文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

トランプ来日の四日間、安倍はゴルフ、大相撲、炉端焼きなどの“おもてなし”で歓待したが、国民もまた新天皇が初めて国賓として接遇されたトランプを温かく迎えた

2019年07月09日 15時36分15秒 | 全般

以下は前章の続きである。
令和の日本外交の両輪
久保 
ところで、令和の日本外交という点でいえば、世界の国々から注目される安倍外交の見事さだけでなく、トランプ大統領を令和初の国賓として新天皇・皇后両陛下が宮中晩餐会でもてなした皇室外交も注目すべきです。 
言うまでもなく、天皇の外国訪問や国賓接遇は憲法四条で定めた国事行為ではないが、この二つは戦後の日本外交の両輪なのです。
その両輪が見事なハーモニーを奏でたところに、令和外交の特筆すべき点があります。 
トランプ来日の四日間、安倍はゴルフ、大相撲、炉端焼きなどの“おもてなし”で歓待したが、国民もまた新天皇が初めて国賓として接遇されたトランプを温かく迎えた。
トランプはその後の日米首脳会談で冒頭、「ご即位という大イベントに招待していただき、本当にうれしく思う」と感謝の意を表しています。
トランプにとって日本滞在の四日間は、外国訪問で昧わった初めての「至福の時間」だったのでしょう。 
一方、日本訪問のあと、同じくトランプを国賓としてエリザベス女王が迎えたイギリスでは、野党の労働党や市民団体がロンドンで抗議デモを行い、“招かざる客”扱いした。
両国国民のこの違いを政治意識の差だなどといったバカげた解説をするやつもいたけど、これは礼節を重んじるかどうかの差。
つまり、日本国家が令和の始まりに当たって、国賓としてトランプを招き、新天皇が接遇される以上、恥をかくような言動は慎み、温かく迎えてやろうという国民感情です。
そこには、天皇の存在が大きくかかわっていたと思います。 トランプは初めて「無為」にして「無私」、世俗権力とは無縁の「無の場所」におられるがゆえに「権威」として国民から尊崇される日本の天皇という存在の意味を、身に染みて知ったのではないかと思いますよ。 
令和の日本皇室外交を考える場合、欠かせないのはご結婚の前、当時の外務省事務次官、小和田恆氏の長女で外交の最前線で活躍される現役バリバリの外交官だった雅子皇后の存在です。
ご結婚前、外交官の仕事に未練を残す雅子さんに対し、皇太子殿下の口説き文句は「外交官の仕事も皇后も同じではありませんか」(林真理子『週刊文春』平成五年一月二十一日号)。 
しかし、いざ皇太子妃になってみると、皇室行事やご公務に追われる日々が続き、皇太子殿下が約束された外交官的な仕事との両立どころか、健康を害して公式行事に出席さえできない状態が続いたのは周知のとおり。 
ところが、明仁天皇の御退位で美智子皇后に代わり新しく皇后になられた雅子皇后は、まるで水を得た魚のように元気になられ、新天皇と並んで一般参賀に臨まれた。
この稿続く。


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