文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

潮風で鍛えた声は国技館でトランプ米大統領を振り向かせ、握手の栄を得ている。その大音声で今の新聞に正気を取り戻せと訴えている。

2019年06月10日 18時15分18秒 | 全般

昨日、新幹線の往復の友として3冊の本を携行した。
その中の一冊である下記の門田隆将の本の或る章について一刻も早く日本国民全員と世界中の人たちに知らせなければならない、と、読書家の友人にも協力を依頼した。
友人は昨日の産経新聞の読書欄は読みましたかと言いながら書評を差し示してくれた。
高山正之は滅多に書評を書かないのだけれど、今回は、この本について、彼が書くだろうなと感じていたのだそうだ。
私が発信しようと思っていた章に最も関係した書評でもあった。
書評は、この章に続けてご紹介する。
「吉田調書」報道 朝日新聞の悪意
「吉田調書」報道と慰安婦報道 
朝日新聞というのは、日本人にとって実に「不思議な存在」である。 
ここまで日本と日本人を国際的に貶め、不利な立場に追い込んできたメディアは、日本ではほかに例を見ない。 
朝日新聞の報道によって、日本人は多くの不利益を被ってきた。
たとえば1991(平成3)年8月11日付で、朝日が朝鮮人従軍慰安婦を〈「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた〉存在として問題化させ、今では日韓関係を完全に破壊し、世界に羽ばたこうとする日本の若者の前に大きな壁となっているのは周知の通りだ。 
貧困が世悍中を支配したあの時代、さまざまな事情で不幸にも春を鬻ぐ商売についた女性は、日本にも、朝鮮にも沢山いた。
兵たちの給料のおよそ30倍にあたる「月収300円」を保証されて、そういう商売についた薄幸な女性が数多くいたのである。 
しかし、朝日新聞によって、その女性たちは、無理やり戦場に「連行」され、「売春」を強制された存在となった。
逆に、日本人そのものが「貶められた」のである。 
2014年5月20日から朝日が始めた「吉田調書」報道も基本的な構造は、これと同じである。
このキャンペーン記事は、規模においてまず度肝を抜かれるものだった。
大見出しの1面トップから2面までブチ抜いただけでなく、ネット版(朝日デジタル)に特設ページをつくるほど大掛かりなものだった。 
朝日は、この記事で、2011年3月15日朝、福島第1の東電職員の9割が「所長命令に違反」して、「原発から撤退」していたと報じた。
すなわち大多数の職員が現場から「命令に背いて」逃げていたというのである。 
しかも、朝日が入手した政府事故調による「古田調書」によって、そのことが明らかになった―という。
事実ならこれまで報道されたことがない、まさに大スクープである。 
しかし、それは本当なのだろうか。
この稿続く。
以下が産経新聞に掲載された高山正之の書評である。
正気を取り戻せと訴える
新聞という病
門田隆将著(産経新窗出版・880円十税)
朝日新聞のここが悪いという人はいくらでもいる。
「ここ」だけじゃない。
全てが悪い。
慰安婦の嘘を30年も流して日本人を貶めた。
それだけでも廃刊ものなのにすっとぼけたまま。
周りも甘い。
週刊文春の「新聞不信」欄はずっと良識ある大新聞扱いだ。 
朝日不信を語った者も大方は去った。
また朝日の独善復活かと思っていたら著者が本紙「新聞に喝!」に登場した。 
本書はそれを主にまとめたものだが、朝日とは因縁の吉田調書事件も入っている。
あの東京電力福島第1原発事故で現場にとどまって仕切った吉田昌郎所長と部下の献身は世界が称賛した。  
政府事故調査委員会の吉田調書は非公開だったが、朝日はそれを入手して「部下700人が命惜しさに脱走していた」と報じ、世界の称賛を嘲笑った。  
ネタが非公開文書だ。
真偽を糺す手だてはなかったが、著者は吉田所長と長時間インタビュ-し、部下の話も聞いていた。
地道な取材で朝日の偽り報道を指摘して、朝日の嘘がバレた。 
執筆した記者は現場も取材していなかった。
事実を書く気はない、いかに日本人を貶めるかしかなかった。
この記者のように今の記者は取材しなくなった。
それが新聞の堕落につながると著者は言う。 
取材しないくせに「私たちは戦争をしたい人たちとペンで闘っている」と嘯いて「現実を見ない自己陶酔」状態にあるとその病の症状を指摘する。 
だから例えば中国や韓国の傍若無人には「植民地支配と侵略の被害者の痛みを忘れるな」と根拠レスの自虐史観を持ち出して正論を押さえ込む。 
めぐみちゃん事件も「日朝友好交渉の妨げ」と書き、蓮舫議員の二重国籍は「純粋日本人がそれほど大事か」になる。 
影響力と巧みな弁舌をすべて「日本人の貶めに使う目的は何なのか」と著者は朝日とそれに倣う新聞界に問うている。 著者は土佐出身。
潮風で鍛えた声は国技館でトランプ米大統領を振り向かせ、握手の栄を得ている。
その大音声で今の新聞に正気を取り戻せと訴えている。
誰よりもまず朝日新聞の記者に読んでほしい一冊だ。
評・高山正之(ジャーナリスト)

 

 


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