文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

本当は安全保障問題が政治の最優先事項なのに、国民の生活を豊かにしますとか、格差を是正しますとか、そんな国民にこびることばかり言っているのはその証拠です。

2023年04月07日 11時30分12秒 | 全般
リベラル全体主義が日本を破壊する…中国の習近平政権は台湾を取りに来るか
2022年04月23日に発信した章である。
再発信する。
以下は3/31に出版された下記の本、リベラル全体主義が日本を破壊する、からである。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
p123~p137
中国の習近平政権は台湾を取りに来るか
阿比留 
中国の習近平主席は、すでに2018年に国家元首の任期を無期限とする決定が中国共産党の最高指導機関である「共産党中央委員会」で決まった。
これまでは国家主席の任期は2期10年と決まっていて、習近平は2023年に任期を終えるはずだったが、これによって今後は終身の国家元首となる可能性がある。
少なくとも3期目の就任は確実視されていて、5年に1度の党大会が今年開かれますが、そこでさらに毛沢東も務めた党主席を復活させて、その座に習近平がつこうとしているようです。 
習近平は、2021年には歴史決議を出して毛沢東、鄧小平に並ぶ存在になっているが、彼には建国の指導者である毛沢東や改革開放を実現した鄧小平に並ぶだけの実績がない。
そうなると台湾統一くらいしか、習近平が歴史に名を残す手立てはないことになる。
だから、中国の台湾侵攻はいつあってもおかしくない。しかし、いまのところ予測がつかないですね。
高山 
尖閣はあるでしょう。
中国がなんで日本の尖閣諸島をいじり回し、台湾に圧力をかけているかといえば、いまの習近平の中国の経済事情がかなり悪くなっているというのもあるけれど、いま問題なのは、台湾も含めて、ウイグル、チベット、モンゴル、満洲が「いつから勝手に中国が支配するようになったのか」と主張するようになっている。
中国が台湾問題で騒いでいるのは、「台湾に侵攻するぞ」とブラフをかけておいて、世界の耳目をそちら側に移させるためではないか。
「ウイグルや東トルキスタンが、なぜおまえら中国のものなのか」というところに議論を波及させないような工作のために台湾を使っているような気もする。
阿比留 
そうかもしれないけれど、習近平が毛沢東を超えるには台湾を取るしかないというのは衆目の一致するところだし、国内で粛清を進めて権力を集中させていることに対する反感を抑えるためにも台湾という実績が必要なのは確かのように見えます。
高山 
いや、どうだろう。
そこまでやるほど、習近平の地歩が固まっていると思いますか。
阿比留 
いま習近平がやっている言論封殺にしても映画とか学習塾の規制とかいうのは、もう完全なまごうことなき独裁者のやり方ですから、それに見合った実績がどうしても必要になる。
高山 
いままで中国人民は農奴にすぎなかった。それが朝、卵焼きを食う習慣がついてしまった。
要するにいったん贅沢を知った国民を抑之込むには、毛沢東が抑え込む以上にたいへんなことになっている。
それで、いきなり映画女優の財産を奪うような目立つことをいろいろやっていて、「共同富裕」でみんなが豊かになろうというようなことを言い出している。
あれは苦しまぎれにしか見えない。
台湾に侵攻するほどの実力が本当にあるのなら、国民にはもっと自由を与えて、それこそじっと黙り込んで好きにやるだろう。ところが、いまは話題になるぐらい締めつけをやっている。
台湾に飛行機を飛ばしてみたり、尖閣には船を出してみたり、宮古島の南にはたくさんの潜水艦を浮かべてみたり、なぜそこまで演出するのか。
朝鮮と同じで、あれはデモンストレーションにすぎない。
阿比留 
でも、いま高山さんが言ったような合理的な考え方を習近平がしているかどうかというと、私はあやしいと思っています。
香港において国家安全法で人権派の人間をつぶしていくやり方にしても、世界中から反発を食らって嫌われるに決まっていることをあえてやっていました。
あれはデモンストレーションではなく、本当にやっていますからね。
高山 
一説に習近平には脳障害がある。その異常性で突っ走ると、もうそれをとめる人間が党内にいないとも言われる。
阿比留 
中国の権力闘争はそれこそ熾烈ですから、普通の精神状況ではないんじゃないかと思います。
高山 
しかし台湾を武力でとろうとしたら、ただではすまない。
それこそクアッドが生きてきて、日本も防衛費を2倍にする方向に歩み出して、状況は急激に変わってきているからね。
阿比留 
しかし、一方で今回のコロナをきっかけに、習近平は違う意味で自信を深めていると思います。
コロナが武漢から出たとか、実は人エウイルスじやないかということには困っているかもしれない。
でも、自分たちの国は全体主義体制で比較的うまく抑え込めたが、アメリカも含めて西側の民主主義国家は全然だめだ。
「やっぱり自分たちのほうがやり方は正しい。しかも強い」という思いも深めている気がします。
高山 
実際にやりそうだと。
阿比留 
私はやるんじゃないかと思っています。
ただ、頭がおかしくても少しは理性があるわけですから、そこでなんらかの判断は当然します。
たとえば韓国から米軍が撤退する可能性がかなり出てきています。
すぐに撤退しなくても、段階的縮小を経て撤退。それがもう少し進んでからのほうがいいなどと、いろいろなことを考えると思います。
金正恩も含めて北朝鮮は歴史的に中国が大嫌いですが、それは援助とプライドを立てるやり方次第かもしれません。
高山 
超音速飛翔体を含む各種のミサイル兵器を北朝鮮が独自で開発できるわけがないので、おそらく中国とロシアが送り込んでいる。
潜水艦発射ミサイルなんて、相当な技術力がないとできないから。
阿比留 
かと思うと、一方で北朝鮮は自国の通貨も刷れなくなって、幹部への配給品までなくなったといいます。
あそこはもともとめちゃくちゃな国だったけれど、韓国の文在寅政権の動きを見ていると北に吸収されそうな感じです。
この3月に韓国の大統領選挙がありましたが、左派の「共に民主党」の李在明候補がもし通っていたら、おそらく北との連邦制みたいな形になっていったでしょう。
数年後には、高麗民主連邦共和国の誕生です。
高山 
「共に民主党」が政権を取っていたら、数年後に南進の可能性があったということか。
阿比留 
南進しなくても、連合政府を組めばいいという話です。
勝手に南が北に吸収されて、いつの間にか全部、北化する。

高山 
韓国が原子力潜水艦をつくるといっている。
潜水艦からSLBMを発射できる装置も開発した。

そうなると韓国の原潜に北の核を載せるというわけだ。
ちょっと前に民団の人間から、そういう話を聞きました。

阿比留 
金日成の書いた韓国民主化、高麗連邦のための手順を文在寅は明らかに着実に踏んでいましたからね。
アメリカを撤退させたいというのは「共に民主党」のコンセンサスです。
高山 
韓国の国民はそれに賛成するわけがないと思う。
実際に僅差だったけど、左派に政権を取らせなかった。
阿比留 
国民はほとんど何も考えていません。
北朝鮮の核は自分の核だと思っていますから。
高山
確かに同じ台詞を民団の連中から聞いたことがある。
「日本人はコワいでしょう」とか言っていた。
阿比留 
リチャード・ローレス元米国防副次官とかが数年前に、米軍は近い将来に撤退すると書きました。
そうなったときに核の傘を韓国が必要だとしたら、北朝鮮か中国しかないわけです。
高山 
たぶん北の核を使うだろう。
それは台湾海峡よりも、はっきりした未来かもしれない。
かつては釜山沖が境界線だったから、いままでは韓国があるから韓国に任せておけばいいということだったけれど、もうそれは通用しない。
38度線が対馬海峡まで降りてくると覚悟しないといけない。
そういう意味で、日本弧は日本人が守らなければならないということがはっきりしてくる。
阿比留 
対馬と五島列島は要塞化しなければいけない。
高山 
いま宮古島や石垣など南西諸島に自衛隊の基地をどんどんつくっています。
あの海域にある島々に日本のミサイル基地があれば、かなりの抑止力になる。
もし中国の艦船が来たら、みんな沈没させられる。
南西諸島にミサイルをどれだけ配備できるかという話になる。  
安全保障環境の激変に日本人の意識が追いついていない
阿比留 
おもしろいことにミサイルの射程延伸問題で、山口那津男と河野太郎は同じことを言っていました。
敵基地攻撃能力は古い昭和の考えだ、と。
古い考えだと言うなら、どうするのかといっても対案は何もない。
対案のないところまで同じなんです。
高山 
あの敵基地攻撃能力というのは、明らかに「台湾海峡の平和と安定」のためもあるけど、中国がその対象にある。
長距離のミサイルをつくれというのはアメリカの要求でもある。
国民が心配しているのは、新聞記事で見ても、中国船がどこへ来たとか、尖閣はどうのとか言うけれど、津軽海峡をロシア艦隊が通過した。
阿比留 
あそこは国際海峡だから、無害通航なら一応問題ないことになっている。
高山 
一番北の宗谷海峡は、国際的にはラーペルーズ海峡と言う。
宗谷海峡、津軽海峡、関門洵峡、宮古海峡のあたりは全部、日本が掌握していなければいけないところで、過去はそれをやってきた。
スターリンが第二次大戦中に、「津軽海峡と宗谷海峡と対馬海峡をわれわれは握らなければならない」、と言っていた。
北海道を侵略して領土化し、その上で日本海の制海権も取るという意味だ。
つまり、そういう危機がずっと内在化していた。それがいま出てこようとしている。
それなのに、野党の宣伝文句が「夫婦別姓」だということ自体が、もはや政治を論ずる、政権をゆだねるにたるような政党ではないことをまさに証明している。
野党は格差だから分配しなければいけないという。
しかし、分配もいいけれど、日本みたいに生活保護世帯のほうが、普通に働いている人よりも豊かな国はない。
外国人である韓国人にまで生活保護をくれてやっている。あんなのは早くやめるべきだ。
在日に生活保護を出すというのは、たしか課長クラスの行政命令でできる。今度、大臣の名でやめてしまえばいい。
いまの日本の政治は、国家の安全保障をないがしろにして、福祉の問題に矮小化されてしまっている。  
阿比留 
テレビのワイドショーしか見ていない主婦層は、そういう意識から抜け切れていませんね。
基本的に言うと、安全保障環境のあまりの激変ぶりに、日本人の意識がまったく追いついていないと思います。
政治の言説も追いついていない。
本当は安全保障問題が政治の最優先事項なのに、国民の生活を豊かにしますとか、格差を是正しますとか、そんな国民にこびることばかり言っているのはその証拠です。
高山 
政治家の発想が内向きすぎる。
内向きの政治に安住している。
いまの日本の政治状況で一番重要なのは、先ほども言ったように、これから中国が出てきて、台湾海峡で何か起こすかもしれないという大きな安全保障環境の変化の中で、日本はどれだけ行動できるかにかかっている。
アメリカははっきりと貢献しろと言っている。
ジョー・バイデン政権は「俺はやる気がないから、日本が自分自身でやれ」と言っている。
極端に言えば、アメリカがアフガンから撤退したのと同じことが東アジアでも起きるということじゃないか。
トランプ大統領のときには、欧州のNATOの国々には軍事費を2%にしろと言ったが、日本には何も言わなかった。
トランプはなぜ日本にこれを言わないのかと不思議に思っていたら、バイデンが大統領になって2%以上とはっきり言い出した。
この数字が堂々と出てきたけれど、日本人がそれを見てそんな大騒ぎもしなかった。
そこにやはり高市効果というか、徐々に目覚めてきたと思いたい。
いずれにせよ、どんな程度であれ、いまから日本大改造しないといけない。
それこそ自民党が派閥を再編成して、本気で憲法改正に取り組む。
いままでは自堕落だった援助なんかいっさい打ち切って、中国、韓国とは縁を切っていい。
因みに今年で対中国ODAがようやく終わった。一体何であんな国に奉仕したのか考えたいね。
この間亡くなった石原慎太郎が、「中国へ行って儲けようと思うな」と言った。
そういう普通のことを当たり前にやらないといけない。
阿比留 
だから、そのためにも経済安全保障が問題になってくる。
コロナのマスク一つ取っても、中国から輸入できなくなったら日本は全然足りなくなってしまった。
そういうことをさせないためのサプライチェーン再構築が経済安全保障ですから。
もうかなり遅いれど、やらないよりはずっといい。
高山 
ようやく気がついてやり始めた。緒についた。
せっかくいい流れになったんだから、ほかの問題も全部、緒につけようとしないといけない。

同盟は大事だが、アメリカを頼りにするのはもうやめよう
高山 
元TBSの山口敬之がワシントンを再訪して『中国に侵略されたアメリカ』(ワック)という本を出している。
読んでみると、本当にアメリカも変わったみたいで、総崩れになっている。
そうしたアメリカ事情も、産経新聞でも読売から来た記者の書いたものを見ても、全然ぴんと来ない。
日本の新聞社の国際報道は質の低下が激しい。新聞を見ていても世界の変化がまったくわからない。
アメリカは、コロナ感染もひどいけど、バイデン大統領のボケぶりもかなりひどい。
カマラ・ハリスを副大統領にしたのは、バイデンはすぐに認知症で退陣させて、ハリス大統領にするという話だった。
そして一気に共産化すると思っていたけれど、みんなカマラを敬遠し、そうはならなくなった。
カマラ・ハリスが予想以上に無能で何もできないのがわかったからだ。
阿比留 
カマラ・ハリス副大統領は、逃げるのだけは得意だと言われています。
高山 
ハリスを最高裁判事にまつり上げるとか言っていた。
バイデンがひっくり返っても、ハリス大統領は実現しないという方向にある。ちょっと安心した。
阿比留
バイデンはかなり昔からボケ老人と言われていました。
オバマ政権のゲーツ元国防長官は回顧録でバイデンについて「彼は過去40年間、ほとんどすべての重要な外交施策と安全保障に関する判断で過ちを犯してきた」と赤裸々に記しています。
トランプ時代と違って側近にはプロの官僚たちが脇を固めているので、ちゃんとしているように見えますが、いまのところ失敗続きです。
国務長官のアントニー・ブリンケンや安全保障担当補佐官のジェイク・サリバンはオバマ政権時代にもいたプロの外交官ですが、アラスカに呼び寄せた楊潔鏡に怒鳴りまくられてかたなしでした。 
高山 
トランプ時代に逮捕したファーウェイの孟晩舟もカナダ人の人質と交換で凱旋帰国させてしまった。
阿比留 
その意味では、トランプは習近平を自分の別荘のマールラーゴに呼んだタイミングで、わざとシリアにミサイル攻撃をしかけましたからね。
あれには習近平も相当ビビった。
北朝鮮の金正恩も最初にシンガポールでトランプに会う直前のようすを見ると明らかにビビって少し震えていた。
高山 
あのトランプによる金正恩斬首作戦はバイデン政権でもまだ生きているんだろうか。
阿比留 
バイデンはオバマ政権が実行したウサマ・ビン・ラーディンの斬首作戦に反対した男ですからね。
高山 
あの作戦のときにオバマ大統領を始め政権の閣僚たちが司令室でみんなで見ているときには入っていたはずだけれど。
阿比留 
写真を見ると1番左はじに写っていますけれど、バイデンはあの作戦に反対していたのをオバマが押し切ったんです。
2013年の年末に安倍さんが靖国参拝したときに批判したのも副大統領のバイデンだった。
そのあと2015年の年末に韓国との慰安婦合意をしかけたのもバイデンです。
ただ、日韓慰安婦合意のときのバイデンは、オバマ政権が9月に航行の自由作戦を開始して、対中強硬路線に政策を切り替えたときだったから、日本の安倍首相より韓国の朴槿恵大統領に厳しかった。
そのときに日本側で慰安婦合意のとりまとめに汗をかいたのが官房長官たった菅さんです。
だからバイデン・菅はいい関係だったわけです。

トランプ政権もそうだったし、元をたどればオバマ政権からアメリカはもう二正面作戦ができなくなっています。
温暖化問題で化石燃料がこれから必要なくなるのと、すでにアメリカはシェールガスで石油輸出国になっているので中近東を影響下においておく必要がなくなった。
NATOにも関わりたくないので、アジアピボットでアジアに軸足を移すというのが基本戦略になっている。
それは日本にとっては好都合だったのだけど、アメリカに余力がないのでそのすきを今回、ロシアのプーチンにつかれた。
要するにバイデン政権のやっていることは、「もうアメリカは世界の警察官はやらない。本国に戻ってアメリカファーストでいくから、安全保障は自分たちでちゃんとやれ」ということだけなんです。
この稿続く。
 
 
2023/4/4, in Kyoto


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