文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

これまで日本は太陽光発電の大量導入や原子力停止など、電気料金を高くする政策ばかり実施してきたせいで、産業用の電気料金は世界一高い

2021年06月02日 17時10分29秒 | 全般

MLB(メジャーリーグ)でPGA&LPGA(ゴルフ)をTV観戦している人は多いはずである。
誰もが米国の空の高さ、青さを知っているはずである。
つまり米国は大気汚染の元凶では全くない国である事を。
pm2.5まとめを見た事がある人は誰もが中国の大気汚染の酷さに絶句し続けている20数年だったはずである。
この20年超、中国が大気汚染の元凶、地球温暖化ガスの圧倒的な最大排出国である事は、グレタ・トゥーンベリや、この女子高生を誉めそやす世界のメディアの愚者達以外には、歴然たる事実である。
それでは、何故、米国は、京都議定書、パリ会議と、これまでに二度も主唱して来たのか?
中国、カナダ人の詐欺師と一緒になって地球温暖化対策を主唱したアル・ゴアは民主党の大統領候補だったからである。
民主党政権になる度に米国はCO2ゼロを持ち出す。
その度に、米国に一番追随し国会決議まで出す愚劣さを続けて来たのが日本である事も歴然たる事実。
米国民の半分、或いはそれ以上の人達は共和党支持者である。
共和党は地球温暖化がフェイクである事を知っている。
だから京都議定書も、パリ会議も米国議会では批准されない。
民主党の議員でも州内に天然ガスや石油の産出産業を抱えている議員達は決して批准しない。
つまり日本は二度も梯子を外された。
ジャーナリズムの基本である5W1Hすら無く、日々の話題だけを追いかけているまずメディアは、こんな小学生レベルの事も分からない。
彼らは人類史上、最低レベルの大馬鹿者達である。

以下は今日の産経新聞「正論」に掲載された杉山大志キャノングローバル戦略研究主幹の論文からである。
「CO₂ゼロ」で地域経済が崩壊
日本政府はC0₂を2030年度までに46%減らし、2050年までにゼロにするという極端なC0₂削減策を打ち出している。
これに追随して多くの地方自治体もC0₂ゼロを宣言している。
けれども、これは地域経済を破壊することをご存じだろうか。 
大分・岡山・山口が危機 
C0₂削減策による産業への悪影響が特に大きいのはどこか。
エネルギー多消費の製造業が経済の支柱になっている地域だ。
脆弱性の指標として「県内総生産あたりのC0₂排出量」を見ると、1位が大分で6.7(単位は百万円あたり㌧)、2位は岡山6.0、3位は山口6.0となっている。
これらの地域では鉄鋼、石油、化学をはじめとして製造業が盛んだ。
最下位の東京は0.7で10倍も違う。
4位以下は和歌山、広島、愛媛、千葉、茨城と続く。 
工場には石油、石炭、天然ガスを利用する加熱炉やボイラーがあり、配管を駆使した精巧なプラントが組み上げられている。
既存工場でC0₂を安価かつ極端に減らす魔法のような技術はほとんど存在しない。
常に国際競争にさらされている製造業は、C0₂を極端に減らすため莫大な出費をすれば潰れてしまう。 
これまで日本は太陽光発電の大量導入や原子力停止など、電気料金を高くする政策ばかり実施してきたせいで、産業用の電気料金は世界一高い。
これが原因の一つとなり産業空洞化が進行している。 
例えば日本製鉄は3月、国内の高炉休止を含めた生産体制の見直しを発表した。
今後5年間で、現在5000万㌧ある国内の粗鋼生腔能力を4000万㌧に引き下げる。
他方で現在1600万㌧の海外の粗鋼生産能力を増強し5000万㌧超とするという。
海外の方が生産量が多くなるわけだ。 
金属精錬・加工、ソーダ工業、チタン製造業など電力多消費産業は、高い電力コストに苦しみ続け事業撤退、工場閉鎖、廃業が止まらない。
自動車産業も、既に重心は海外にある。
いまこの瞬間にも、日本政府の極端なC0₂削減策を見た企業経営者は、誰もが日本脱出を考えているだろう。
炭素税は寒冷地を直撃 
炭素税の是非が政府審議会で議論され、この夏には中間報告が出る予定だ。
もしも導入されるとなると、産業部門は国際競争にさらされているから、家庭部門に負担のしわ寄せがいくだろう。
欧州でも実際にそうなっている。
では特に負担が大きいのはどの地域か。
指標として世帯当たりC0₂排出量を見ると、都市より農村、また寒冷地で多い。
暖房に多くのエネルギーを使うためだ。 
東京・大阪の都市部に比ベ、北海道・東北の農村部では、世帯あたりC0₂排出量は倍もあり、年間5㌧のC0₂を出している。
仮に1㌧あたり1万円の炭素税が導入されれば負担は年間5万円になる。
ちなみにこの程度の税率ではC0₂はほとんど減らず、専らコスト負担が生じるだけだろう。
過疎化や高齢化が進む地方農村にとって重い負担になる。 
5月17日の成長戦略会議で政府は「経済安全保障のための投資」の促進を打ち出した。
サイバーセキュリティー対策やサプライチェーン確保のためにデータセンターや半導体工場等の国内回帰を目指すものだ。
だが、そもそもなぜ日本ではなく中国にデータセンターがあるのか。日本の電気代が高いからだ。
なぜ半導体工場は台湾にあるのか。これも理由の一つは日本の電気代が高いからだ。 
見えざる産業空洞化も 
エレクトロニクス産業は台湾で興隆し経済の柱になった。
産業部門電力消費の35%を占め、産業部門GDP(国内総生産)の45%を叩き出している。
日本でも九州等に半導体工場が多く立地したが、設備投資が途絶えた。
日本にとって見えざる産業空洞化であった。 
今後の経済活動の原動力になるデジタル産業も電力多消費であることを忘れてはならない。
例えばブロックチェーンやビットコインはコンピューターの複雑な計算作業で莫大な電力を消費するため、世界全体のうち8割は電力が安い中国で行われている。
いま日本に必要なのは原子力・火力を中心とした安価な電力供給だ。  
「日本は欧米に比べ再生可能エネルギーの普及が遅れ、大量導入しないと製造時にC0₂を多く排出する日本製品が売れなくなる」という誤った意見が流布されている。
現実には再エネでコスト高になってしまえばC0₂が幾ら少なくても製品が売れるはずがない。 
原発さえ再稼働すれば日本のゼロ排出電力の割合は、EU(欧州連合)や米国と大して変わらない。
国際競争上、必要な事業者が原子力、水力、太陽光等の電力を安価に購入できる仕組みを作ればよいだけのことだ。 
政府の成長戦略には「地方創生」も謳(うた)われている。
だが極端なC0₂削減策は地方経済を崩壊させるだけだ。 
地域の政治家、企業、労働者、一般市民は、手遅れにならぬよう、声を大にして、ただちに異議申し立てをすべきだ。  

 

    


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