文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

我が国の防御体制を一刻も早く確立しなければならない時に…立憲民主党を筆頭にした野党が「桜を見る会」等と言う騒動を繰り広げ…朝日新聞やNHK等が、これをフォローしている態様は

2019年12月08日 16時46分51秒 | 全般

以下は前章の続きである。
脅かされる日本の海 
北朝鮮は軍事的な圧力とともに、漁業において日本への侵出を強化している。 
北朝鮮の漁船団が大和堆と呼ばれる日本海中央部の好漁場を席巻し、我が物顔に振る舞い、日本漁船を漁場から締め出しているのだ。
大和堆は、日本のEEZ内にあり、他国の船が漁を行う場合には、日本政府の許可もしくは合意を必要とする。
しかし、北朝鮮は、この海域に無断で侵入し漁を行い、イカをはじめとした魚介類を獲り尽くしそうな勢いである。 
その多くは、潮流のあるところに網を張り、流れに乗る魚介類を一網打尽にする「流し網漁」という方法であり、乱獲、混獲の要因となるため、世界的に規制が進められている漁法である。
さらに、流し網漁ではカニも捕獲している。
ロシアに拿捕された北朝鮮漁船からは、六トンのイカとともに六百キロのカニが発見されている。
カニは、中国や韓国に密輸されているようだ。
北朝鮮は、自国の目先の利益だけを求め、他国の海域の水産資源をも奪い尽くそうとしているのだ。 
しかし、北朝鮮の漁船団は、単純な漁民ではない。
経済制裁が続く北朝鮮において、船の燃料は高価なものであり、また、手に入れることすら難しい。
燃料は軍の管理下に置かれ、軍の指示を受けた漁師が日本海に出漁しているのである。 
時折、北朝鮮問題に詳しいと称する評論家は、北朝鮮ではイカが高値で売れるため、利益を求めて軍と癒着した漁民が、大和堆まで出漁しているなどと、まことしやかに話している。
しかし、北朝鮮漁船の大和堆侵出を、海洋問題の視点から分析すると、この情報は事実とは異なるようだ。 
確かに北朝鮮においてイカ漁は、一つのブームになっている。
しかし、それは沿岸で獲り、生のままで取引をするイカのことである。
実際に、北朝鮮評論家が示す写真や映像は、生のまま陸揚げされている時の様子であり、大和堆の漁業とは異質のものだ。 
北朝鮮本土から大和堆までは、片道約500キロに及び往復で1000キロを超える航海となる。
片道2日の航海であり、燃料代も高額である。
北朝鮮漁船には冷蔵設備がないため、生のままでは本国に持ち帰ることはできない。
そこで、船上で干物に加工しているのだ。
加工するには労力と時間を要するが、干物では高額の取引が望めない。
採算に合わない漁業なのだ。 
ただし、軍が燃料を拠出し、ただに等しい労力を活用するならば、大和堆への出漁も可能だろう。
大和堆への出漁は、北朝鮮政府の指示により軍の管理下で行われていると考えるのが妥当だ。
今年の夏以降、北朝鮮漁船は大和堆を自国のEEZ内であると主張するようになった。
八月には北朝鮮の小型ボートの搭乗員が、大和堆海域において海上保安庁の巡視船に小銃の銃口を向ける事件が起きた。 
そして、北朝鮮国内では、不当な取り締りを行う日本の巡視船を北朝鮮のEEZから排除したと発表しているのだ。 
さらに、北朝鮮は、自国のEEZ内で漁を行う権利を中国の企業に売却している。
そのため、日本海では、千隻を超える中国漁船が操業しているのである。
この中国漁船団は北朝鮮海域だけではなく、日本のEEZ内にまで侵入し、イカを獲り続けているのである。 
また、この中国漁船団の中には、合計1万人を超える中国人が乗船している。
彼らのほとんどは軍事訓練を受けており、海上民兵として軍事的な活動をすることも考えられる。 
日本海の洋上には、日本漁船を凌駕する中国および北朝鮮の漁船・漁民が存在し、日本の海を脅かしているのだ。
制約される公海上の警察権 
10月7日、大和堆海域に侵入した北朝鮮漁船と思われる鋼鉄船と水産庁の漁業取締船が衝突する事故が起きた。
北朝鮮漁船は、強引に取締船の前方を横切ったため衝突し、船体が損傷し沈没したのだ。
沈没した船の乗員は、取締船と水産庁から連絡を受け急行してきた海保巡視船により救助され、北朝鮮の僚船に引き渡され帰国している。
この事件に接し、多くの国民は、なぜ不法操業の恐れがあり、自ら衝突してきた北朝鮮漁船の乗組員を取り調べもせずに送り返したのか、不審に思ったことだろう。 
EEZ内において、沿岸国は漁業にかかわる警察権を持つことが認められている。
そこで、水産庁漁業取締船に、漁業取締だけに限定した司法警察権が委ねられている。 
しかし、水産庁が対処できるのは、不法操業など漁業に関することだけであり、海上で発生した殺人や傷害、器物破損など漁業に直接かかわらない事件に対応する警察権は認められていない。 
海上における全般的な警察権を持っているのは、海上保安庁であるが、海保の警察権が原則として認められるのは、沿岸から12海里(約22.2キロ)までの領海内、もしくは日本籍船の船上に限られている。
公海上における沿岸国の犯罪への対応には、国際法上の制約が多いのである。
極めて象徴的な事例を紹介したい。 
2002年、日本の船社が所有するタンカーTATJIMA号が、ペルシャ湾から姫路港に向けて台湾沖の公海上を航行中に、日本人の航海士が行方不明になる事件が発生した。この事件では、二人のフィリピン人船員が航海士を殺害し海に投げ込んだとの目撃証言があり、この二人のフィリピン人は船長権限により、船内において身柄を拘束された。
国際法では、公海を航行中の船舶における警察権は、船籍国が持つことになっている。
TAJIMA号がパナマ船籍であったため、日本の海上保安庁は、船上での警察権を持たず、海保はパナマ政府からの要請という形をとり、二人のフィリピン人を逮捕した。そして、船上の犯罪の裁判権は船籍国にあるため、逮捕された二人はパナマに送致された。
二人は、パナマで行われた裁判において、日本での自供を翻した。 
さらに、目撃した証人もパナマの法廷に出廷しなかったため二人は無罪となった。
日本人が殺されたにもかかわらず、日本政府は、その容疑者を裁くことができなかったのだ。
この事件を契機として、日本国政府は、外国において日本人が犯罪に巻き込まれ被害者になった場合、殺人傷害、強盗、強制猥褻などの凶悪犯罪に限り、主権国の了解を得て、日本で訴追できるように刑事訴訟法の改正を行った。
しかし、今回の事件は、北朝鮮による不法操業の確証はなく水産庁が取り締ることができなかった。 
また、衝突事件は器物破損程度であり、海保の捜査の対象外となったのである。
さらに、犯人が乗る船は公海上の北朝鮮籍船であり手出しができないのだ。 
今回の衝突事件を深く追及すると、水産庁取締船が密漁の証拠もなく、敵対していない漁船に対し、放水をしたことになりかねない。 
取締船が漁船の左から近づいたため、他船を右に見る船が衝突予防のために回避行動をとることを定めている航行安全原則を犯したことになる。
そのため、海上保安庁は、水産庁取締船の船長に対して事情聴取を行っている。 
いずれにしても、事故の最終的な原因は、北朝鮮漁船からの衝突であり、非は北朝鮮側にあるが、水産庁の取締活動の改善も求められるところだ。
朝鮮の意図は闇の中 
今回、事故にあった水産庁取締船は、民間から借り上げた船である。
船長は、元水産庁職員であるが、あくまでも民間人である。
乗船していた水産庁職員は、一名の監督管理官だけである。
民間人の操船する船が国境海域の警備の任務に当たっているのである。
元警察官のタクシードライバーが、パトカーを運転しているような話だ。 
水産庁の取締船は武装していない。
前述のように北朝鮮漁船は武装している可能性が高く、丸腰の民間人を北朝鮮に対峙させることは危険すぎる。
水産庁の役割は、沿岸部の密漁対策に限定し、危険海域の警戒任務は、海上保安庁に集約すべきである。 
ただ、気になるところは沈没した北朝鮮漁船の行動目的である。
沈没した漁船には、新しいレーダーアンテナが装備されていたことから、北朝鮮側は、水産庁取締船の存在を確認していたことが推察できる。 
あえて取締船を威嚇もしくは、挑発するために接近したと考えられる。
北朝鮮国内向けプロパガンダのため、日本の取締船に北朝鮮船が果敢に挑み、海域から排除しているかのように行動したのだろう。 
もしくは、不法操業船の支援のため、一隻で囮になり取締船の行動を妨害していたことも考えられる。
北朝鮮漁民が、帰国してしまった以上、北朝鮮の意図は闇の中である。 
また、今年も北朝鮮からの漂流・漂着船が日本の沿岸部に姿を見せている。
2018年に漂着した船の数は225隻に上り、内、5隻から12人の遺体が見つかっている。
この漂着船が荒天により遭難したものであれば、2000人以上が海に投げ出され、もっと多くの遺体が流れ着くはずである。
漂着した漁船の中には、エンジンルームが居住空間に改造されていたり、エンジンが当初から搭載されていない船も多く、日本に密入国している北朝鮮人がいることが危惧される。 
沿岸域の警備の強化も不可欠である。
海保と警察の連携を強化するとともに、警戒任務に限定するのであれば、海上自衛隊の投入も可能だろう。
既存の概念を超えた海上安全促障体制の整備が急務である。
日本の領海と排他的経済水域を合わせた面積は、世界第六位の広さを持つ。
しかし、この広い海域を守る海上保安官は、約13,000人ほどである。
中国や台湾より、海洋警備機関は少人数なのだ。
政府は、海上保安官の定員を増やしているが、人材育成が追いついていない。 
海上保安庁は、1000人ほどの欠員を抱えた状態である。
海保、海自などの海上安全保障機関の大胆な再編成が必要である。

*貴重な本物の学者の一人である山田吉彦氏が、この労作で指摘している我が国の隣国である中国、北朝鮮及び韓国が、このような情勢にある時、つまり我が国の防御体制を一刻も早く確立しなければならない時に、正に、この様な時に、立憲民主党を筆頭にした野党が「桜を見る会」等と言う騒動を繰り広げ、日本を中国と朝鮮半島に売り渡し続けて来た朝日新聞やNHK等が、これをフォローしている態様は、単なる偶然ではないのである。彼らは完全に中国や朝鮮半島の工作下にあると言っても全く過言ではない。*

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