本章はGoogleで検索被害を受けていた。
再発信する。
江崎道朗氏の著作が歴史的な名著であることは言及して来たとおり。
この章の題名通りの工作が今も日本のメディアや所謂文化人たちに為されている結果が朝日やNHK等や野党政治屋達の態様であると考えれば、物事の真相がたちまち明らかになるのではないか。
見出し以外の文中強調は私。
日本を分裂させ、相互不信を増幅せよ
加藤哲郎氏の研究によると、OSSは日米開戦の前から日本に関する情報を収集していた。
1942年2月にはその成果を、全40章、378頁におよぶ報告書にまとめあげている。
「日本の戦略的概観」というこの報告書は日本の百科全書とも呼ぶべき網羅的なもので、人口、国内・満洲・中国占領地域・海外の委任統治領などを含めた日本の支配地域に居住するエスニック集団、言語、国民性、生活状態、労働条件、公衆衛生、教育、宗教、公共秩序と警察、新聞、政府、政党、外交、経済など、幅広くかつ詳しく分析していた。
相手国を支配しようと思えば、このように徹底的に相手国について研究するものなのだ。
日本では、アメリカへの対応をめぐって「親米」か「反米」かという議論が長らく行なわれてきたが、その視点の低さに落胆を禁じえない。
なぜ、アメリカを徹底的に研究し、アメリカにどう影響力を行使するのか、という議論が生まれてこなかったのか。
「敵国」日本について徹底的に研究したOSSは、1942年6月3日付で「日本計画」(最終草稿)というプロパガンダ戦略を作成している。
加藤哲郎氏によれば、そこでは、次の4つの政策目標が掲げられた。《1 日本の軍事作戦を妨害し、日本軍の士気を傷付ける、
2 日本の戦争努力を弱め、スローダウンさせる、
3 日本軍当局の信頼をおとしめ、分裂させる、
4 日本とその同盟国及び中立国を、分裂させる》
これらを達成するため、「日本計画」は次の8つの宣伝目的を定めている。
《1 日本人に、彼らの政府や日本国内のその他合法的情報源の公式の言明への不信を増大させること、
2 日本と米国の間に、戦争行動の文明的基準[civilized standards of war conduct」を保
持すること、
3 日本の民衆に、彼らの現在の政府は彼らの利益には役に立っていないと確信させ、普通の人々が、政府の敗北が彼ら白身の敗北で あるとはみなさないようにすること、
4 日本の指導者と民衆に、永続的勝利は達成できないこと、日本は他のアジア民衆の必要な援助を得ることも保持することもできないことを、確信させること、
5 日本の諸階級・諸集団間の亀裂を促すこと、
6 内部の反逆、破壊活動、日本国内のマイノリティ集団による暴力事件・隠密事件への不安をかき立て、それによって、日本人のスパイ活動対策の負担を増大させること、
7 日本とその枢軸国とを分裂させ、日本と中立諸国との間の困難を促進すること、
8 日本の現在の経済的困難を利用し、戦争続行による日本経済の悪化を強調すること)
「日本計画」は、「天皇制を廃止せよ」というノーマンやビッソンとは異なり、「天皇制」を活用して日本を解体しようというものだ。また、天皇を直接に非難することは連合軍の戦争遂行のためのプロパガンダとして適切ではないと分析していた。
「日本計画」最終草稿が具体的な宣伝目的として次のような項目を掲げているのは、その現れである。
《(d)日本の天皇を(慎重に、名前を挙げずに)、平和のシンボルとして利用すること「T0 use the Japanese Emperor(with Caution and not by name) as a peace symbol」
(e)今日の軍部政権の正統性の欠如と独断性、この政府が、天皇と皇室を含む[including the Emperor andhis House]日本全体をきまぐれに危険にさらした事実を、指摘すること、
(g)日本に対して、我々が勝利した場合の、戦後の繁栄と幸福[post-ear prosperity and happiness] を約束すること》]
この「日本計画」の基盤にあるのは、マルクス・レーニン主義が唱えた階級闘争に似た、二分法である。
階級闘争史観では、ブルジョワなど支配階級とプロレタリアートなど被支配階級を明確に二分化し、支配階級を「敵」と決めつけ、敵の徹底的な破壊をめざす。
対日戦略でも、日本を二つに「分断」し、その対立を煽って弱体化させ、支配していくことをめざしたのだ。
まさに分断統治(分割統治)である。
ただし「二分」する方法は、ビッソンやノーマンらとOSSとでは異なっていた。
ビッソやノーマンらが、「天皇を中心とした支配層」と一般の人民」を分けているのに対して、「日本計画」は「天皇・一般の国民」対「軍部」に二分しようとしたのである。
「日本計画」では天皇を平和のシンボルとして連合国のプロパガンダに利用するために、明治天皇の立憲君主としての側面を強調し、昭和天皇が満洲事変にも日独伊三国同盟にも反対していた事例を宣伝の根拠として利用する戦略だった。
「日本計画」は天皇への攻撃は避けつつも、前述の8つの宣伝目的の5や6からは、日本国内のあらゆる勢力を利用して騒擾と分断を引き起こすことをめざしていたことが読み取れる。
江崎道朗氏の著作が歴史的な名著であることは言及して来たとおり。
この章の題名通りの工作が今も日本のメディアや所謂文化人たちに為されている結果が朝日やNHK等や野党政治屋達の態様であると考えれば、物事の真相がたちまち明らかになるのではないか。
見出し以外の文中強調は私。
日本を分裂させ、相互不信を増幅せよ
加藤哲郎氏の研究によると、OSSは日米開戦の前から日本に関する情報を収集していた。
1942年2月にはその成果を、全40章、378頁におよぶ報告書にまとめあげている。
「日本の戦略的概観」というこの報告書は日本の百科全書とも呼ぶべき網羅的なもので、人口、国内・満洲・中国占領地域・海外の委任統治領などを含めた日本の支配地域に居住するエスニック集団、言語、国民性、生活状態、労働条件、公衆衛生、教育、宗教、公共秩序と警察、新聞、政府、政党、外交、経済など、幅広くかつ詳しく分析していた。
相手国を支配しようと思えば、このように徹底的に相手国について研究するものなのだ。
日本では、アメリカへの対応をめぐって「親米」か「反米」かという議論が長らく行なわれてきたが、その視点の低さに落胆を禁じえない。
なぜ、アメリカを徹底的に研究し、アメリカにどう影響力を行使するのか、という議論が生まれてこなかったのか。
「敵国」日本について徹底的に研究したOSSは、1942年6月3日付で「日本計画」(最終草稿)というプロパガンダ戦略を作成している。
加藤哲郎氏によれば、そこでは、次の4つの政策目標が掲げられた。《1 日本の軍事作戦を妨害し、日本軍の士気を傷付ける、
2 日本の戦争努力を弱め、スローダウンさせる、
3 日本軍当局の信頼をおとしめ、分裂させる、
4 日本とその同盟国及び中立国を、分裂させる》
これらを達成するため、「日本計画」は次の8つの宣伝目的を定めている。
《1 日本人に、彼らの政府や日本国内のその他合法的情報源の公式の言明への不信を増大させること、
2 日本と米国の間に、戦争行動の文明的基準[civilized standards of war conduct」を保
持すること、
3 日本の民衆に、彼らの現在の政府は彼らの利益には役に立っていないと確信させ、普通の人々が、政府の敗北が彼ら白身の敗北で あるとはみなさないようにすること、
4 日本の指導者と民衆に、永続的勝利は達成できないこと、日本は他のアジア民衆の必要な援助を得ることも保持することもできないことを、確信させること、
5 日本の諸階級・諸集団間の亀裂を促すこと、
6 内部の反逆、破壊活動、日本国内のマイノリティ集団による暴力事件・隠密事件への不安をかき立て、それによって、日本人のスパイ活動対策の負担を増大させること、
7 日本とその枢軸国とを分裂させ、日本と中立諸国との間の困難を促進すること、
8 日本の現在の経済的困難を利用し、戦争続行による日本経済の悪化を強調すること)
「日本計画」は、「天皇制を廃止せよ」というノーマンやビッソンとは異なり、「天皇制」を活用して日本を解体しようというものだ。また、天皇を直接に非難することは連合軍の戦争遂行のためのプロパガンダとして適切ではないと分析していた。
「日本計画」最終草稿が具体的な宣伝目的として次のような項目を掲げているのは、その現れである。
《(d)日本の天皇を(慎重に、名前を挙げずに)、平和のシンボルとして利用すること「T0 use the Japanese Emperor(with Caution and not by name) as a peace symbol」
(e)今日の軍部政権の正統性の欠如と独断性、この政府が、天皇と皇室を含む[including the Emperor andhis House]日本全体をきまぐれに危険にさらした事実を、指摘すること、
(g)日本に対して、我々が勝利した場合の、戦後の繁栄と幸福[post-ear prosperity and happiness] を約束すること》]
この「日本計画」の基盤にあるのは、マルクス・レーニン主義が唱えた階級闘争に似た、二分法である。
階級闘争史観では、ブルジョワなど支配階級とプロレタリアートなど被支配階級を明確に二分化し、支配階級を「敵」と決めつけ、敵の徹底的な破壊をめざす。
対日戦略でも、日本を二つに「分断」し、その対立を煽って弱体化させ、支配していくことをめざしたのだ。
まさに分断統治(分割統治)である。
ただし「二分」する方法は、ビッソンやノーマンらとOSSとでは異なっていた。
ビッソやノーマンらが、「天皇を中心とした支配層」と一般の人民」を分けているのに対して、「日本計画」は「天皇・一般の国民」対「軍部」に二分しようとしたのである。
「日本計画」では天皇を平和のシンボルとして連合国のプロパガンダに利用するために、明治天皇の立憲君主としての側面を強調し、昭和天皇が満洲事変にも日独伊三国同盟にも反対していた事例を宣伝の根拠として利用する戦略だった。
「日本計画」は天皇への攻撃は避けつつも、前述の8つの宣伝目的の5や6からは、日本国内のあらゆる勢力を利用して騒擾と分断を引き起こすことをめざしていたことが読み取れる。
江崎道朗氏の著作が歴史的な名著であることは言及して来たとおり。
この章の題名通りの工作が今も日本のメディアや所謂文化人たちに為されている結果が朝日やNHK等や野党政治屋達の態様であると考えれば、物事の真相がたちまち明らかになるのではないか。
見出し以外の文中強調は私。
日本を分裂させ、相互不信を増幅せよ
加藤哲郎氏の研究によると、OSSは日米開戦の前から日本に関する情報を収集していた。
1942年2月にはその成果を、全40章、378頁におよぶ報告書にまとめあげている。
「日本の戦略的概観」というこの報告書は日本の百科全書とも呼ぶべき網羅的なもので、人口、国内・満洲・中国占領地域・海外の委任統治領などを含めた日本の支配地域に居住するエスニック集団、言語、国民性、生活状態、労働条件、公衆衛生、教育、宗教、公共秩序と警察、新聞、政府、政党、外交、経済など、幅広くかつ詳しく分析していた。
相手国を支配しようと思えば、このように徹底的に相手国について研究するものなのだ。
日本では、アメリカへの対応をめぐって「親米」か「反米」かという議論が長らく行なわれてきたが、その視点の低さに落胆を禁じえない。
なぜ、アメリカを徹底的に研究し、アメリカにどう影響力を行使するのか、という議論が生まれてこなかったのか。
「敵国」日本について徹底的に研究したOSSは、1942年6月3日付で「日本計画」(最終草稿)というプロパガンダ戦略を作成している。
加藤哲郎氏によれば、そこでは、次の4つの政策目標が掲げられた。《1 日本の軍事作戦を妨害し、日本軍の士気を傷付ける、
2 日本の戦争努力を弱め、スローダウンさせる、
3 日本軍当局の信頼をおとしめ、分裂させる、
4 日本とその同盟国及び中立国を、分裂させる》
これらを達成するため、「日本計画」は次の8つの宣伝目的を定めている。
《1 日本人に、彼らの政府や日本国内のその他合法的情報源の公式の言明への不信を増大させること、
2 日本と米国の間に、戦争行動の文明的基準[civilized standards of war conduct」を保
持すること、
3 日本の民衆に、彼らの現在の政府は彼らの利益には役に立っていないと確信させ、普通の人々が、政府の敗北が彼ら白身の敗北で あるとはみなさないようにすること、
4 日本の指導者と民衆に、永続的勝利は達成できないこと、日本は他のアジア民衆の必要な援助を得ることも保持することもできないことを、確信させること、
5 日本の諸階級・諸集団間の亀裂を促すこと、
6 内部の反逆、破壊活動、日本国内のマイノリティ集団による暴力事件・隠密事件への不安をかき立て、それによって、日本人のスパイ活動対策の負担を増大させること、
7 日本とその枢軸国とを分裂させ、日本と中立諸国との間の困難を促進すること、
8 日本の現在の経済的困難を利用し、戦争続行による日本経済の悪化を強調すること)
「日本計画」は、「天皇制を廃止せよ」というノーマンやビッソンとは異なり、「天皇制」を活用して日本を解体しようというものだ。また、天皇を直接に非難することは連合軍の戦争遂行のためのプロパガンダとして適切ではないと分析していた。
「日本計画」最終草稿が具体的な宣伝目的として次のような項目を掲げているのは、その現れである。
《(d)日本の天皇を(慎重に、名前を挙げずに)、平和のシンボルとして利用すること「T0 use the Japanese Emperor(with Caution and not by name) as a peace symbol」
(e)今日の軍部政権の正統性の欠如と独断性、この政府が、天皇と皇室を含む[including the Emperor andhis House]日本全体をきまぐれに危険にさらした事実を、指摘すること、
(g)日本に対して、我々が勝利した場合の、戦後の繁栄と幸福[post-ear prosperity and happiness] を約束すること》]
この「日本計画」の基盤にあるのは、マルクス・レーニン主義が唱えた階級闘争に似た、二分法である。
階級闘争史観では、ブルジョワなど支配階級とプロレタリアートなど被支配階級を明確に二分化し、支配階級を「敵」と決めつけ、敵の徹底的な破壊をめざす。
対日戦略でも、日本を二つに「分断」し、その対立を煽って弱体化させ、支配していくことをめざしたのだ。
まさに分断統治(分割統治)である。
ただし「二分」する方法は、ビッソンやノーマンらとOSSとでは異なっていた。
ビッソやノーマンらが、「天皇を中心とした支配層」と一般の人民」を分けているのに対して、「日本計画」は「天皇・一般の国民」対「軍部」に二分しようとしたのである。
「日本計画」では天皇を平和のシンボルとして連合国のプロパガンダに利用するために、明治天皇の立憲君主としての側面を強調し、昭和天皇が満洲事変にも日独伊三国同盟にも反対していた事例を宣伝の根拠として利用する戦略だった。
「日本計画」は天皇への攻撃は避けつつも、前述の8つの宣伝目的の5や6からは、日本国内のあらゆる勢力を利用して騒擾と分断を引き起こすことをめざしていたことが読み取れる。