事の言葉、あれは実は米国の南北戦争で敗れた南部連合大統領、ジェファソン・デービスが、南軍の捕虜収容所長が無実の罪で絞首刑にされた、その汚名をそそごうとして書かれた文章であることを牛村圭博士が突き止めました。
それを知って読み返すと、深く訴えかけるものがあります。
それで「正論」(令和3年6月号)で取り上げた次第です。
今泉
今年は岩倉具視使節団がアメリカに渡って150年です。秋にシンポジウムを開催します。出席をよろしくお願いします。
平川
福沢諭吉は脱亜論を唱え、久米邦武の『米欧回覧実記』は「アジアのことに触れておらず、けしからん」というのが戦後左翼の批判でしたが、日本は近隣の大陸の国々とは違って脱亜しているからこそ、いい国なのではないでしょうか。
戦後のインテリは「日本に生まれて悪かった」みたいなことばかり言っていたから、私はあえて『日本に生まれて、まあよかった』(新潮新書)を書いたのです。
頭の不自由な、いつまでたっても変わらない、変われない旧弊な左翼の方や、似たように頭の固い右翼の方には嫌われるかもしれないが、シンポジウムではそんなお話をしたいと思います。  
今泉 
楽しみにしています。
本日はありがとうございました。

明治神宮国際神道文化研究主任研究員
今泉宜子氏
いまいずみ・よしこ 昭和45年、岩手県生まれ。東京大学教養学部比較日本文化論分科卒業。
雑誌編集者を経て、国学院大学で神道学を専攻。平成12年から明治神宮に奉職。
19年、ロンドン大学SOAS(東洋アフリカ研究学院)で、明治神宮に関する学位論文で博士号(学術)を取得。
フランス国立社会科学高等研究院客員研究員、国際日本文化研究センター客員准教授などを歴任した。
著書『明治神宮 戦後復興の軌跡』(鹿島出板会)、『明治神宮「伝統」を創った大プロジェクト』(新潮選書)などがある。
近著は『明治神宮 内と外から見た百年一鎮守の森を訪れた外国人たち』(平凡社新書) 

第37回正論大賞
平川祐弘氏ひらかわ・すけひろ 昭和6年、東京都生まれ。
東大教授などを歴任したドイツ文学者の竹山道雄は義父にあたる。
旧制第一高等学校1年を経て28年、東京大学教養学部を卒業。同大大学院比較文学比較文化博士課程修了。
東京大学教養学部教授を務め平成4年に定年退官した。
ダンテ『神曲』の翻訳で河出文化賞を受賞、『小泉八雲』でサントリー学芸賞『ラフカディオ・ハーン』で和辻哲郎文化賞受賞。
ほかに『和魂洋才の系譜』『戦後の精神史』など著書多数。
月刊「正論」に「昭和の大戦とあの東京裁判一同時代を生きた比較史家が振り返るー」を連載し、近く河出書房新社刊。
日本語版『西洋人の神道観』は、平成29年から刊行が始まった『平川祐弘著作集』(勉誠出版)にも収められている。

 

 


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