自主映画制作工房Stud!o Yunfat 改め ALIQOUI film 映評のページ

映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

銀河漂流バイファムについて

2022-06-23 01:08:00 | 映評でなく、映画についてのエトセトラ
https://youtube.com/watch?v=n1OC5A6KzzQ

いまサンライズの公式YouTubeで「銀河漂流バイファム」を配信中で、これがめっちゃ面白い。


宇宙開拓を進めていた人類がある日、突如異星人の軍隊から攻撃を受ける。

ジェイナス号はわずかの軍人と民間人の大人たちそして13人の少年少女を乗せて宇宙基地から脱出。しかし、軍人や大人たちは異星人の攻撃で次々と亡くなり、少年少女だけが残るのである。

比較的ガンダムに似た状況。しかしガンダムはブライトが19歳で、レギュラーキャラの中で比較的年下のアムロは15歳だったが、バイファムの場合主人公のロディは14歳でしかも少年少女の中では比較的年上の方。10歳前後の子たちが、謎の異星人の軍隊と戦うのだ。勝てるわけないじゃんという絶望の中、少年少女は力を合わせ、そしてどんな時も明るく、力を合わせて運命と戦うのです。


子供たちの中でミリタリーオタクっぽいクソ生意気なガキ(名前はケンツ)がいて、物語をかき回すトラブルメーカーでストーリーにメリハリを与える超重要キャラなのだけど、声が野沢雅子さんってあたり、製作陣分かってますねって感じです。


そしてメインキャラの1人のカチュアちゃんの過去がわかるあたりとか最高にドラマ的に盛り上がるのです。第何話くらいだったろう?いま配信されてるの第4話くらいなので、もっと先だと思いますが。


ストーリーもさることながら、ロボット兵器(劇中では「ラウンドバーニアン」と呼ばれる)の宇宙での戦闘の仕方が、その当時のロボットアニメのなかでは群を抜いたリアリティがあった。

宇宙は重力がなく、摩擦がないので、移動する物体が「止まる」ためには、移動方向と逆向きの推進力を働かせる必要がある。いわゆる逆噴射だ。

ガンダムの推進力は背中のバーニアしか見当たらず、進むことはできても止まるためには本来は体を180度回してバーニア噴射をしなくてはならない。(ガンダム公式によるとどういう原理か知らんがミノフスキークラフトが姿勢制御を可能にしているとのことだが)

バイファムは肩と脛に色んな方向を向いた補助バーニアがあり、それらを噴かすことで止まったり横を向いたりするのだ。

そういった描写があの頃はものすごくカッコよかった。


ごく一部の人にしかわからないことを書きますが、松本の小学教師の麻和先生が生徒たちと作ったSF映画の実写版アトム(手塚プロに許可を取って制作)で、アトムが宇宙空間で足の向きを変えて姿勢制御をする描写があって、バイファムみたいでカッコよかったですと感想を書いたら、バイファム狙ってましたと返信が来て、やはりわかってらっしゃいましたかと思ったことがあります。


ジェイナス号は2001年のディスカバリー号とスタートレックのエンタープライズ号を合わせたようなデザインで、惑星で見つけた遺跡もモノリスっぽくて、その辺りにも本格的SFへの憧れが見えます。


本格SF試行は、主題歌からも感じられます。

当時札幌では夜7時からの放送でしたが、主に子供向けのロボアニメだったわりに主題歌の歌詞が全部英語なのです。

私はサントラで歌詞を覚えて、意味は分からず

ワイプアウェーオールヤティアーズ

トゥゲザウィウィルコンカフィアー

と歌ってました


正しくは

Wipe away all your tears

Together we will conquer fear

涙を拭こう、 僕らは恐れない (意訳)


で、改めてバイファムを見て歌に感動し、歌詞の意味を調べました


サビのとこ


Give us your courage, VIFAM

You are our image, VIFAM

United we must fight, VIFAM

Uncertain of our might, VIFAM 

勇気をくれよ、バイファム

僕らの憧れだ、バイファム

共に戦おう、バイファム

可能性は未知数だ、バイファム

(意訳)


なんかめちゃくちゃカッコいいですよね


ところで、バイファムの主題歌には、前奏と間奏に臨場感あふれる英語のセリフが入ります。

管制塔とパイロットとバイファムコンピュータ人工知能の会話のセリフです。


その間奏部のセリフにこんな一節があります


:Two aggressors in sight R 5866
:All stations on red alert
:ECCM on No.2 Javelin
3
21 fire


「有視界に敵2機 距離5866km

「レッドアラート発令」

ECCMオン 第2ジャベリン用意 3,2,1,発射!」


この原文の「R 5866」というのが、サンライズ公式では「5866 km」と発表されているということです。


5866kmは東京からインドくらいの距離にあたり、いくらなんでも「有視界」なわけないだろ、これは誤記か設定の考証ミスだろうとネットでそんなことを書かれているのを見かけました。

しかし、本当にそうでしょうか?

有視界とは言っても、人間の肉眼とは言ってないのでは?バイファムのメインカメラで視認可能という意味では?

それにしても遠いかもしれませんが色んなセンサー等を複合すれば未来のカメラなら追尾できるのかもしれません。

それにしても遠すぎでしょ?5800kmの距離で撃って当たる?と思うかもしれません。

しかしですね

宇宙空間の移動スピードというのは尋常ではないのです。

例えば国際宇宙ステーションは時速28000kmというスピードで地球の周りを回っています。

仮にバイファムが国際宇宙ステーションと同じスピードで移動し、接近する敵機も同じスピードで迫ってきているとしたら、相対スピードは56000km/hです。

距離5800kmなら接触まで6分しかありません。バイファムのメインコンピュータがアラートを発するのも無理はないのです。


ま、もっともバイファムの劇中でそんな長距離での撃ち合いはなかったはずですが


そんなわけでSF好き心をくすぐりまくる「銀河漂流バイファム」

SF好きにはぜひ見てほしい作品です


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 選挙が近いので政治ネタです... | トップ | 『ゴジラVSキングギドラ』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映評でなく、映画についてのエトセトラ」カテゴリの最新記事