スメラ~想いをカタチに~

スメラは想いをカタチにするコミュニティーです みんなの想いをつなげて大きな輪にしてゆきましょう

【戸越銀座でホットケーキ】

2019-03-29 22:43:22 | 【日々雑感】
久しぶりにホットケーキ巡りに行ってきました。今回行って来たのは戸越銀座にある【PEDRA BRANCA】(ぺドラ・ブランカ)さん。そもそも家族でホットケーキ巡りは恒例の行事になっていましたが、多忙というか自粛というかでしばらく行っておりませんでした。今回のきっかけは職場の新人さん(超優秀)に勧められたことに端を発します。それもあるのだけど、季節の変わり目ということで、質の悪い風邪にかかってしまって、仕事以外はずっとベッドで身体を休めるという2週間。その間ほぼ家族とのコミュニケーションが断たれ、休みもまさに静養(ひたすら寝る!)に時間を費やすという毎日だったのです。という訳で家族に罪滅ぼしというか、身体の回復と合わせて関係性の挽回を図りたかった、のです。
 
彼女の好きなホットケーキはその目的には丁度よく、3歳になったばかりの子どもにも、まあ喜んでもらえるであろうチョイスでした。娘には前振りで出発前に、「おさるのジョージ パンケーキをつくる」を読み、期待値とモチベーションを上げておきました。

神奈川の大和市から戸越銀座までは車で行くと何だかんだで2時間ほどかかります。結構な時間と距離がある。それでも目的があるというのはいいもので、それほど苦痛とは思いません。むしろ街にはちらほら桜が咲き、五分六分咲きの桜は、散るよりも花として枝にその存在を露にしたところで、咲く力で街にエネルギーを振りまいていました。それはドライブにはもってこいの風景で、その咲く力を頂きながら戸越へ向かいます。

到着したのがお昼の13時前ぐらい。中はお昼時でほぼ満席。幸いカウンターの席をご用意頂き、待望のホットケーキをお願いしました。待つこと20分ぐらいでしょうか、直径16cm、厚さ4cmぐらいのホットケーキが2枚重ねられて運ばれてきました。最近のパンケーキはホイップクリームや生クリームが盛られデコられ賑やかなことが多いですが、ここはシンプルにバターのみです。メープルシロップもなく、インスタ映えもないかもしれない。でもその分潔(いさぎよ)く、プリミティヴでホットケーキのあたまに「the」がつくようなホットケーキでした。

媒体として伝わる画像の情報はシンプルでも、それを食せば、味覚を通して五感、六感に働きかけよりリアルに伝わります。体験という彩(いろどり)は視覚の情報を越えてDNAにまで沁みわたります。インスタ映えならぬ体験映えなのです。なんでしょうか、記憶なのです。バターの程よいしょっぱさとほのかで控えめな甘さが、初めてホットケーキを食べた幼少の時のことを思い出させるのです。それは錯覚かもしれませんが、言葉を持つ前に食したホットケーキはこんな感じだった、そう思わせてくれるのです。ケーキのスポンジより柔らかく、ムースよりしっかりとしたその温かい食感は、何のデジャヴかと思い起こさせます。それは万人に通底するカントリーマアムの味なのかもしれません(不二家のカントリーマアムじゃないよ)。

なーんて言ってますが自分なんかは限られたバターを大事にしながらだまってパクパクとほおばるのです。
おいしい、おいしいと。来てよかったと。

お店に入る時小さいお子様が私たち三人を迎えてくれました。おそらく店主の娘さんだと思います。入口付近で一人遊びで戯れている。チェーン店にはない風景。大手ではありえないシチュエーション。でもちょっと前まで、いやもう昭和までさかのぼるかな?かつてそれは日常でした。その事情や状況を汲み、踏まえ営まれる日々。そこに生まれる愛が記憶を蘇らせるここの秘かなレシピなのかもしれません。だとしたら、どこにでもありそうなスタンダードだけれど、どこにもない「the」ホットケーキがここにはあります。

かつてと今が違うとしたら、それは店主の方が好きでそのホットケーキを作り、それが日常であること。生活のためとか、やむなくとかではなく、自ら望み、自ら選び、自ら作っている。そこが新しくもあり、心地よさがある。この日来ていたお客様は、たまたまかもしれませんが7割が小さいお子様連れの20代から30代のヤングママ(表現古い!)たちで、男性は自分一人でした。個人経営のお店には店主の意志が現れるもの。店主の自身を活かす生き方を、どこか潜在的に求めている方が引き寄せられるのかもしれません。それが仮にないものねだりだとしても、「ねだる」というまだ言語化されない「想い」があるのであれば、ここでインスパイアされれば動く何かもあるかもしれません。

そうか、【PEDRA BRANCA】には「咲く力」があるということか。
そこがただの記憶や懐かしさだけではないんだろうなと思いました。

結論!

とてもおいしかったです。ごちそうさまでした!