文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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こういう“あおり系”の話が真実だったことってあるんでしょうか…環境ホルモンで「メス化する地球」なんてのもありました

2021年05月11日 21時30分59秒 | 全般

以下は発売中の月刊誌WiLLに『人新世の「資本論」』をメッタ斬り!と題して掲載されている古田博司と朝香豊の対談特集からである。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
マルクスの“変異ウイルス”
古田 
30年くらい前、森林伐採が大騒ぎになった。
当時は下関市立大学にいたんですが、あそこは九州大学のマル経(マルクス経済学)学者のたまり場でね(笑)。
彼らは割り箸を使わず、行きつけの飲み屋に“マイ箸”を置いていたんです。
朝香 
ボトルキープみたいな(笑)。
古田 
当時は何をしてるんだろうと不思議に思ったけど、森林を守るためだったんですね。
朝香 
でもそれ、意味ないです(笑)。
日本製の割り箸は、丸太を切ったときにできる端材や残材、間伐材でつくられるので、森林伐採とは何の関係もありません。
中国製は別ですけど(笑)。
古田 
え、そうなの? これで“マイ箸ブーム”の謎が解けた(笑)。
朝香 
こういう“あおり系”の話が真実だったことってあるんでしょうか。
環境ホルモンで「メス化する地球」なんてのもありました。
古田 
あったね(笑)。
朝香 
カップ麺の入れ物なんかに熱湯を入れると、その成分が溶け出す。
それが下水として外に出ると、女性ホルモンのような働きをして生態系に影響を与える。その結果、オスがいなくなると(笑)。
完全に否定されたんですが、きっとまだ信じている人はたくさんいますよ。
それにトランス脂肪酸が多いマーガリンは「食べるプラスチック」だといわれて信じている人が多いんですが、いまはバターよりもマーガリンのほうがトランス脂肪酸は少ないんですよね。
ほかにも農薬の危険性を書いたレイチェル・カーソンの『沈黙の春』とか、朝日新聞で連載されていた有吉佐和子の『複合汚染』とか、懐かしいですね。
こういう話がホントなら、いまや人類は滅亡の危機におちいっていないとおかしい。
古田 
宇沢弘文さんの『自動車の社会的費用』もあった。
自動車の普及が悪だといって、自動車が“ガン細胞”のように広がっていくと書いていました。
朝香 
携帯電話が出てきたとき、携帯を使うと脳腫瘍ができるともいわれました。
右利きの人は右耳で電話をするから、脳の右側に脳腫瘍ができると。
左翼時代のわたしは、こういう話を見つけては「やっぱり」と納得していました。
携帯会社が否定しても、「携帯を売りたいからウソをついている」と思い込んで、自分か正義の側に立っていると錯覚していた。
『人新世-』にハマる人たちも、何よりも先に「資本主義=悪」という“教義”があるから、本を読んで「やっぱり」と納得してるんじゃないですか。
マルクスはそんな教義の正統性をカッコよく証明してくれますから。
古田 
『人新世-』も“あおり”のリメイク。
マルクスの″変異ウイルス“ですね。
この稿続く。

 

 


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