文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

中国は脱炭素に関しては、2030年までは何もしなくてもいいということになっていますので、

2021年11月02日 22時37分08秒 | 全般

以下は、新型コロナの起源と101周年目を迎える中国共産党、と題して、数日前に出版された、石平さんと掛谷英紀氏の対談本の第4章からの抜粋である。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
活字が読める日本国民は最寄りの書店に購読に向かわなければならない。
世界の人達には、私が出来るだけ知らしめる。
第4章 日本は国も民間も中国と如何に対峙すべきか 
中国依存の経済活動や「脱炭素」は見直すべし
前文省略。
掛谷 
あと、ウイグル絡みで言いますと、綿以外に太陽光パネルの問題があります。
あれもウイグルで生産されているんです。
2021年の6月に、杉山大志さんが『脱炭素』は嘘だらけ』(産経新聞出版)という本を出されました。
実は脱炭素で得をするのは中国だけ、という内容です。
要するに、中国は脱炭素に関しては、2030年までは何もしなくてもいいということになっていますので、ほかの国が電力をつくるのに高コストになっている間、CO2を出し放題で、安い電力を使えます。
中国だけ脱炭素を免除されていると、中国がいわゆる世界の工場の地位を維持するのにものすごく有利なんです。
日本は太陽光パネルを中国から買わされたうえに、電気代が非常に高くなるんです。
最近、太陽光パネルによる山崩れとか、自然破壊がものすごく深刻です。
太陽光は自然エネルギーで自然に優しい、というのは真っ赤なウソです。
太陽光パネルでつくる自然エネルギーは、われわれの専門用語で言えば"エネルギー密度が低い"のです。 
単位面積とか、単位体積あたりで取れる電気やエネルギーがものすごく小さいので、大量の自然破壊をしないと、火力や原子力に代替できる電気量なんて取れません。
昔、民主党は、"脱ダム"とか言って、ダムに反対していましたね。
けれども、太陽光とか風力は、ダムによる水力発電よりもエネルギー密度が4分の1とか5分の1ぐらいなので、水力の自然破壊の4倍、5倍をしないと水力と同じ電気量が取れない。
この種のエネルギー密度の計算は高校の理科の知識で全部できるんです。 
それを菅直人元首相や民主党が、それこそ中国が得をする形で進めて、自然エネルギーをたくさん取り入れてしまったために、日本は電気代が非常に高くなっています。
ですから先ほどお話に出ました生産拠点を日本に戻すという試みにおいても、いわゆる電気をたくさん消費する産業を日本に戻すのが、現在、ものすごく難しくなっています。
石 
こういう政策は結局、日本の経済をダメにして中国を助けることになっていますね。
掛谷 
なので、石油も石炭も駄目となると、原発を動かすしかない。
中国はこの前、福島でトリチウム水を排出するのにものすごく反対していました。
それは、日本が原発を動かして電気代が安くなってしまうと、日本に工場が回帰してしまうかもしれないからです。
それはもう、中国にとっては絶対に許せない話だからです。 
ですから、日本のエネルギー政策は、「自然エネルギーをたくさん入れさせて、原子力や火力は使わせない、とにかく日本を生産拠点にしない、二次産業を強くしない」という中国にとって都合のいい話を、自然に優しいとか、そういったオブラートに包んでやっているんです。
ですから、そこをちゃんと見ないと駄目なんです。
石 
問題の本質は、まさにここです。
掛谷 
バイデンが、温暖化対策で、「脱炭素」を言っています。
菅前総理は「脱炭素に関しては、バイデンさんについて行きます」みたいな感じでやっていましたが、バイデン政権の一番のネックは、この部分ではないかと私は考えています。
これを進めると中国にものすごく有利になるんです。
もしもCO2を出さない代わりに原発をやるというなら人丈夫ですが、原発もやらない、炭素も出さないとなると、中国の一人勝ちになることはもう間違いありません。
ですから、いかに原発を炭素エネルギーの代わりに使う方向に持っていくかをアメリカと協力しながら考えないと駄目ですね。
石 
それは私も大賛成。同じ考えです。
今、思い返すと、オバマ政権のときに、グリーン革命とかクリーンエネルギーとか、そういった言葉が乱舞して、オバマ自身もそういった方向に政策を推進していったように記憶しているのですが、これはいったい何でしょう?
民主党の一種の嗜好なんてしょうかね?
掛谷 
共産主義勢力というのは、いろいろと形を変えるんです。
要するにフランクフルト学派と言われる人たちが、ソ連が崩壊して、これから何で食っていくかというときに、グリーン、自然保護を飯の種にしようと考えたわけです。
ですから、実は自然保護の人たちは、根は共産主義者みたいなところがあって、自然エネルギーはどうしても、中国の得になるように、いわゆる資本主義、自由主義国の経済にダメージを与えるような方向になる。 
世界の国がすべて脱炭素というのではなく、中国にはそれを免除するという考え方は、まさに自由主義、資本主義の国を弱らせて、中国みたいな独裁国家を太らせたいという意識が背景にある。
そういう共産主義的な考え方の人たちが、いわゆる自然保護という看板で、自分たちの本性を隠しながらやっているんです。
オバマはけっこうそういう人たちにシンパシーを抱いている人だな、と私は思っていました。
石 
自然保護の美名に隠されている共産主義ですね。
掛谷 
バイデン政権に関しては、ケリーとかも危なそうですね。アル・ゴア、ケリーなど、民主党には危なそうな人がけっこういます。
ただ民主党の中にも、左翼系の人たちとエスタブリッシュメント系の人たちがいます。
石油関係は共和党の支持層なので、そこにダメージは与えたいというのはどちらも同しですが、エスタブリッシュメント系の人たちは、現実的にクリーンエネルギーではやっていけないことがよくわかっていますので、原子力に行く可能性はあると私は思っています。
この稿続く。

 


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