私が、昨年、ウィキペディアで検索していて、以下の文中に登場する弁護士の存在を知り、事の真相の酷さに、あきれ果てて、何度か言及した。
その事の更なる詳細が、以下には書いてある。
「没落する反日国家の正体」(2015年6月16日出版)トニー・マラーノ氏と室谷克美氏の対談集からである。
文中強調は私に拠る。
前文略
「慰安婦=性奴隷」がワン・パッケージの宣伝作戦
室谷
さて、韓国系アメリカ人たちが「慰安婦」を「性奴隷」というふうに言い換えることで、彼らの運動は勢いづき、少女像が建ったわけです。
考えてみれば、そもそも慰安婦というのがよくわからない言葉で、日本軍の公式用語ではありません。
施設はもっぱら慰安所と呼ばれましたが、女性たちは[接客婦]「従業婦」「醜業婦」など呼び方がいくつもありました。その一つの「慰安婦」が、今度は「性奴隷」という、これまた日本人がよく知らない言葉に言い換えられた。
そういう妙な言葉を使って日本人を貶める反日プロパガンダ戦術に、いま日本がはまりつつある、と私は考えているのです。
トニー
「奴隷」(slave)という言葉自体からイメージすることが、欧米人や黒人の場合と、日本人の場合で、ちょっと違うんじゃないですか。
というのは、海に囲まれて長く平和が続いた日本は、異民族に支配されたことがないから、戦いで敗れてみんな奴隷にされ、強制労働させられたような経験がない。
映画なんかで見ても、古代ローマの奴隷とか黒人奴隷とか、みんな日本人ではないから他人事ですね。
そこに、性奴隷と言われても、なんだかよくわからない。
それで、そういうものかと思ってしまう日本人が、いるのではないですか?
室谷
そうかもしれません。軍関係の売春婦みたいな慰安婦という、戦争に行った人でなければよくわからないものを、「実は性奴隷だ!」と言われて、奴隷のように朝から晩まで働かされる売春婦をそう呼ぶのかな、と思い込まされてしまう……。
トニー
ただ、アメリカでは、もともと日本軍の「慰安婦」という問題そのものが何もなかった。
それで、韓国系の連中がなにやら騒ぎ出したとき「なんだい、慰安婦というのは?」と思ったら、「慰安婦(comfort girl)は性奴隷(sex slave)だ」という話になっていた。
アメリカに入ってきた、あるいはアメリカで初めて聞いたときは、すでに「慰安婦=性奴隷」というセット、ワン・パッケージになっていた。これはたしかです。
室谷
言い換えて持ち込む戦術は韓国人の得意技です。
日本の左翼もお得意です。
たとえば戦後の講和条約騒動がそうでした。
冷戦下であり、ソ連を含む講和は実現性がゼロでした。
ところが左翼はソ連を含む講和を「全面講和」、ソ連を除く、つまり大多数の国々との講和を「単独講和」と言い換え、「全面講和か単独講和か」を争点化したのです。
本筋に戻しましょう。
なんとこの「性奴隷」という言葉を発明したのは、戸塚悦朗という日本の弁護士なのです。
韓国人慰安婦の対日補償請求運動を支援して、いわゆる「従軍慰安婦」問題や朝鮮人の戦時強制連行問題を国連にしばしば持ち込んでいた人物です。
トニー
その人物は、1984年から国連に議案を20本も持ち込んで提案したのに、どれもあつかってもらえなかった。
ところが、[『慰安婦』を「sex slave」と言い換えた瞬間に、みんな目の色を加えて飛びついた。
「自分が使い始めたんだ。すごいだろう」と、「テキサス親父日本事務局」のミスター藤本悛一に自慢したそうです。
室谷
韓国の外交当局が、公式に「性奴隷」という言葉を言い始めたのは2013年からです。
実は中国、北朝鮮の“毒”が入った用語だろうに、反日なら何でもいいとばかりに韓国の政府は飛びついたのです。
トニー
ところが、性奴隷なんて大ウソで、それは軍について動く売春婦とわかった。
だから、私は「慰安婦=性奴隷」というワン・パッケージを、「慰安婦=売春婦」というワン・パッケージに変えるために、一生懸命やっているんですよ。
室谷
韓国人は、誰かが発明したものを、自分が発明したことにしてしまうのが大の得意技です。
そのワン・パッケージも、けしからん日本人の発明なのですが、まんまとパクつて、アメリカにおける反日プロパガンダの有力な武器にしたわけです。
トニー
「慰安婦=売春婦」であれば、あの少女像は「売春婦を讃える像」に違いないでしょう。
私はそう主張していますよ。
ところが、呆れたことに、その売春婦像を、もっとアメリカに建てようじゃないかと考えている連中が多い。
後略