文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

再生可能エネルギーは火力発電などによって周波数が安定していない限り利用できない

2023年06月15日 15時59分27秒 | 全般

以下は今日の産経新聞「正論」に、国民を護るエネルギー政策は、と題して掲載された、杉山大志キャノングローバル戦略研究所研究主幹の論文からである。
本論文も彼が最澄が定義した国宝、至上の国宝であることを証明している。
彼は日本のみならず、世界の、最高の知性の一人である。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。

*LGBT法案の愚劣さも含めて、彼の本物の論文を読めば、誰もが、何故、いつから、世界は、こんなに愚劣になったのだろう、と慨嘆するはずである。
私は、先般、たまたまダボス会議とは一体何なんだと思い検索した。
ドイツで育ち、ハーバードでキッシンジャーに学んだというスイス人、クラウス・シュワブが主催者であると知って、あきれ果てた。
世界は、今、あろうことか、共産主義化している。
神の摂理である「文明のターンテーブル」に逆行しているのである。
誰が、こんな馬鹿げた方向に世界を主導して来たのか?
信じがたいことに、それが、ダボス会議などという、ふざけた会議だった。 
日本の、坂村健のトロン革命を、米国政府を利用してまで潰した、強欲の塊であり、支配欲の塊であるビル・ゲイツ。
日本が世界に誇る電機メーカー全社を大変な苦境に追い込んだのが彼である。
彼と同様の、強欲と支配欲の塊として、インターネットの時代に便乗して、今や、中小国家の国家予算以上の資産家になっている、ごく少数の人間たち。
中国に武漢ウイルス研究所を作らせたフランス製薬界の大立者は、武漢ウイルスがもたらしたコロナ過でのワクチン製造等で、天文学的な利益を得た。
このような類の人間たちが集まって、信じがたい事に、世界の政治を決めて来たのである。
世界が愚劣化し、人類消滅の方向に向かっているのは当然だった。

見出し以外の文中強調は私。
ここ1、2年で自然災害を何でも気候変動のせいにする風潮が高まり、国際機関や先進諸国の指導者までもがそう発言するようになった。
最も極端なのは国連トップのグテレス事務総長だ。
「世界各地の異常気象は全く自然の現象ではない。人類の化石燃料中毒の対価だ。異常気象による災害は、過去50年間で5倍になった」という趣旨の事を繰り返している。
災害激甚化という偽情報 
米コロラド大学のロジャー・ピールキーJr.教授はこれを猛然と批判している。
「完全な偽情報だ。公的な場で、かかる重要機関による、かくも明白でひどく間違った主張は類例が無い。なお悪いことに、この誤情報を正当化したのは世界気象機関(WMO)で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)を設立した機関だ」 
では50年間で5倍というのは本当なのか。
WMOの報告では、災害件数は確かに時とともに増加した。
だが理由は何か。
災害が記録されるのは人々や資産に被害があり、その報告があったときだ。
過去50年で世界の人口は増え経済は成長したので、より多くの人々や財産が災害に遭うようになり、災害件数も増えた。
行政組織も整備されたのでより多くの報告が上がるようになった。 
物理的な気象観測のデータは、災害の頻発化・激甚化など示していない。
台風やハリケーンについてはその頻発化も激甚化も起きていない。
大雨についても雨量は増えていないか、せいぜい数%増えたに過ぎず、激甚化などと言う程のものではない。 

日本の CO2ゼロの意味は 
150年前に比べて CO2濃度が1.5倍になり気温が1度高くなったことはおおむね事実だ。 
そして気候危機説の論者はあと0.5度上がり1.5度高くなれば破滅的だという。
ではもしそうならば既に1度気温が上昇したことで、その前兆は現れているのか。
統計が示すのは真逆のことだ。
気象災害による死亡数は、過去100年にわたり、世界全体で減少を続けてきた。
防災インフラが整備されたからだ。
米、小麦、トウモロコシといった穀物の収穫量は世界で増大を続けている。
肥料・農薬や品種改良などの技術進歩のおかけだ。
シミュレーションによる不吉な未来予測はある。
だがその数値モデルは過去の観測・統計で十分に検証できていないものばかりだ。
地球環境のような複雑な問題ではモデルよりも観測と統計こそ重要だ。
そのいずれも気候危機の兆候など示していない。 
いま、公の場で気候危機説に少しでも疑いを挟むと悪者にされる。
一方で重要な人物が明白な偽情報を流布し政府やメディアも同調するというのは深刻な事態だ。 
IPCCの数値モデルを信じても1兆トンの CO2排出で約0.5度の気温上昇にしかならない。
日本の CO2排出は年間約10億トンなので、これを2050年ごろまで30年間継続すれば300億トンとなる。
30年でゼロにするとしても、この半分の150億トン(0.015兆トン)の削減に伴う気温低下は0.5度に0.015をかけた0.075度とわずかだ。 

エネルギーのデリスキング 
日本は気候変動よりもはるかに深刻なリスクに直面している。 
先進7ヵ国首脳会議(G7広島サミット)は、半導体等の軍事転用の恐れがある機微技術について輸出規制をするなど、中国を念頭としたデリスキング(リスク低減)で足並みを揃えた。
日本は台湾有事という切迫した脅威と、共産党独裁対民主主義の体制間競争という長く困難な戦いに直面する。
このためには防衛力の強化はもとより、経済の中国依存の低減、製造業の強化が肝要だ。 
防衛装備も半導体製造設備も幾千もの製造業者が支えている。
エネルギー等のコストを下げ、研究開発、設備投資、人材確保を促す強力な政策が必要だ。 
経済の中国依存は台湾有事への抑止力を毀損するから低減が必要だ。
日本の中国依存が強いほど、中国は台湾有事への日本の介入を政治工作によって抑止しやすくなる。
更には速やかに台湾を統一し既成事実化すれば日本は経済制裁しないと読むだろう。
欧露の経済相互依存はウクライナでの戦争を抑止できず、むしろ招いた。 
日本は、脱炭素一辺倒をやめ、中国のリスクを踏まえ再構築すべきだ。
強い製造業のためには電気代は安くなければならず、原子力は有効だ。
化石燃料が途絶しても発電を続けることができ、有事への備えにもなる。
安全が求められるのはもちろんだが、安全保障上のメリットも重要だ。 
太陽光や風力発電は化石燃料の節約にはなる。
しかし有事において電力インフラが攻撃を受ける中でどの程度役に立つかは未知数だ。
再生可能エネルギーは火力発電などによって周波数が安定していない限り利用できないからだ。 
太陽光パネルや電気自動車用のバッテリーの輸入等により、中国依存を深めるのも明らかにマイナスだ。
中国の鉱物や製品に依存した再生可能エネルギー等の大量導入はただちにやめるべきだ。

 



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