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【Heartland(心の国)はここに】―Field of dreamsが叶えたこと―①

2021-03-31 06:00:00 | 【Field of dreams】
ー目次ー

この物語には夢の球場に通じる何人かの登場人物がいます。彼らの生きた時代が見える
と、なぜ彼らが夢の球場に集まったのか、またなぜ時を越えたファンタジーが真実味を帯びて迫ってくるのかが見えてきます。
まず箇条書きで早く生まれた順番で彼らを挙げていきます。

・ムーンライト(ドクター)・グラハム 1877年~1965年
⇒ミネソタ州チゾムで医師として人生を全う。メジャーリーグで1イニングだけプレーしたこともある。
・シューレス・ジョー・ジャクスン   1887年~1951年
 ⇒メジャーリーグ、ホワイト・ソックス時代に八百長をはたらいたとして球界から永久追放を受けた、伝説の名ベースボールプレイヤー
・ジョン・キンセラ          1896年~1974年
 ⇒第一次世界大戦時から第二次世界大戦後のアメリカを生きた、ごく一般的で良心的なレイの父親。野球を愛し、自身もマイナーリーグにいた経験を持つ。
・テレンス・マン(JD・サリンジャー) 1919年~2010年
 ⇒60年代の活動家であり小説家。原作ではJDサリンジャーとして登場している。代表作「舟を漕ぐ人」はサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)」と目されている。
・レイ・キンセラ  1952年~
⇒アイオワの農夫だったが“If you built it, he will come.”の VOICE(声)を聞き、トウモロコシ畑を野球場に造り変えたこの物語の主人公。

その時代とともに「後悔(repent)」をキーワードに夢の球場集まった人たちを紐解いて行きたいと思います。主人公のレイとジョンは親子の失われた時間と関係性。シューレス・ジョー・ジャクスンは唯一のとりえで強みでもあったベースボールを事件によって失いました。ドク・グラハムはメジャーリーグで生きるという道を断念しました。テレンス・マンは小説家としての筆を折り、自身の表現への想いを止めています。この物語はこの失った人生で最も大切だったものを一つ一つ丁寧に回収していきます。違う時代、異なる場所という生地を「ベースボール」という針で縫い合わせていくと、一枚のキルトのように見事なタペストリーを編み上げます。それは一つの宇宙のように、一つの曼荼羅(マンダラ)のように。そしてこの物語に歴史という軸を当てはめていくとよりこの物語が荒唐無稽ではなく、リアルで今日に生きる私たちに確実に繋がっていることがわかります。彼らの夢の球場への導きがなぜ必然であったのか、そして今の私たちの歴史にこの物語がどうつながっているかをこれから見ていきたいと思います。


【Heartland(心の国)はここに】―Field of dreamsが叶えたこと―⓪

2021-03-30 06:00:00 | 【Field of dreams】
ーはじめにー

年も明けて1/11、健康診断の前日に眠れなくて【フィールド・オブ・ドリームス】に辿り着きました。1988年公開のアメリカ映画です。ケビン・コスナー主演で、当時も大ヒットしました。あれからおよそ33年が過ぎようとしています。

なぜ今【フィールド・オブ・ドリームス】なのかと言えば2つ理由があります。一つは時代の要請として、もう一つは個人的な動機として、です。まず前者ですが1/20にいよいよアメリカ大統領の就任式があります。アメリカに何かが起こりそうなざわざわ感が伝わってきます。今回の大統領選を関連で言うと、第59回目に当たります。慣例としてアイオワ州を皮切りにして共和党、民主党の予備選が始まります。アイオワはアメリカの中西部に位置し人口310万人の地方都市です。どうしてアイオワから大統領選が始まるのかというと、この中西部をHeartland(ハートランド)といいますが、いわゆる昔からのアメリカの原風景が国民性や文化の点でもよく表れている地域なのです。規模が大きく選挙民の影響力があるのは西海岸はカリフォルニア、東はNY(ニューヨーク)やDC(ワシントン)でしょうが、この地域のアメリカ人は昔からのアメリカの心や気持ちを表すと言われています。アイオワを制すものは選挙を制すとも言われており、人口の数では他州には及びませんが、勝敗の如何はアメリカの民意の象徴とも捉えられ、その後の投票結果を左右する重要な地域となっています。Heartland中西部はアイオワ以外にもカンザス、ミネソタ、インディアナなど全部で12州で構成されていますが、中でもアイオワは一等最初なのです。

映画【フィールド・オブ・ドリームス】はこのアイオワが舞台です。主人公のレイ・キンセラがトウモロコシ畑を潰して作った夢の野球場はアイオワのダイヤーズヴィルにあります。この映画ではHeartlandの名にふさわしいドラマが繰り広げられました。アメリカが分断されていく今、このアイオワに、この映画に戻るべき原点があります。そして今のアメリカを知るヒントやこれからのアメリカがどうあるべきかを問うメッセージがあります。

という訳で、【Heartland(心の国)はここに】―Field of dreamsが叶えたこと―をスタートします。今回のシリーズですがこの映画をご覧になられた方は是非ご自身が感じたこと、思ったことと照らし合わせて懐かしんで頂ければと思います。映画をご覧になられていない方は、ごめんなさい完全ネタバレで物語の結末や意図を紐解いていきます。でも安心して下さい、わかっていても十二分に感動できる物語ですので。

全10回(ぐらい)。後者の自分の動機はさておき、フィールド・オブ・ドリームスの世界をお付き合いください。きっと2021年がとても大切な年と感じてもらえ、私たち一人一人にもアメリカという国の歴史が大きく関わっていることにお気づき頂けると思います。

ご興味のある方は一度映画を観ておくとより深くご理解頂けると思います。レンタルでもAMAZONプライムでもいいので。ネタバレが心苦しくて・・・。
では、はじまりはじまり。

※そうですこの話ですが1月に書き始めたのです。もうすっかり春。漸く脱稿しましたので2日に1EPのペースでUPしていくつもりです。
宜しくお願いします。