ドイツ旅行 三日目:アウクスブルク町歩き 2

2020-10-04 13:11:49 | ドイツ旅行

バロック美術館の特別展で、東西ドイツ統合の写真や説明を見る。ベルリンの壁が壊される場面やコール首相の姿を目にすることは多いが、混乱したり暴動に身を投じる民衆の姿や、その頃の民家の写真まで大々的に紹介されることはあまりないため、なかなかに興味深かった(ちなみに、社会不安が高まって人種差別が激化したこと、また共産主義政権の崩壊後によくあることだが、偉人とされた人物の名を冠した通りなどが改名されたことなども言及されていた)。

 

ドイツの場合は東西統合という面が強調されるが、共産主義政権の崩壊という観点で見ると、独裁的指導者(ホーネッカー)やそれを支えた諸々の組織(例:シュタージュ)の排除・撲滅でもあり、その一端は「善き人のソナタ」などで描かれている。つまり、ドイツの東西統合=経済的混乱というだけではとても説明し尽せない影響がそこには生じたはずである(「影響」という意味では、東ドイツの崩壊をKGBの一員として実際に見ていたウラジミル=プーチンという男が、大衆の心理を熟知した上で、辣腕を振るう独裁者的存在として今もロシアをコントロールしていることは非常に興味深い。まあそういう事件も経験した策士なので、オリバー=ストーンのインタビュー程度でボロは出さんわな)。

 

アウクスブルク空襲の件もそうだが、その町や国が経てきた歴史をただの知識=抽象的レベルでは知っていても(例えばドイツの空襲なら、ドレスデンの写真が有名である)、それを意識した状態で町を見れていないという現象は、割と一般的に起こりうるものではないだろうか。今回ドイツに降り立って統合前の痕跡を意識したことは一度もなかったが、考えてみればそれから30年も経っておらず、ゆえにたとえ表面上は見えなくても、比較的浅い層に堆積したものが存在し続けていることは、むしろ自然と言っていいだろう。今回の認識を踏まえ、実際に東ドイツがどのような世界であったかについて、次にドイツへ来る機会があれば、ライプツィヒなどを訪れてみたいものである。

 

・・・というわけで特別展も非常に興味深く、予想外に時間がかかったが、逆に言えばなかなかに見ごたえのある美術館であった。

 

 

さて、外に出て再びマクシミリアン通りを北上すると、ハプスブルク家の紋章である双頭の鷲をあしらった扉が見えた。うむ、なかなかに躍動感のある絵でよろしい・・・と何目線なのかわからない感想(笑)を抱きながら先に進む。

 

 

こちらは路地裏の一枚。

 

 

 

それなりに歩き回っていると、路面電車と石畳がアウクスブルクを象徴するものに見えてくる。日本では路面電車がある町は大抵中心街だから、アウクスブルクもこの一帯の中心となる町ってことかな?

 

 

というわけで、最後の目的地である大聖堂に到着しましたよと。

 

 

うーん、美しい装飾だなあ・・・さて、もう残り時間があまりないし、早速見学しますかね。


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