高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

スジボソサンカククチバ(沖縄編22)

2008年12月21日 09時42分21秒 | Weblog
サンカククチバの翅形や模様が直線的なのに対して、このスジボソサンカククチバはやや曲線的で女性的なやさしさを感じる。

一度生きたものをこの目で見てみたいと常々思っていたので嬉しかった。
飛び方も比べてゆるやかで、蛾幕に止まらずにすぐ地面に止まる。

やんばるの山中では出会わなかったので、おもに人里に近い低地に生息しているのかもしれない。

奄美以西、台湾、中国、ジャワ、マレーシア、インドにかけて広く分布している。
幼虫はトウダイグサ科のコミカンソウやキダチコミカンソウを食べる。

この夜スジボソサンカククチバは2頭飛来した。
サンカククチバは高知では近年頻繁に見かけるのだが、今回沖縄本島で全く見かけなかったのは不思議な気がした。
(撮影:沖縄県大宜見村 2008.11.28)

オキナワシロイラガ(沖縄編21)

2008年12月20日 09時59分25秒 | Weblog
白地に黄褐色の模様のあるオキナワシロイラガはじっと見ていると引き込まれそうな落ち着いた美しさと可愛さを感じてしまう。

沖縄諸島と西表島で発見されていて、幼虫はショウベンノキやヒマを食べる。

春型では同地域に分布しているカバフシロイラガがよく似ているので同定には注意が必要である。

オキナワシロイラガの生態画像をネットで探してみたが見つからない。
沖縄での調査回数はまだ少ないが、初めて見かけたので結構少ない種といえるのではないだろうか。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.26)

ミドリヒメシャク(沖縄編20)

2008年12月19日 10時50分40秒 | Weblog
コンビニの明かりにミドリヒメシャクが来ていた。
一見エダシャクを思わせるが、これでもヒメシャクの仲間とは驚かされる。

濃い緑色紋が地図のように並ぶ独特な模様が南方系の魅力ある雰囲気を感じさせる。
灯火に時々飛来するが、数はやや少ないようだ。
幼虫は近年アカネ科のコンロンカより見つかっている。

奄美以西から台湾まで分布し、偶産蛾として鹿児島県でも発見されているらしい。
インド、マレー、タイには別の亜種が分布しているという。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.26)


ナカジロフサヤガ(沖縄編19)

2008年12月18日 09時37分41秒 | Weblog
灯火に前翅が黒く後翅の白いナカジロフサヤガが飛来した。

ナカジロフサヤガは八重山諸島、東南アジア、インド、ハワイ、オーストラリアとたいへん広い範囲に分布している。

私はこれまで石垣島と西表島で見つけていた。
今回沖縄本島で発見したのは初めての記録になるのではないだろうか。

似たオビナカジロフサヤガが奄美大島で発見されているので同定は注意する必要がある。

幼虫はハゼノキ、マンゴウ、コショウボクを食べる。

(撮影:沖縄県大宜見村 2008.11.28)

ネウスシャチホコ(沖縄編18)

2008年12月17日 10時08分28秒 | Weblog
コンビニの照明に集まった蛾を探し終わって帰ろうとしたとき、駐車場の地面に止まっている蛾を危うく踏みつぶしそうになった。
何だろうと懐中電灯を近づけて見ると、何とネウスシャチホコではないか

初めて見つけた瞬間、頭部がちぎれてなくなっているかと思ったが、採集してみると胸部の下に潜り込んでいて見えないだけだった。

今回の旅行で見つけたシャチホコガは結局この1頭だけだったが、念願のネウスシャチホコにやっと出会えて嬉しかった。

奄美大島以西、台湾にかけて分布していて食草や生態はまだわかっていない。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.26)

ハグルマノメイガ(沖縄編17)

2008年12月16日 10時50分53秒 | Weblog
頭部、腹部、はねの基部が黄色で、腹部とはねの外側が黒色で翅脈が白くまさに歯車模様をしている派手なハグルマノメイガは南方系の虫を感じさせる。

この目立つ派手な衣装に出会うたびに沖縄にやって来たという実感が沸いてくる。

九州以西、台湾、中国、東南アジア、アフリカと広範囲に分布している。
沖縄では平地でも山地でも普通種で、以前2桁灯火に飛来したことがある。

幼虫はミツバウツギ科のショウベンノキやゴンズイを食べるという。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.26)

ムツテンノメイガ(沖縄編16)

2008年12月15日 14時36分28秒 | Weblog
今回沖縄本島で灯火に多く飛来したのはムツテンノメイガだった。
平地でも山間部でもよく見かけるきれいなメイガである。
ムツテンノメイガは九州以西、台湾、中国、マレーシア、インドと広範囲に分布している。

私は偶産だろうが、以前四国の足摺岬でも発見して驚いた記憶がある。
幼虫はイヌビワ、ガジュマル、アコウ、オオイタビなどを食べ、成虫は灯火以外に花にもよく来るそうだ。

後翅後縁に黒い小さな黒点が6つあることからムツテンと名がついた。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.27)

キンモンノメイガ(沖縄編15)

2008年12月14日 10時11分05秒 | Weblog
花壇の花でキンモンノメイガを見つけた。
開張17mmほどの小さなメイガだが濃いオレンジ色の紋がよく目立ちとても美しい。

四国西部でも見つかっているそうだが、おもに九州以西に分布している南方系の種である。
昨年石垣島で灯火に飛来したのを見つけて、今回が2度目の出会いとなった。

この花壇では複数飛んでいたし、離れた他の場所でも草地で見かけたので沖縄本島では普通種なのかもしれない。
夜間灯火に飛来するが、昼間活発に訪花活動しているようだ。

小さいので注意して探さないとつい見失ってしまいそうになる。

(撮影:沖縄県大宜味村 2008.11.27)

ホシヒトリモドキ(沖縄編14)

2008年12月13日 09時53分39秒 | Weblog
宿のベランダに設置している水銀灯にホシヒトリモドキが飛来しているのを見つけて感激する。

これまで数回沖縄県に出かけて初めて出った。
図鑑をみると普通種となっているので少なくないはずなのに何故か全く見かけなかった。

6月に多く発生するらしいので他の季節は少ないのだろうか?
幼虫の食草は他のヒトリモドキと同じクワ科なので植生の違いは関係なさそうだ。

これでやっとキイロ、シロスジ、ホシ、キシタ、イチジクと5種のヒトリモドキを手元にそろえることができた。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.27)


キイロヒトリモドキ(沖縄編13)

2008年12月12日 09時38分46秒 | Weblog
ヒトリモドキの仲間でシロスジヒトリモドキに次いでよく見かけるのはこのキイロヒトリモドキである。

からだ全体がオレンジ色でとても美しく、さすが熱帯の蛾だとこの色には感嘆してしまう。

キイロヒトリモドキもインドからオーストラリアにかけて広く分布していて、日本では九州南部以西で見られる。
この画像の個体もコンビニの照明に飛来したものである。

幼虫はクワ科のガジュマル、イヌビワ、オオイタビなどを食べるという。
(撮影:沖縄県国頭村 2008.11.27)